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遅延型フードアレルギー検査についての私の見解

NHKニュースで 食物アレルギー検査についての
注意惹起が報道されました。
「食物アレルギー検査 高額な検査「科学的根拠なし」」
という表現に、少々誤解も生じうるということと、
今回このような注意がなされた経緯を解説いたします。

まず、ここでいう「食物アレルギー検査」とは、
遅延型フードアレルギー検査のことであり、
じんましんなどの原因をみるための即時型アレルギー
検査のことではありません。
何かを召し上がってじんましんがでたという場合や、
呼吸困難を引き起こした場合など、食べてすぐに
症状のでるIgEという抗体の関係したアレルギーは
「即時型アレルギー」といいます。
食物アレルギー検査に限らず、スギやヒノキの
花粉症の検査やハウスダストのアレルギー検査と
同じものです。
この即時型のアレルギー検査の意義については、
確立されており、現在健康保険で検査が受けられます。
とはいえ多種類行うと、4~5000円ほどかかることもある
高額な検査です。ですが、
医師に勧められたときは、有意義な検査ですので
診断、治療のために受けてください。
この報道のされ方ですと、非常に多くの方に誤解が
生じると思います。

それに対して、遅延型フードアレルギー検査は、
IgGという抗体の関係する反応をみるものです。
これに関係した症状は、半日から一日遅れて出る
可能性があり、しかもヒスタミンという物質を介さ
ないため、かゆみやじんましんの症状はでません。
ただしアレルギーとして、反応はしているため
何らかの影響を起こしている可能性は否定できません。
このような小さな慢性的な炎症が、
さまざまな症状や疾患に結びついてくる可能性が
あり、病気や症状の原因がわからないときには
調べられています。

2011年にLancetという医学雑誌にて、注意欠陥・多動性
障害(ADHD)の患者において、IgEアレルギー検査で
陽性にでたものだけでなく、IgGで陽性になったものを
除去した場合に、よりgGで陽性であったものを除去した
方が効果的であったという研究報告があったことから、
少しずつさまざまな原因不明な難治性の症状や疾患に
対しても検査が試みられるようになりました。
*The Lancet,Volume 377,Issue 9764,494-503,5 Feb 2011
近年、その検査の有用性について議論されるように
なってきたばかりのところです。

実際に有効である症例、改善のない症例について、
今後もデータの集積、蓄積がなされ、
その意義や有用性についての正確なエビデンスが
まさに構築されるところでありました。
ここで否定されている根拠の詳細がいまひとつ不明な
点もありますが、日本アレルギー学会や日本小児
アレルギー学会は、
いまのところは検査の有用性がまだ
実証されていない部分が多いので、
高額で説明不十分に検査を勧められた際には、
医療機関での検査であっても、受けるかどうかは
よく検討してくださいと言っているのです。

保険適用外ということで、その検査代金が自費になって
しまうため高額になりやすく、患者さまの負担が
大きくなることが多いです。
そこをビジネスに悪用し、検査の意味を理解せず、
闇雲に検査をすすめて、いい加減な説明を
されるケースが重なり、このような注意喚起の
結果となってしまいました。

この検査では96項目の食品を検査しますが、
当院では遅延型フードアレルギー検査は、
¥25,000(税別)で行っています。
同じように96項目を保険診療でIgEアレルギーで
検査しますと、
窓口3割負担でも約¥30000以上の自己負担が
かかります。
したがって¥25,000は決して値段としては
高いともいえないのではないでしょうか・・・。

ただし、報道されている5万円という料金で
行っている施設は、
おそらくはこのIgGアレルギーを専門に研究している
医師の、より高度な判断料が反映されているか、
悪質かどちらかであると思います。

 

否定している医師も、実はこの検査の実績も意味も
詳しく知らない場合もありますし、

検査をする医師も、闇雲に陽性に出たものをすべて
除去するといったいい加減な指導を

行っている現状があり、それがもっとも問題なのです。
そのような間違った指導は、小児においては栄養障害に
影響することがありますし、
多数で陽性が出た際の意味について、指導する医師が、
理解していないと考えられます。
(リッキガット症候群など)

検査自体を否定することよりも、医師への教育が
優先されます。

今後この検査をお受けになられたい方は、
十分医師と相談しましょう。
きちんとした説明とアドバイスのできない医師の
検査は受けないでください。

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