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カテゴリ:乾癬

 

乾癬治療。医師と患者様との治療目標のギャップから見えてくること。私たちは初診時に病気の説明、悪化因子、生物学的製剤含めた治療の選択、合併症の予防などについての詳しい説明をしています。

当院では、アトピー性皮膚炎、乾癬、酒さ、ニキビ等
難治性の慢性疾患をとくに多く診ています。
全国各地、遠方からのご来院も多いですが
状態が良くなられても、10年以上にわたり定期的に通院
してくださっている方が大勢いらっしゃいます。
その中で、私が特にいつも気を付けていることは、
日進月歩変わる治療や病気についての情報について、
最新の情報を漏らさず皆様にお伝えしていくことです。
私が情報を提供しなかったばかりに、治療の選択の幅を
狭めてしまうことがないように心がけています。
そして気を付けなければならない合併症のチェックです。
皮膚疾患、特に慢性炎症性の疾患においては、
長い期間において生じてくる可能性のある合併症や
治療の副作用が出てきていないかを診ていく必要があります。
長期間治療に通っていただくということは、
その方の一生を診る責任があります。
例えば
開業14年目になりますと、アトピー性皮膚炎のお子さんが成人されて
その患者さんがご妊娠されたということも
しばしばあります。
アトピー性皮膚炎は遺伝性がありますので
生前からそのお子さんのアトピー性皮膚炎の予防の指導をしたり、
生まれたお子さんのスキンケア、食事指導をしたり、
ご家族を診ていくことにもなります。
また
乾癬の方においても、関節症状が出てきたり、
メタボになりやすいので、あれ?少し太ったかしらと
思いましたら食生活指導をしたりしています。
たわいのない会話の中で、患者様の小さな変化を
診ています。
いつも変わり映えしない診療じゃないか!!と
思っていらっしゃる方もあるかもしれませんが
そんな「変わりのない(問題ない)」ことを確認していますので
許してくださいね。

さて先日、このような記事をみました。

ここでは54施設で425の医師と患者のペア回答を集計し、「乾癬の治療におけるギャップに関する調査」について調査された結果について書かれています。

乾癬はなかなか完治が難しいですが、
皮疹の少ない良いコンディションを保つために
さまざまな治療があります。
その治療目標を
「皮疹の完全な消失」
「皮脂のほぼ完全な消失」
「前回治療よりも経過」等の7項から選択してもらった結果、
患者、医師ともに
「皮疹のほぼ完全な消失」を選んだ割合が
患者42.5%、医師44.4%でした。
その他の67.9%は、医師と患者で治療目標が不一致で、
患者のほうが医師よりも、より高い治療目標を持っていることがわかりました。
この中では、乾癬の患者様との対談についても書かれていますが、
治療をしていくなかで、目標の設定を変えていっていることがわかります。
「完全に皮疹がない状態」の目標から
現実的には、治療が大変なので完璧を目指すのではなく、
支障なく日常生活が送れればそれでいいと思うようになったり、
外用剤を塗る手間や通院に要する時間が負担になっていたので
それらの負担をなるべく減らしたいという目標に変わったり、
自分に無理をしないように気持ちの置き方を変えていかれているのですね・・・。

この対談に出ていらっしゃるお二人の先生は、
ともに初診時の病気に関する説明に力を入れていらっしゃるとのことです。
私も、非常に大切なことだと考えています。
「乾癬」という病気の病態の説明、遺伝の有無、
一般的な治療の経過、
生物学的製剤、免疫抑制剤、アプレミラストの適応の有無、
食生活習慣との関与、腸内環境との関連、
入浴時の注意などなど
たくさんお伝えしておきたいことがあります。

「乾癬」と診断されていても
「乾癬について」の説明を受けていない患者様
大変多くいらっしゃるのです。

当院へは、すでに乾癬の治療を他で受けているが、
「乾癬についての話をもっと詳しく聞きたい」とか
「ここに通院はできないが、自分の乾癬の状態を一度診てほしい」
「今の治療でよいのか診てほしい」

など、ご遠方からのご来院がしばしばあります。
時々中国等海外からご来院される方もいらっしゃいます。

それはやはり、医師からの説明に十分満足されていない
現状が多いからだと思います。

当院ではこのように
通院はできないけれど、一度治療の相談に乗ってほしい
という方もたくさんお受けしています。
今現在受けている治療内容のわかるものを
ご持参いただき、お気軽にいらしてください♡

 

 

投稿日:2018年7月30日  カテゴリー:★ 院長ブログ・医療情報 ★, 乾癬

「お薬を出してもらえない」「そんな薬は知らない」といわれてしまう問題・・・乾癬の治療薬PDE4阻害剤アプレミラスト(オテズラ錠)、クロベタゾールプロピオン酸エステル含有シャンプー(コムクロシャンプー)、カルシポトリオール水和物ベタメタゾンジプロピオン酸エステル(ドボベットゲル)は全国どこの皮膚科でも処方できるお薬です!

皮膚科のお薬も、どんどん新しいものが出て、
治療の幅も広がってまいりました。

全国どこでも同じ日に処方開始になり、費用も同じです。
多少薬局にそろうまでには時間を要し、数日送れることもありますが、
その時にその薬がなくても、薬を取り寄せれば
製造販売が承認されているお薬は、
どの皮膚科でも処方が可能です。

ですが、オテズラ錠、コムクロシャンプー、ドボベットゲルについて
最近皮膚科を受診しても「処方できない」といわれたとか
「その薬は知らない」(←その皮膚科にはいかないほうがいいです!)
などなど・・・言われたとのことで
当院を検索してかなり遠方から受診されるケースが増えています・・・
南は九州、四国地方、北は北海道です!!!

この問題、いったいどうしたらよいのでしょう・・・。
処方開始直後ならともかく
数年たったお薬でもそのようなことがあります・・・。

地域によって、処方できる薬のあるないがあるとか、
治療の選択に差があってはならないと思います。

皮膚科のお薬も、どんどん新しいお薬が処方開始になっています。
情報がいきわたっていない可能性を考えて(あってはなりませんが)
せめて「皮膚科」と標榜してあっても
「日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医」を受診してください。

もし処方できないといわれた場合には、
症状に対して適応がないのか、なぜなのか、
その医師に理由をうかがいましょう・・・。

投稿日:2018年7月3日  カテゴリー:★ 院長ブログ・医療情報 ★, 乾癬

関節症性乾癬の15.5%は見逃されて(診逃されて)います・・・6ヶ月以上診断治療が遅れると予後不良です。初期の爪所見は診療経験の豊富な医師でないと診断できません。

ひじやひざ、頭皮そしてからだのあちこちに
湿疹に似た赤い皮疹がみられる乾癬。
食生活習慣の欧米化により近年増加しています>>>
その皮膚症状は多彩で、非常に誤診の多い皮膚疾患でもあります。

当院でよく見かける間違った診断名は
「湿疹」
「アトピー性皮膚炎」
「脂漏性湿疹」
そして
「爪白癬」です!爪だけの乾癬もあります。

軽症の場合や、ほかで治療をすでに受けていて
皮疹が修飾されていますと、私たちも診断がつきにくいこともあります。

「乾癬」は塗り薬だけもらっているケースも非常に多いですが
メタボリック症候群との合併が多く
心血管系の疾患リスクが急速に増加するため
生活指導が重要な疾患です。

また関節症状を見逃すと、20年後には5関節以上の不可逆的な変形を生じるといわれています。

6か月以上診断治療が遅れますと、予後不良な関節炎となります。
その初期症状は爪症状です。
痛みや腫れ、変形が生じる前に治療を開始することが重要です。

こうなってしまいますと
元には戻りにくいです。

 

お写真は聖路加病院 リウマチ膠原病センター医長 岸本暢将先生、ノバルティスファーマ株式会社さんよりお借りしました。

 

当院にいらっしゃる乾癬の患者様でも、
そんな話これまでに一度も生活指導を受けたことがない
という方を多く見かけます。
医師の診療が専門の分野に偏ることも問題となっているのですが、
これだけ診断および治療が複雑かつ高度になって参りますと
新しい薬の情報や新しい治療、最近の治療方針の流れなど日進月歩です。
専門的な知識が常にアップデートされていませんと
治療を受ける医師の力量により
患者様の予後に大きく影響するということが生じてまいります

よって私は、「標榜科目」について
見直すすべきと最近強く感じます。
「皮膚科」と標榜されていても
乾癬の診断、生活指導ができない。
膠原病を診断できない。
アトピー性皮膚炎の子供たちの食生活指導について熟知していない。
爪白癬が診断できない。

などなど

先日も数年診断のついていなかった皮膚筋炎という自己免疫疾患の方を
大学病院へ紹介しました。
内科・皮膚科数件で湿疹、かぶれ、手湿疹
美容皮膚科・皮膚科で赤ら顔の治療・・・
だるいのは疲労・・・
悪性腫瘍に先行することの多い疾患です。
皮膚科の専門医であれば一瞬で確実に即診断できます。
もとにある悪性腫瘍がどうなってしまっているのか・・・とても心配です。

湿疹と診断され、5-6年ステロイドの外用を続けていた
悪性リンパ腫。
みためは慢性湿疹に似ていますが
治療をしたことのある医師であれば診断できます。

などなど。

 

本題に戻りますが、
そんなわけで関節症状を伴うまたは伴うようになる乾癬、関節症性乾癬の
15.5%は見逃されており治療が遅れてしまう現状があります。
関節症状がでてからでは間にありません。
治療開始のスピードが大切です。

最も多く間違えられているのは
爪白癬です。
これは爪白癬ではありません。

いったん爪白癬と他で診断をされていると
患者さんに爪白癬ではないことを修正するのが大変なのです・・・
もちろん乾癬の方で本当に爪白癬になっていることもありますが。

皮膚疾患には皮膚科の専門医でないとわからない難しい病気がたくさんあります。
そして皮膚科専門医でないと認められていない治療があります。
受診される際には皮膚科の専門機関で治療をお受けください。

投稿日:2018年6月23日  カテゴリー:★ 院長ブログ・医療情報 ★, 乾癬

3月1日より乾癬の治療薬「オテズラ」の長期処方が可能になります。

乾癬治療薬としては
25年ぶりの新薬である「オテズラ(アプレイラスト錠)」が
2018年3月1日で、
発売開始から1年を経過し、

処方期間制限が解除され、長期処方が可能になります。

これまでは2週間に1度来院しなければなりませんでしたが
有効性が高く、乾癬の方にとって大変期待できるお薬であり、
当院では欠かすことなく、2週間に1度この1年間きっちり
通われていた方がとても多いです。
本当にお疲れさまでした。
皮膚科専門医であっても、まだまだオテズラの使用経験の
少ない施設も多く、
当院へはとても遠方からの来院も多かったです。

処方開始から1年がたち、以前とは違って
医師の治療経験も増えていると思いますので
症状の安定している方でご遠方の方は、近隣の施設での通院へ
戻られてもよろしいですね。
ご希望の方はこれまでの治療経過についてを記載し
紹介状をお書き致しますのでご相談ください。

投稿日:2018年2月20日  カテゴリー:★ 院長ブログ・医療情報 ★, 乾癬

「乾癬」の方は乾癬でない人にくらべて糖尿病を発症するリスクが高い

以前より乾癬の患者は糖尿病をはじめとした
メタボリックシンドロームの合併が多いといわれています>>>

日本乾癬学会の調査では
乾癬患者さんでのメタボに関する疾患の合併率は、
脂質異常症(高脂血症)34.6%、高血圧症19.7%、
そして糖尿病が11.1%と報告されています。

今回
米国ペンシルベニア大学皮膚科からも
乾癬の患者の糖尿病のリスクに関する報告がされました。

この研究は、成人の乾癬の患者8,124人と
乾癬のない7万6,599人を約4年間前向き追跡調査した報告です。

その結果
2型糖尿病の発症率は、乾癬のない人では2.44%(1,867人)
に対し
乾癬患者では3.44%(280人)であった。
また軽症の乾癬患者(BSA(皮疹の面積による重症度)が2%以下)では21%、
重症の患者(BSA10%以上)では64%と高かった。

また乾癬の皮膚症状の面積が増えるごとに糖尿病のリスクも上昇しており
BSAが10%増えるごとに
2型糖尿病リスクは20%上昇しています。

これまでの研究では、
乾癬における「炎症」が
インスリン抵抗性(血糖値が上がってもインスリンが正常に働かない状態)
を引き起こすことや、乾癬と糖尿病には同じ遺伝子変異も認められているなどの
報告もあり両者の因果関係につき指摘しています。

*Marilyn T Wan et al:Psoriasis and the risk of diabetes :
A prospective population-based cohort study.,
Journal of the American Academy of Dermatology.;
pii:S090-9622(17)32616-6,2017

 

乾癬の重症度に糖尿病のリスクが関係することから、
治療をせず、炎症のある皮疹を置いておくことは
糖尿病のリスクを高めることになります。
治療により皮疹の面積を減らすことはこれらのリスクを
下げるために重要ですね。

 

投稿日:2018年2月19日  カテゴリー:★ 院長ブログ・医療情報 ★, 健康情報・アンチエイジング, 乾癬

ようやく乾癬の方への生活習慣指導が常識の時代になりました♡

「乾癬とメタボリックシンドローム」>>>

「変わる皮膚科診療。皮膚を診てもらうだけでは治らない!」>>>

「メタボリックスキンシンドローム」 メタボリックシンドロームと乾癬>>>

「メタボリックシンドロームと乾癬 そして腸内フローラ」>>>

 

かれこれ4-5年前より
乾癬、アトピー性皮膚炎における食生活習慣の改善そして
腸内環境の改善の必要性について
強く!強く!訴えてまいりました。

当時は「腸内フローラ」っていう言葉も
浸透しておらず、、、
皮膚科の先生方からも冷めた目でみられていた私ですが
よーーーーやく♡
それが常識の時代がやってきました。

今では食生活習慣の改善が
乾癬の治療としてばかりでなく
乾癬の方が将来なりやすい病気の予防に重要であることが認知され、
私たち医師にも
ちゃんと指導をするように!
患者さんに配りなさい!
とこんな冊子までできました。

この「SORA」は
pSOriasis Recovery Aidの略で
乾癬患者さんの症状の回復に少しでも貢献したいという思いをこめて作られた冊子とのことです。

この冊子は
東京医科大学 皮膚科学分野 教授の大久保ゆかり先生
東京医科大学 糖尿病・代謝・内分泌・リウマチ・膠原病内科学分野 主任教授の小田原雅人先生
が監修をされています。

例えば

善玉菌(有用菌)を元気にさせる発酵食品や食物繊維を
日々たくさん摂取して腸内環境を整えるためのレシピや

乾癬で増加した活性酸素を抑えるための抗酸化作用の高い「フォトケミカル」をたくさん摂取できるレシピ

この冊子は
このように、少しずつでも
乾癬の方の生活習慣の改善を意識していただくためのツールとなっています。

「皮膚だけ診ていても治療にはならない」
「薬だけを塗ったり飲むだけでは、それは症状を抑えているだけで治しているわけではない」

体の中から健康に! 

これが私の診療のモットーです!

 

 

投稿日:2017年12月15日  カテゴリー:★ 院長ブログ・医療情報 ★, 乾癬

乾癬の新しい治療薬「オテズラ錠」効果はゆっくり。でもしっかりとした効果。

乾癬の新しい治療薬アプレミラスト「オテズラ錠」。
当院でも使用開始しています。

日本よりも長く使用している米国より
カルフォルニア大学サンフランシスコ校John Koo(ジョン・クー)皮膚科教授が来日され、
その効果と安全性についてのご講演がありました。

乾癬はなる人には素因があるといわれていますが、
様々な要因をきっかけに発症します。
肘、膝、すね、頭皮、手など体のいろいろな場所に
真っ赤なカサカサした皮疹が現れます。
ある人はかゆい、ある人は頭皮だけ、爪だけという方もいて、とても症状は様々です。
見た目がとても派手な皮疹がでて、フケのような角質がポロポロ落ちるので、
日常生活にとても不快な影響が生じます。
メタボリックシンドロームとも関連する場合も多く、
食生活や生活習慣とも関係します。

そしてなかなか完治がしにくいです。

これまではまずは塗り薬の治療が一般的で、
まず最初に選択されますが、
皮疹の範囲が広く、塗り薬だけでは難しい場合には
免疫抑制剤の飲み薬や生物学的製剤を使用した
治療を行うことが多いです。
効果の発現が早く、とてもよく効きますが、
長期間使用することによる副作用の心配や
感染症、耐性(効かなくなること)、肝臓・腎機能障害
などが起きることがあり、治療を開始するには慎重になります。

そこで今回、乾癬の治療に対して新たな選択肢が増えました。
それがこの「オテズラ錠」です。

使用経験の長いジョン・クー先生によると
オテズラ錠においてはそのような有害事象はまれであり、
安全であるとのことでした。
そして昨日J Am Acad Dermatolオンライン版においても
米・Bakersfield Dermatology のJeffrey Crowly氏らにより
3年以上の長期の安全性について報告がありました。

その代わり、効果がはっきりと実感できるまでに
時間がかかります
ジョン・クー先生によると
かゆみの効果は早く、2週間ほどでも実感できることが多いようですが、
皮疹は4か月、爪は6か月、頭皮は3か月かかる場合が多いとのことです。
ですが最終的な効果は、生物学的製剤に近いといえるほど
効果が高い場合が多いそうです。
そして関節症状を伴う場合にも有効性が高く、
また服用していることで関節炎への進行の予防にもなるといいます。

塗り薬や光線療法などのほかの治療を併用しながら
ゆっくりと、焦らず効果を待ちましょう。

重篤な副作用はほとんどありませんが、
服用開始の初期1か月のみ胃腸症状があります。
5人に1人くらいといいます。
悪心、下痢そして頭痛の出る方もあります。
ですが容量を減らしたり、それらを軽減させるほかの
お薬を併用すると、ほぼ全例それらの症状は
慣れてしまいます。
特別な副作用というよりは、お薬の作用機序そのものに
よるもので、胃腸にも同じようにお薬が作用することに
よる症状とのことで、心配いりません。

このように、医師からキチンと説明を受ければ
安心してご使用いただけますね。

ずっと塗り薬で頑張ってきた乾癬の方で
ご希望のあるかたは、皮膚科の先生にご相談ください。

 

講演会後にはいつもお世話になっている先生方とお話できました。

講演会では聞けなかったことも
オテズラを取り扱う製薬会社のセルジーンの方にもお伺いできました。

 

 

 

 

 

 

投稿日:2017年5月23日  カテゴリー:★ 院長ブログ・医療情報 ★, 乾癬

乾癬治療に新しい内服治療薬が登場間近です!

今年春に乾癬の新しい治療薬
PDE4阻害剤「オテズラ®錠(アプレミラスト錠)」
が日本で発売になります。
海外では2014年から使用されていて
その有効性と安全性が認められています。

乾癬の患者さんにおいては、
「PDE4」という酵素が過剰に発現しています。
これにより炎症性サイトカインなど炎症を引き起こす
メディエーターの産生が亢進します。
それにより乾癬の皮疹の悪化、かゆみや関節症状の
悪化につながります。

今回発売になる「オテズラ®錠(アプレミラスト錠)」は
このPDE4を抑制して
過剰な炎症反応が起きないように調節して
乾癬の症状を改善します。

多くの場合は服用開始2週間後より皮疹が改善するようです。
また、これまで治療のしづらかった頭皮
治療の難しかったの乾癬にも有効です。
そして最近の乾癬はアトピー性皮膚炎と同じような機序での
かゆみを伴うようになってきており、
そのかゆみにも有効であるといわれています。

そして何よりも、他の内服治療よりも
副作用が少ないことが
これまでの乾癬の内服治療よりもよい点の一つです。
唯一下痢や悪心があることがありますので
最初の3日間でゆっくりお薬を増やします。

でもなんだか
「オテズラ錠」っていう名前が(* ´艸`)
何かと間違えそうですね。

 

うちのクリニックで呼び間違いの多いものは

「ヒルイド」× → 「ヒルイド」〇
コロイド」×  → 「ロコイド」〇

です( ´艸`)

「オテズラ錠」です♡
お間違いのないように。

投稿日:2017年1月28日  カテゴリー:★ 院長ブログ・医療情報 ★, 乾癬

「乾癬」に有用な分子標的治療(生物学的製剤)での乾癬の誘発、悪化例 意外に多く 0.1~1.6%

以前に薬剤性の乾癬、乾癬の悪化について書きました>>>

そのなかでも近年 乾癬治療の特効薬として
使用することが多くなった分子標的治療(生物学的製剤)
にて誘発される乾癬がまれにあることについて
述べました。
この治療を受ける方が増えてきた背景により、
もう少し多い頻度で、逆に乾癬が薬剤性に悪化したり
誘発されたりすることがあることがわかってきたようです。

*横浜市立大大学院環境免疫病態皮膚科学講師
山口 由衣先生
「乾癬治療薬で薬剤性乾癬が誘発」
Medical Tribune vol.49 no.40

乾癬でも有効な治療薬であるTNF-α阻害薬により
薬剤性乾癬が誘発されるというparadoxical reaction
の報告が増加しつつあります。
(要するには乾癬の治療薬でありながら乾癬を悪化させてしまう)

これまでには下図(上記文献より引用)のような原因薬剤
があげられていますが
中でもこのTNF-α阻害剤を含む分子標的薬によるものが
増加しているそうです。
img262
これによる乾癬皮疹は、通常の乾癬の症状とは異なり、
苔癬型反応と呼ばれる細胞浸潤反応の著しい皮疹
であったり、山口先生によると、
そのほか掌蹠の膿疱性皮疹や頭部の病変が多いと指摘されています。
頭部の皮疹では脱毛を伴うこともあるそうです。

以前にかきましたように
ほかの薬剤による薬剤性の乾癬においても
掌蹠膿疱症様の症状が特徴的という点では
TNF-α阻害剤においても似ています。

TNF-α阻害剤にも種類がありますが、海外の報告によると
その種類による発症率に差はないそうです。

乾癬の治療におけるTNF-α阻害剤の使用でなく、
他の疾患で使用の際には、
重症でなく患者さんが許容できる程度の
皮疹であれば、外用治療で対応し、分子標的治療を継続
することもあるようです。

生物学的製剤の使用で乾癬が悪化していると感じるときは
主治医にお知らせください。

 

投稿日:2016年10月28日  カテゴリー:★ 院長ブログ・医療情報 ★, 乾癬

乾癬の方、これ以上良くならないなと症状が停滞してしまっているときは、ビタミンD3軟膏をローテーションして使用するといいようですよ。

乾癬は慢性的に症状を繰り返します。
治療を継続するのは根気がいりますね。
塗っていてもなんだかこれ以上よくならない・・・。
と症状が停滞してしまった際におすすめのやり方があります。

「尋常性乾癬患者に対する活性型ビタミンD3外用薬
ローテーション療法における
カルシポトリオール軟膏とマキサカルシトール軟膏の
比較検討」
東京大学医学部付属病院皮膚科 藤田英樹ら
臨床と研究 91巻2号 より

ステロイド外用薬は皮膚症状の速やかな改善に優れて
いますが、
長期使用することによる皮膚萎縮(皮膚が薄くなる)
などの副作用の懸念があります。
一方で、ビタミンD3軟膏は、ステロイド外用薬に比べて
効果が出るまでに時間を要しますが、
長期使用によるそのような副作用の心配がなく、
いい状態を維持するのに優れた薬剤です。
このビタミンD3軟膏(ドボネックスやオキサロール、ボンアルファ)
の塗布を、マンネリ化したスキンケアの中で
モチベーションを挙げて塗れるような工夫についての
提案です。

ドボネックス軟膏とオキサロール軟膏を
2~3か月ごとにローテーションします。
たとえば
2~3か月ドボネックス軟膏を使用したら
次はオキサロール軟膏を2~3か月使用します。
そしてまたドボネックス軟膏へ戻す。
というようにローテーションします。
実際にその論文では、
このローテーション療法を40例で
行ったところ有意に皮膚症状が改善しています。

現在ある3種類のビタミンD3軟膏において、
効果には大きな差異はないといわれています。
よってローテーションすることによる特別な
薬効があるわけではなく、
どうやらローテーション療法の効果の理由は
患者様のアドヒアランスの改善によるものの
ようです(#^.^#)
要するには、飽きたころに別の種類に変えて
モチベーションを高めているというだけのこと?
ですね(*_*;

このネタをばらしてしまうと
このローテーション療法の効果が下がってしまう気も
しましたが、
乾癬の方 やってみてください♪

 

投稿日:2016年7月22日  カテゴリー:★ 院長ブログ・医療情報 ★, 乾癬