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アトピー性皮膚炎の方がレーザー脱毛をするとかゆみや症状がよくなるメカニズムについて

アトピー性皮膚炎の方の痒みは複雑で
かゆみ止めの飲み薬で効きにくいことについて
以前にお話ししました
その1>>>
その2>>>
その3>>>
その4>>>

 

<その2>では
この図の4番目の表皮内神経線維(C線維)の増生についてお話しました。

健常者の皮膚では、
知覚神経のC線維は、
主に表皮ー真皮境界部や真皮内に分布していますが、
アトピー性皮膚炎患者では、
C線維が表皮内へ侵入し、角質層直下まで伸長する線維まであることが分かっています。
皮膚表面のすぐ下まで神経線維が来ているので、
衣類の摩擦や様々な皮膚表面の刺激を感じやすくなります。

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皮膚の細胞から分泌されるさまざまな成分により、アトピー性皮膚炎では
神経伸長因子(NGF)が増加し、
逆に神経反発因子(Sema3A)が減少し、
本来存在しない皮膚表面に近い表皮内にまで
神経(C線維)が伸びて
刺激に敏感になってしまうようです。

アトピー性皮膚炎の治療の紫外線療法(保険適用)
においては、

この神経反発因子(Sema3A)が増強することで
C線維の表皮内侵入が減少し
かゆみがおさまる

理由の一つといわれています。

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またこの知覚神経の表皮内への侵入は、乾燥肌で惹起されることが分かっています。
保湿をすることで神経成長因子(NGF)を抑制
C線維の表皮内への侵入が減少し、痒みがおさまる理由の一つとされています。

 

本題に入りますが
レーザー脱毛の際に使用するレーザー照射
により、
紫外線療法の際と同じ様なメカニズム
でアトピー性皮膚炎の改善効果がある
こと
について

先週末に開催されました
第33回日本脱毛学会にて
国際親善総合病院皮膚科の
山田裕道先生よりご発表がありました。

 

アトピー性皮膚炎の患者に
レーザー脱毛で使用するロングパルスアレキサンドライトレーザーを照射することで、
表皮内まで侵入していたC線維が

照射後に減少し、アトピー性皮膚炎の痒みの改善と症状の改善がみとめられたという報告です。

 

レーザー脱毛で使用するレーザー光線の種類には
多種ありますが、
当院でもこのアレキサンドライトレーザーを使用した
GentleLASEにてレーザー脱毛を行っております。

光線療法によるこのような同様な効果は、
現在保険適用である紫外線療法、
そして以前より試みられているLLLT
(低反応レベルレーザー:非可逆的な組織変性を起こさないと考えられるレベルの弱いレーザー照射)(皮疹部への照射)による治療にて周知されていましたが、
主にレーザー脱毛で使用している
ロングパルスアレキサンドライトレーザーの照射においても
同じような効果が得られるというのが今回の報告です。

ここで
レーザー脱毛を行うことで
剃毛による刺激が減ることによるアトピー性皮膚炎の改善
する理由とは分けて考える必要があります。
有毛部ではない部位への照射でも改善していることより
毛を生えなくすることによる剃毛刺激を減らすこと
によるものとは
また別の効果があることが重要です。

アトピー性皮膚炎のある方でも
クリニックで医師の監視下の元であれば
安全にレーザー脱毛治療を受けることができます。

レーザー脱毛をすることで
剃毛する刺激による皮膚炎の悪化がしなくなることに加えて
このようなアトピー性皮膚炎の改善効果がありますので、
治療を検討されてもよろしいですね。

また、この改善効果の持続は、
まだデータはありませんが、
10年以上このアレキサンドライドレーザーで
脱毛治療をアトピー性皮膚炎の方にも治療を行っている
私と、同じく長く治療をされている演者の山田医師と議論
したところ、
一時的な効果ではなく、長くその改善効果が続く印象を持っています。
そのような点について今後もデータの集積を
していきたいと考えています。

またロングパルスアレキサンドライトレーザー以外
においても
同様な効果がある可能性も考えられるため
ほかのレーザー光の種類による改善効果、相違についても
検討されることを期待しています。

 

 

 

投稿日:2018年2月20日  カテゴリー:★ 院長ブログ・医療情報 ★, アトピー性皮膚炎