八丁堀 皮膚科|スキンソリューションクリニック Rotating Header Image

目の周りに水ぶくれができる「エクリン汗のう腫」の治療の局所アトロピン軟膏、シートの使用において散瞳が固定しまう合併症がでています

「エクリン汗のう腫」という目の周りから頬に、汗をかくと水疱ができる疾患がります。

当院では多汗症の治療や、シワ治療で行っているボツリヌストキシン治療を応用し、皮膚の表層に細かく注射をすることで(通称マイクロボトックス)
発汗を抑制し、症状を抑制する治療を行っております。
当院ではこれまでに、エクリン汗のう腫にて診察している患者様は54名いらっしゃいます。
そのうち、このマイクロボトックスで治療をされている方は38名、ほぼ全例著明改善をしています。
残りの16名は、注射に抵抗がある、自費診療のため費用的に難しいなどといった理由で治療を見合わせていますが、中には塗薬の治療を試されている方もいらっしゃるようです。
アトロピンという抗コリン剤の軟膏やシートを患部に塗布して発汗をおさえ、
水疱が出るのを抑制する方法です。効果についてはエビデンスがありますが、
一方で昨年その使用による合併症の報告がございました。
散瞳したまま持続してしまうという症例です。
*Zandi Alireza et al.:A rare complication of topical atropine for treatment of eccrine hidrocystoma:Pharmacological fixed dilated pupils.Journal of cosmetic dermatology 2018

アトロピンは眼科で検査や処置の際に瞳孔を開き(散瞳)させるために使用し、
使用後3-6時間は散瞳が続きますがその後もとに戻ります。
しかし、エクリン汗のう腫で使用する際には、1日1-2回患部にたびたび塗布し、
また病変が目の周りに多いことから散瞳が持続、固定してしまう合併症が出ています。
散瞳が続きますと光を感知しても瞳孔が収縮しないので眩しいですし、またピントも合わせ辛くなるのでかすんで見えるなど視力にも影響します。
また長期続くとさらなる視力障害も起こしかねません。

それに対してマイクロボトックスは目への影響はなく、
長期繰り返し治療を行っても重大な合併症は見られていません。
そして当院では繰り返し行うことで発汗が減り、
症状が出にくくなる症例も多く認められています。
したがって局所アトロピン外用よりも安全性が高いと考えておりますので、
暖かくなり、治療を検討されいる方は、マイクロボトックス治療がお勧めです。

*Mehdi Gheisari,Behnaz Hamedani et al.:Intralesional botulinum toxin-A injection for the treatment of multiple eccrine hidrocystomas.Journal of Cosmetic and Laser Therapy 2018;20,287-292

投稿日:2019年12月20日  カテゴリー:汗管腫・エクリン汗のう腫, ★ 院長ブログ・医療情報 ★