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高血圧のお薬 β遮断薬の長期服用の乾癬発症リスクについての報告

以前より、乾癬の方には高血圧症や高脂血症などを
合併している方が多いことや、それらが顕著になると
乾癬が発症したり、また最近では逆に乾癬の方は
高血圧や高脂血症になりやすいなど多くの因果関係が
指摘されています。
また薬剤性で乾癬様皮疹が誘発される例の報告も
ありました。
*乾癬とは>>>

今回は米国・ブラウン大学Shaowei wu氏らの研究結果
により、長期にわたる高血圧症が乾癬リスクを増大
すること、そして高血圧治療薬のβ遮断薬の常用も
乾癬リスクを増大する可能性があることが報告され
ました。

フォローアップされた106万6,339人において乾癬を
発症したのは843例で、その中で高血圧症が6年以上の
被験者は正常血圧の被験者よりも乾癬を発症するリスク
が高率であったとのことです。
またβ遮断薬を服用して高血圧の治療を受けている被験
者では、それを飲んでいない被験者と比べて乾癬リスク
が高く、他の高血圧の薬では乾癬リスクとの関与は
なかったということです。
(Wu S,et al. Hypertention,Antihypertensive
Medication Use,and Risk of Psoriasis.JAMA
Dermatol.2014 Jul 2)

 

2014年4月に高血圧治療のガイドラインが改訂され、
大規模臨床試験やメタ解析の結果、糖尿病惹起作用
などを総合的に勘案し、このβ遮断薬を第一選択薬から
除外しています。
ただし、病状によってはまだ使う必要のある方も
あります。
当院へ通院されている乾癬の患者様を拝見してい
ますと、このβ遮断薬を服用されている方はいない
ようですが、他の併用薬や基礎疾患についても
注意深く観察および指導をしております。

余談ですが、
今回の高血圧治療のガイドラインでは、
血圧の正常域の基準もみなおされました。
他の合併症のない場合では
若年者・中年者では
130/85mmHg未満→140/90mmHg未満まで正常へ、
高齢者においては140/90mmHg未満までであったのが
前期高齢者はそのまま140/90mmHg未満
後期高齢者では150/90mHg未満まで正常域
となりました。

この改訂にいたるまでには
(1)高血圧の定義が140/90 mmHgという基準は
低すぎる
(2)高血圧の定義は、昔はもっと高かった
(3)基準を下げると、それだけ高血圧患者が増えて
製薬会社がもうかる仕組みになっている
(4)疫学成績では、むしろ血圧の低い方が悪いという
成績もある
(5)日本高血圧学会が作成した高血圧治療ガイド
ラインは、世界的な高血圧治療の指針に従っているだけ
で、全く根拠がない

というような指摘をうけ、ようやく動いたという経緯も
あります。
日本の医療においてはまだまだ強力な利害関係により
非常に複雑な面が多いのです・・・。
もっと私たち医師は既存の医療をみなおして
真実は何か、本当にそれで正しいのか、
常に貪欲に追求していく必要があります・・・。

 

 

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