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「腸から動脈硬化を予防する」時代到来です!~腸管粘膜バリア機能に着目した新たな動脈硬化治療薬が発表されました~

横浜市立大学医学部 循環器・腎臓・高血圧内科学 の
研究チームより、

腸管粘膜バリア機能に着目した新しい動脈硬化治療薬について発表がありました。
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動脈硬化には腸内細菌が血中に漏れ出すリッキーガット症候群(腸管壁漏洩症候群)が関係していること。
クロライド・チャネル活性化剤Lubiprostone(アミティーザ)は、
リッキーガット症候群を改善することで動脈硬化症の進展を抑制する。
というものです。

腸と動脈硬化???と思われると思いますが、
以前より腸内細菌が種々の疾患に関連していることについて
私のブログでもお伝えしてまいりました☺
近年「腸内環境、腸内細菌」は脚光を浴びており、続々と研究結果が出てきております。

動脈硬化をもとに発症する心筋梗塞、脳梗塞といった動脈硬化性疾患は日本において死因の第2位をしめています。
動脈硬化を抑制するために、糖尿病、高血圧、脂質異常症などの生活習慣病の管理・治療が行われていますが、有効に抑制できていない現実があります。
近年では食の欧米化により、若年発症の動脈硬化性疾患も見られるようになり、動脈硬化の予防対策は深刻です。

動脈硬化は血管の慢性炎症性疾患であるとされ、炎症や免疫反応との関与がわかっています。腸は体の中で最大の免疫臓器であり、全身の免疫機能に影響しています。
そこで「動脈硬化を腸管免疫修復により予防する」とか「腸から動脈硬化を予防する」といわれるように腸管免疫に着目した動脈硬化の研究が急速に進んでいます。
私も以前から、肥満、糖尿病、メタボリックシンドロームと腸内細菌叢の異常(dysbiosis)との関連について、そしてそれらと皮膚疾患との関係(乾癬、アトピー性皮膚炎等メタボリックスキンシンドローム)についてお話してまいりました。>>>

したがって腸内環境、腸内細菌叢(腸内フローラ)を整えることは、動脈硬化の予防に役立ちます。

腸内細菌叢の相違が、動脈硬化のなりやすさやなりにくさに関わっていることが想定されています*2。

腸内細菌叢を整えることは、腸内環境、腸管バリア機能を整えることにつながります。
これらは食生活習慣により大きく影響を受けます。
食物繊維の多い食事、オリゴ糖等は善玉菌(有用菌)を増やします。
発酵食品は善玉菌を元気にします。
善玉菌の摂取(プロバイオティクス)を摂取すると、必ずしもその菌が定着しませんが、腸管粘膜に良い信号を与え、腸内環境を整えてくれます。

その他にも、口から摂取したものが、腸で働き、全身の免疫反応にも影響を与えることがわかっており、ビタミンD3を経口摂取すると、動脈硬化を抑制する効果があることが報告されています*1。

そして先日お伝えした亜鉛>>>
亜鉛は細胞分裂や核酸代謝に補酵素として大きく関与しているため、
腸管粘膜バリア機能に重要な栄養素です。
亜鉛は複数の起点により腸粘膜のtight junctionを介した腸管バリア機能を保護あるいは強固にすることが明らかとなっています。
上述したリッキーガットシンドロームや薬剤性潰瘍等の消化管粘膜障害に、亜鉛補充療法が有効です。*3
日ごろから亜鉛が不足しないようにすることは、腸環境を整えることに役立ち、
結果動脈硬化の予防にもつながるといえます。

 

皆様も腸内環境を整えて、病気の予防をしましょう

 

*1.Takeda M,Yamashita T ,et al.:Oral administration of an active form of vitain D3(calcitriol)decreases atherosclerosis in mice by inducing regulatory.T cells and immature dendritic cells with tolerogenic functions.Arteriscler Thromb Vasc Biol 2010;30:2495-2503.

*2.山下 智也 他:腸から動脈硬化を予防する~腸内細菌叢と動脈硬化性疾患との関わり~.日医大医会誌13:205-209,2017

*3.東村泰希他:腸管バリア機能における亜鉛の重要性.ビタミン91:437-440.2017

 

 

投稿日:2019年8月22日  カテゴリー:★ 院長ブログ・医療情報 ★, 健康情報・アンチエイジング