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昨年末に改訂された脱毛症診療ガイドラインで「ミノキシジル」内服治療は男性女性ともに推奨度D(行うべきではない)と追記。当院では使用しておりません。

昨年末に改訂された
「男性型および女性型脱毛症診療
ガイドライン2017年版」
では、
「デュタステリド」ザガーロ®及び
「ミノキシジルの内服治療」について

新たに追記されました。

このガイドライン作成の背景と目的は、
「近年、男性型脱毛症の病態解明が進むとともに
有効外用、内服の治療薬が開発され、
皮膚科診療においても積極的に使用されるようになってきた。
しかし、それでもなお皮膚科医の立場からは無効といえる
科学的根拠に基づかない民間療法が社会的に横行し、
無効な治療法を漫然と続ける患者も少なくなかった。
・・・(途中省略)科学的根拠に基づいた情報を選び出し、
医師、患者双方にとって標準的治療法を提示することで、
本邦における男性型脱毛症診療水準を向上するという
目的を果たしたものである。」

ということで
効果が実証されており、安全性の高い治療を
明確にするため
日本皮膚科学会と毛髪科学研究会により
このガイドラインが作成、発表されています。

治療方法それぞれについての推奨度が示されています。

推奨度A:行うよう強く勧める
・推奨度B:行うよう勧める
・推奨度C1:行ってもよい
・推奨度C2:行わないほうが良い
推奨度D:行うべきではない

と評価されています。

2015年11月より新たに処方開始になった
「デュタステリド(ザガーロ®)」
は女性には無効で推奨度Dですが、男性はA

そして「ミノキシジル」の外用療法(塗布)は
男女ともに推奨度Aですが
今回「ミノキシジル」の内服療法(服用)は
男女ともに推奨度D:行うべきでないと評価が追記されました。

「ミノキシジルの内服の有用性に関して
臨床試験は実施されていない。
ミノキシジルは降圧剤として開発されたが、
本邦では許可されていない。
また、男性型脱毛症に対する治療薬としても
許可されている国はない。
それにも関わらず、全身の多毛症を起こす副作用が
あることを根拠に、医師が安易に処方したり、
一般人が個人輸入で入手し服用することがあるので、
医薬品医療機器等法の観点から問題視されている(以下省略)」
と解説されています。

ミノキシジル内服薬の製剤添付文書には、
市販後調査(処方開始後実際に使用した際出現した副作用
の調査など)にて、
胸痛、心拍数増加、動悸、息切れ、
呼吸困難、うっ血性心不全、むくみ、体重増加など
重大な心血管系の障害が記載されています。

高血圧があり血圧コントロールが必要な人
ではない人に

降圧剤であるミノキシジルを投与をしますと
血圧が下がり、上記のような副作用がでる
ばかりではなく、

全身の臓器への低潅流(血液が十分に臓器
へ行きわたらない状態)と
なります。
血圧を低くしすぎることの害については
意外と医師も無頓着ですし、皆様も低いほうが良いと
思っていらっしゃるのではないでしょうか。

臓器に大切な血流が十分に送られなくなりますと、
臓器の機能の低下や、脳や心臓においては脳梗塞、痴呆、
心筋梗塞などの
リスクが高くなります。
このような影響はすぐに出ることが少ないため
自覚症状がなく、長期間服用する間に影響がでる可能性があります。

*佐藤浩樹ら:低潅流症候群(脳、心),日本臨床50:131-134,1992
*Cruick-shank.J. etal:Benefit and potential har of lowering high blood pressure.Lanct:581,1987
*相沢直輝ら:高血圧・計血圧はどのようなリスクがあるの?.透析ケア23:613-614,2017

 

一般的には臓器への血流は、全身の血圧と各臓器の動脈硬化(血管が細くなる)
の程度によって決まります。
ある程度加齢とともに血圧が上がるのも理にかなっています。
多少なりともの動脈硬化によって血管が細くなり、
臓器への血流が十分でなくなってきているのを
血圧が高くなることで補っているとも言えます。

よって、高血圧による脳、心臓血管系の疾患リスクとともに
低血圧によるそのリスクについても知っておかなければなりません。

またEDに影響する薬剤のひとつにも降圧剤があります。
動脈硬化により陰茎への血流が減るとEDに影響しますが、
動脈硬化のある人に降圧剤により血圧が低下しますと
さらにEDを生じやすくなります。
*柿崎詩野ら:妊孕性・性機能に影響を及ぼす
不妊リスクのある医薬品.薬局68:248-243

 

以上のように服用すぐには、副作用が実感できなくても、
長期間服用することによるリスクはありうるのです。
したがって当院ではミノキシジルの内服治療は一切行っておりません。

どうしても使用されたい方は
そのリスクを十分理解し、医師に十分な説明を
受けたうえでご使用ください。

投稿日:2018年2月23日  カテゴリー:★ 院長ブログ・医療情報 ★