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「スギ花粉の皮膚炎」の新知見 -アレルギー反応による皮膚炎だけではなく、バリア機能も低下させますー

前回の勉強会の続きになります。
ナビジョンを製造販売する資生堂は、
スギ花粉症の主抗原(主な原因物質)である
「Cry j1クリジェイワン」が、目や鼻のアレルギー症状を
引き起こすだけでなく、皮膚のバリア機能を低下させる
ことを発見しました。
花粉が皮膚に付着した際に
皮膚でアレルギー反応を起こし、皮膚に炎症を
与えることは以前より知られていますが
皮膚のバリア機能そのものも低下させることも
わかりました。
*Kumamoto J et al:Archives of Dermatological Research 308:49-54
*Denda M et al:journal of Investigative Dermatology 109:84-90

スギ花粉症の主要抗原Cry J1
が皮膚に付着し、
皮膚内に侵入すると
PAR-2(プロテアーゼ活性化受容体2)が活性化され
炎症やかゆみが起こります。
PAR-2はアトピー性皮膚炎のかゆみのシステムにも
かかわっているひとつで、
皮膚表面のケラチノサイトでIL-6やIL-8などの
炎症を引き起こすサイトカインを放出させます。
*柳瀬雄輝他:PAR-2,アレルギー63(1)206-207.2014
そればかりでなくPAR-2が活性化されますと、
皮膚表面の細胞と細胞の間を満たし、
外来物質の侵入から守っている細胞間脂質の分泌が
抑制され、肌のバリア機能が低下することが
資生堂の研究でわかり、報告されました。
花粉症の時期には、
花粉の暴露からの回避のみでなく
十分な保湿ケアによるバリア機能の維持に
心がけることが大切ですね。

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