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カテゴリ: 乾癬

乾癬治療に新しい内服治療薬が登場間近です!

今年春に乾癬の新しい治療薬
PDE4阻害剤「オテズラ®錠(アプレミラスト錠)」
が日本で発売になります。
海外では2014年から使用されていて
その有効性と安全性が認められています。

乾癬の患者さんにおいては、
「PDE4」という酵素が過剰に発現しています。
これにより炎症性サイトカインなど炎症を引き起こす
メディエーターの産生が亢進します。
それにより乾癬の皮疹の悪化、かゆみや関節症状の
悪化につながります。

今回発売になる「オテズラ®錠(アプレミラスト錠)」は
このPDE4を抑制して
過剰な炎症反応が起きないように調節して
乾癬の症状を改善します。

多くの場合は服用開始2週間後より皮疹が改善するようです。
また、これまで治療のしづらかった頭皮
治療の難しかったの乾癬にも有効です。
そして最近の乾癬はアトピー性皮膚炎と同じような機序での
かゆみを伴うようになってきており、
そのかゆみにも有効であるといわれています。

そして何よりも、他の内服治療よりも
副作用が少ないことが
これまでの乾癬の内服治療よりもよい点の一つです。
唯一下痢や悪心があることがありますので
最初の3日間でゆっくりお薬を増やします。

でもなんだか
「オテズラ錠」っていう名前が(* ´艸`)
何かと間違えそうですね。

 

うちのクリニックで呼び間違いの多いものは

「ヒルイド」× → 「ヒルイド」〇
コロイド」×  → 「ロコイド」〇

です( ´艸`)

「オテズラ錠」です♡
お間違いのないように。

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「乾癬」に有用な分子標的治療(生物学的製剤)での乾癬の誘発、悪化例 意外に多く 0.1~1.6%

以前に薬剤性の乾癬、乾癬の悪化について書きました>>>

そのなかでも近年 乾癬治療の特効薬として
使用することが多くなった分子標的治療(生物学的製剤)
にて誘発される乾癬がまれにあることについて
述べました。
この治療を受ける方が増えてきた背景により、
もう少し多い頻度で、逆に乾癬が薬剤性に悪化したり
誘発されたりすることがあることがわかってきたようです。

*横浜市立大大学院環境免疫病態皮膚科学講師
山口 由衣先生
「乾癬治療薬で薬剤性乾癬が誘発」
Medical Tribune vol.49 no.40

乾癬でも有効な治療薬であるTNF-α阻害薬により
薬剤性乾癬が誘発されるというparadoxical reaction
の報告が増加しつつあります。
(要するには乾癬の治療薬でありながら乾癬を悪化させてしまう)

これまでには下図(上記文献より引用)のような原因薬剤
があげられていますが
中でもこのTNF-α阻害剤を含む分子標的薬によるものが
増加しているそうです。
img262
これによる乾癬皮疹は、通常の乾癬の症状とは異なり、
苔癬型反応と呼ばれる細胞浸潤反応の著しい皮疹
であったり、山口先生によると、
そのほか掌蹠の膿疱性皮疹や頭部の病変が多いと指摘されています。
頭部の皮疹では脱毛を伴うこともあるそうです。

以前にかきましたように
ほかの薬剤による薬剤性の乾癬においても
掌蹠膿疱症様の症状が特徴的という点では
TNF-α阻害剤においても似ています。

TNF-α阻害剤にも種類がありますが、海外の報告によると
その種類による発症率に差はないそうです。

乾癬の治療におけるTNF-α阻害剤の使用でなく、
他の疾患で使用の際には、
重症でなく患者さんが許容できる程度の
皮疹であれば、外用治療で対応し、分子標的治療を継続
することもあるようです。

生物学的製剤の使用で乾癬が悪化していると感じるときは
主治医にお知らせください。

 

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乾癬の方、これ以上良くならないなと症状が停滞してしまっているときは、ビタミンD3軟膏をローテーションして使用するといいようですよ。

乾癬は慢性的に症状を繰り返します。
治療を継続するのは根気がいりますね。
塗っていてもなんだかこれ以上よくならない・・・。
と症状が停滞してしまった際におすすめのやり方があります。

「尋常性乾癬患者に対する活性型ビタミンD3外用薬
ローテーション療法における
カルシポトリオール軟膏とマキサカルシトール軟膏の
比較検討」
東京大学医学部付属病院皮膚科 藤田英樹ら
臨床と研究 91巻2号 より

ステロイド外用薬は皮膚症状の速やかな改善に優れて
いますが、
長期使用することによる皮膚萎縮(皮膚が薄くなる)
などの副作用の懸念があります。
一方で、ビタミンD3軟膏は、ステロイド外用薬に比べて
効果が出るまでに時間を要しますが、
長期使用によるそのような副作用の心配がなく、
いい状態を維持するのに優れた薬剤です。
このビタミンD3軟膏(ドボネックスやオキサロール、ボンアルファ)
の塗布を、マンネリ化したスキンケアの中で
モチベーションを挙げて塗れるような工夫についての
提案です。

ドボネックス軟膏とオキサロール軟膏を
2~3か月ごとにローテーションします。
たとえば
2~3か月ドボネックス軟膏を使用したら
次はオキサロール軟膏を2~3か月使用します。
そしてまたドボネックス軟膏へ戻す。
というようにローテーションします。
実際にその論文では、
このローテーション療法を40例で
行ったところ有意に皮膚症状が改善しています。

現在ある3種類のビタミンD3軟膏において、
効果には大きな差異はないといわれています。
よってローテーションすることによる特別な
薬効があるわけではなく、
どうやらローテーション療法の効果の理由は
患者様のアドヒアランスの改善によるものの
ようです(#^.^#)
要するには、飽きたころに別の種類に変えて
モチベーションを高めているというだけのこと?
ですね(*_*;

このネタをばらしてしまうと
このローテーション療法の効果が下がってしまう気も
しましたが、
乾癬の方 やってみてください♪

 

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乾癬は塗り薬だけ塗っているだけではだめですよ! 乾癬とメタボリックシンドロームについての講演のスライドを作っていまして、昨日ブログをアップするのを忘れてしまいました(._.)

再来週、乾癬の治療薬「ドボベット®」をとり扱う
協和発酵キリンさんの社員講演をします。
そのスライドを仕上げておりまして
ブログをアップするのを昨日わすれてしまいました(-.-)

さて、その講演の内容ですが
スクリーンショット (10)

乾癬は皮膚症状のみでなく、
メタボリックシンドロームや高尿酸血症、脂肪肝など併発することが多いといわれています。

乾癬に限らず、全身の慢性炎症性疾患では、インスリン抵抗性が増し、その結果動脈硬化の進行、心筋梗塞等心血管イベントが増加するといった「psoriatic march乾癬マーチ」という悪循環が生じます。
そして乾癬は肥満とも関連し、太ると脂肪細胞から
TNF-αに代表される炎症性アディポカインの産生が
過剰になり、乾癬は悪化します。
また炎症を抑える抗炎症性のアディポカインの産生は
減少し、乾癬の症状の持続につながります。
このアディポカインの分泌異常が
メタボリックシンドロームの原因にもなり、
また乾癬も悪化させるという悪循環になるのです。
よってダイエットして減量する乾癬の症状が改善する
ことが以前より知られています。

また肥満の原因として腸内フローラの乱れも関係
していることがわかってきましたので、

乾癬・肥満・メタボリックシンドローム・腸内細菌は
密接に絡んでいるといえます。
スクリーンショット (11)

というわけで、乾癬の治療は紅斑を抑える塗り薬を塗ることばかりに
医者も患者さんも専念してしまいがちですが、
このような生活指導、管理が非常に重要であることに
ついてお話しする予定です。

 

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乾癬が薬剤性で発症したり、既存の乾癬が悪化することがあります。日本での報告。

以前にもこのブログで
βブロッカーという種類の高血圧症のお薬で
乾癬の発症リスクが高くなることがある
といった報告についてご紹介しました。>>>

乾癬について>>>

乾癬はお薬の使用により発症するきっかけになったり、
もともとあった乾癬が悪化することがあることが
以前から知られています。
ですが薬剤性であることには気がつかれにくく、
また乾癬が悪化しても単なる自然経過との区別が
非常に難しいため、見逃されてしまうことも多いようです。

*内田敬久ら 横浜市立大学医学部皮膚科学教室:
「薬剤性乾癬34例の臨床的検討」,日皮会誌:126(3),295-302,2016

今回のこの論文では、
日本において薬剤性の乾癬の診断のついている
症例の特徴について報告されています。

「この34例の年齢の37~84歳(平均65.5歳)
性別は男性19例、女性15例。
基礎疾患は高血圧が61.8%と最も多かった。」

とあります。
やはり以前より、乾癬の方には高血圧症や高脂血症などを
合併している方が多いことや、それらが顕著になると
乾癬が発症したり、また最近では逆に乾癬の方は
高血圧や高脂血症になりやすいなど多くの因果関係が
指摘されていることに合致します。>>>
メタボリックスキンシンドロームについて>>>

 

この報告での薬剤性乾癬の原因薬剤が判明した薬剤の内容は、
「高血圧症の治療薬のうちカルシウム拮抗薬が12例(57.1%)、
β遮断薬が3例、アンギオテンシンⅡ受容体拮抗薬(ARB)3例、
アンギオテンシン(ACE)変換酵素阻害薬2例、メチルドパ1例」
高血圧の薬が多いです
海外ではβブローカーでのケースが多いですが、
薬剤の種類による使用頻度が日本と異なるのではないか
など考察されています。

そのほか
「非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)が5例」
いわゆる消炎鎮痛剤 痛み止めです

また乾癬の治療薬でもある
「生物学的製剤(TNF-α阻害剤)で1例」
「炭酸リチウム2例、リバビリン併用療法1例、
抗リウマチ薬(ミゾリビン)1例」
これはやっかいです・・・。
乾癬の治療薬で治療中に悪化する・・・。

 

この報告では、薬剤性に生じた場合の乾癬と
通常の乾癬との違いについて述べられています。
「尋常性乾癬にみられる典型的な葉状落屑を伴うものは
稀であり、紅斑の境界も比較的不明瞭なものが多かった。
部位も肘頭・膝頭などに多くみられる傾向はなく、
体幹、頭部、四肢伸側に散在性にみられた。
TNF-α阻害剤によるものは全例掌蹠膿疱型であった。」
薬剤性の場合には少し症状が違うことが多いようですね。
典型的でない乾癬の場合には、薬で生じた可能性も考える
必要があります。また乾癬をお持ちの方で、薬を飲んで
悪化した場合に、いつもと少し異なる症状のときには
お薬で悪化した可能性を疑う必要がありますね。


「原因薬剤投与前に乾癬のない27例のうち、

非偽薬が中止されたのは22例であった。
そのうち皮疹が消褪したのは17例(7%)であり、
軽快したものの部分的に皮疹が残存したのは5例(23%)であった。
薬剤中止後消褪までに要した期間は2週間~4週間であった。」

「原因薬剤投与以前に乾癬または掌蹠膿疱症がみられた
7例は、いずれも薬剤中止により速やかに改善し、
4週間以内に投与以前の状態に回復した。」

薬で誘発された乾癬も、薬で悪化した乾癬の場合にも
薬が原因の場合には、中止することで改善する場合が多いです。

今すでに血圧の薬を服用している方は、
悪化因子になているのか判別するのは
とても難しいですね。
「発症までのようやく期間は高血圧治療薬投与開始2週間以内
に6例が発症した一方、
同じ高血圧治療薬で2年以上の長期間投与されたのちに発症した
症例も2例みられ、発症までの経過は患者により
大きく異なることが示唆された。」
高血圧症そのものが乾癬の悪化因子でもありうるので
高血圧の薬でなのか、高血圧でなのか
なかなか難しいところです。
薬剤を変更をご相談してみていただくのもいいですね。

 

 

 

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聖路加国際病院主催のミーティングに出席してきました。

年に数回、聖路加国際病院の近隣で開業する医師と
聖路加病院の医師が集まり、
著名な先生による講演、
紹介患者さんの治療経過の報告をしていただきます。

昨晩は東京医科大学病院 皮膚科の教授
大久保ゆかり先生にご講演いただきました。
慢性疾患であり、なかなか完治が難しい「乾癬」
の患者さまに
「完治は難しくても、治療で症状をコントロールできる病気である」
ということを理解していただき、
どのようにしたら日々の面倒なスキンケアに対して
モチベーションをあげられるようにできるか、
そして外用療法だけでない
最新の乾癬の治療の選択、有効性などについても
お話しいただき、高機能病院と開業医の互いの役割と
連携の大切さについて再認識いたしました。

勉強会の後は先生方と懇親会。
こういう場こそ、具体的な細かいお話を伺えるチャンスです。
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学会や講演会では
さすがの教授の貫禄で近寄りがたいのですが、
実は気さくな先生で、
今度一緒に飲みに行きましょうね!なんて
言ってくださいます♡
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私の同級生の中野敏明先生
ドイツ留学から帰ってきましたよ!
先生が聖路加病院にいない間に、当院でお預かりしている患者様!
中野先生のところにまた戻られるようでしたら、これまでの経過を書いて紹介状を作りますのでご連絡ください。

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現在の皮膚科部長の新井達先生です。
大学病院勤務時代より長くお世話になっている先輩です。

どんな些細なことも親身になって相談に乗ってくださいます。

 

これからも聖路加病院との病診連携を
皆様のスムースな治療計画に役立てたいと思います。

 

 

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乾癬の治療薬「ドボベット®軟膏」の投薬期間制限が10月1日より解除されました。

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ステロイドとビタミンD3軟膏の合剤ドボベット軟膏が承認されてから1年が経過し、処方量の制限がなくなりました。
これまでよりも一度の受診でたくさん処方ができるようになり、患者様の通院の負担が軽減されますね。

乾癬について>>>

乾癬の外用治療(塗り薬)においては
ステロイドとビタミンD3軟膏の併用が主です。
でもこの2種類を重ねて塗るのは毎日大変ですね(-.-)
したがってこれらを混合して処方しますが、
この2剤が接触すると薬の効果が急激に落ちやすく、
効きにくくなるという問題点がありました。
そこで、海外では日本よりもはるかに前より
これらがすでに合剤となったドボベット軟膏が使用されています。
日本でもようやく昨年より処方できるようになりました。
ステロイドとD3軟膏とを混ぜて使用する場合よりも
薬の安定性がよく、効果を失活させないということで
日本でも、これからの乾癬治療の外用療法の主流となると
考えられていました。
でも、実際はなかなか継続できる方が少ないのです。
その理由は価格・・・。
ジェネリックがまだありませんので、
これまでのお薬と比べるとかなり高額になってしまいます。
そのため、以前のお薬に戻ってしまう方が多いのが現状です。

昨晩はその問題点について
乾癬の病気の治療のスペシャリストといえる以下の著名な
先生方と、ドボベット軟膏はどのように使用するのが効果的か。
また最新の治療である生物学的製剤との外用療法の併用を
どのように組み合わせていくかなどについて議論しました。

大学病院勤務の先生方  VS  開業医ということで
開業医の立場から私は参加いたしました。

東京逓信病院副院長 皮膚科部長 江藤 隆史 先生
東京慈恵会医科大学 皮膚科 准教授 梅澤 慶紀 先生
同愛記念病院 皮膚科部長 三井 浩 先生
山王病院 皮膚科部長 佐藤 佐由里 先生
順天堂大学 皮膚科 准教授 土橋 人士 先生
和洋女子大学 総合生活研究科 教授 金子 健彦 先生
(元同愛記念 皮膚科部長)

そして
私の大学の先輩である
戸田皮膚科クリニック 戸田 淳先生
そのほかご開業の先生数人で熱い議論をかわしました♪

大学病院や大きな病院へ通われる患者さまは
症状が重い方や、高額な注射の治療などを受けていらっ
しゃるので、ドボベット軟膏が特別高いという印象をもっていないようでした。
確かに高いお薬ですが、
これまでにドボベット軟膏の使用経験の多い先生方による
と、確実に他の塗り薬よりも効果が早い。
そしてステロイドとビタミンD3とを併用した時よりも、
もともと合剤になっているこのドボベット軟膏の方が
効果が良いという印象とのことです。

毎日、全部の皮疹に使用すると
治療費が高額になりますので、
このように使うと良いという案をだしました。

・ 症状のひどい部分にのみピンポイントでドボベット軟膏を使用する
・ weekend therapy :週に数回のみたとえば週末のみドボベット軟膏にする

当院でも本日からこのような使い方をご提案しようと
思います。

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東京逓信の江藤先生です。

また一緒にお勉強させていただきます♪

 

 

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メタボリックスキンシンドローム ~メタボリックシンドロームと乾癬、そして腸内フローラの乱れ(dysbiosis)~

乾癬(かんせん)は、
日本では人口の1~3%の方が
持っている皮膚疾患といわれています。
そして近年増加傾向にあります。
メタボリックシンドロームと関係した皮膚疾患
メタボリックスキンシンドローム」が注目されるように
なった疾患の一つがこの乾癬です。

Schuppenpflechte-Psoriasis am Haaransatz und auf der kopfhaut

 

schuppenflechte - psoriasis an armen und beinen - nahaufnahme

このように関節の背面や髪の生え際などの
白いかさかさした鱗屑と呼ばれる皮が付いた
赤い斑ができます。
数か所の場合もあれば全身にみられることもあり、
程度はさまざまです。

米国では、1970年代と比較して20年で2倍
中国においては1987年から3倍に増加している
皮膚疾患です。
肥満とメタボリックシンドロームとの関与が
指摘されていますので、食生活習慣のスタイルの
変化が影響していることが想像されます。

乾癬の患者におけるメタボリックシンドロームは、
オッズ比2.26と健常人よりも高い割合を示し*1、
重症の乾癬患者では、心血管疾患、糖尿病、腎疾患
などによる死亡リスクが高く、平均寿命は73歳で、
乾癬のない人の79歳よりも有意に短いとの報告も
あります*2。
乾癬は全身性に慢性的に炎症が及ぶことで、
インスリン抵抗性(血糖調節機能の低下)や
血管の内皮の異常をおこし、
動脈硬化や心筋梗塞、脳梗塞を発症させるという連鎖
(「psoriatic march」といわれています。)
を起こします。

このように乾癬の方では 肥満があると、
脂肪の増加により、乾癬の悪化につながる TNF-αやIL-6
といった炎症を引き起こす物質が
脂肪組織から過剰に産生され、
また 同時に炎症を抑える方に働くアディポネクチンは低下
して、炎症が持続します。
すなわち乾癬の悪化や症状の持続に影響します
そしてまた乾癬の慢性的な炎症や肥満による脂肪組織での
炎症は、インスリン抵抗性(血糖調節機能 の低下)を引き起こし、
また肥満は腸内細菌叢へも影響し、さらに 肥満を促進させます。

このように肥満と乾癬、メタボリックシンドローム、
腸内細菌叢の乱れ(dysbiosis)が絡みあい、
悪循環となります。

乾癬とメタボリックシンドロームとの遺伝子制御の
関連性は今のところ低いとされていますので、
肥満やメタボリックシンドロームになると
必ず乾癬になるわけではありませんが、
肥満と乾癬の合併は共通の病態が存在するのは
確かなようです。
ただし、肥満があるから乾癬になりやすいという考えと、
乾癬があるから肥満になりやすいとの考えがあり、
いまだどちらが原因で、どちらが結果なのかは わかっていません。

以上のことより、乾癬は皮膚の治療だけではいけません。
乾癬を悪化させないような生活習慣の改善は、
乾癬体質の方が将来なりやすい心血管系の病気の予防
にもなり、とても大切です。
皮膚科で塗り薬だけもらっているような
通院ではいけません。
長期的に、病気にならないような予防ケアを
同時に受けましょう。

常々申し上げている「変わる皮膚科診療」
「皮膚だけを診てもらっていても治らない!」です。

 

*1.Amstrong Aw et al:J Am Acad Germatol 68:654-662,2013
*2.Abuabara K et al:Br J Dermatol 163:586-592,2010
*中島英貴 メタボリックシンドロームと乾癬
皮膚アレルギーフロンティア 2015.3 Vol.13 no.1 13-15

 

 

 

 

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「メタボリックスキンシンドローム」~メタボリックシンドロームと皮膚疾患~

近年は「肥満」は「慢性の炎症」といわれるように
なりました。

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肥満からはじまるメタボリックシンドロームは高脂血症や糖尿病、動脈硬化、心疾患のみならず、
アレルギーや自己免疫疾患の原因になります
そして、さまざまな皮膚疾患も、
肥満、メタボリックシンドロームとの関係が
明らかとなり、
メタボリックスキンシンドローム」といわれるようにも
なりました。
そしてそのメタボリックシンドロームは
腸内細菌叢(腸内フローラ)とも密接に関与し、
さらには皮膚疾患もこれらと関係してしていることが
明らかとなっています。

「アトピー性皮膚炎がある」
「乾癬がある」
「花粉症になった」



皮膚疾患がある人、
皮膚疾患になった人、
アレルギー体質の人、
アレルギー体質になった人!
は、メタボリックシンドローム、肥満
そして腸内細菌(腸内フローラ)を改善せよ!
という時代です!

これらの関係について
しばらく連載していきたいと思います。

 

 

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変わる皮膚科診療 ~皮膚だけを診るのでは治らない!~

これまでの皮膚科の治療は、
皮膚局所を治すことに専念されていました。
ニキビ抗生物質で増えた菌を減らす
アトピー性皮膚炎できた湿疹を塗り薬で抑える
乾癬発疹を抑える塗り薬や内服薬、注射

生じてしまったあくまで「結果」を治す治療に
すぎません。

これは現在の保険診療の中心的な治療内容になります。

 

当院では、生じてしまった症状を治すだけでなく、
その根本にある、病気の素因を追及して、
症状の出にくい体作りを目指しています。
皮膚は体の中のことを反映します。
皮膚症状があるからには、何か体の不調がある。
そう考えています。
「皮膚は内臓の鏡です」>>>

 

そしてもう一つ。
その生じた皮膚疾患が、とくに慢性化した場合には、
「その後なりやすい、さらなる疾患」があります。
それを予防する必要があります。
当院ではそこもケアしたいのです。

 

最近ようやく、その必要性について
保険診療医にも知る機会が多くなりました。
先日保険診療医に配布された、皮膚科の情報誌です。
img159
その中では、肥満やメタボリックシンドロームと
皮膚疾患、腸内細菌と皮膚疾患など
皮膚症状に関連した周辺の体の中のケアを
行わないと、病気の悪化、悪循環、
そして更なる病気の惹起の注意まで書かれています。

この中で
高知大学医学部皮膚科学講座教授の
佐野栄紀先生は
img160

とおっしゃり、

「ライフスタイルによって皮膚病は大きく変わると実感されます。
特に皮膚病そのものの種類が変わっており、
その背景を科学的に解き明かすことが求められます。」

「腸内細菌叢についても、アトピー患者に乳酸菌を
摂らせるプロバイオティクスの話題も出てきました。」

「乾癬などは肥満と炎症で機序が説明できる
皮膚疾患の一つ。
腸内細菌叢によっても大きく変わるようですから、
便を調べてみるのも面白いかもしれない。」

(当院ではこれはすべてすでに実施しています。)

 

千葉大学大学院医学研究院皮膚科学准教授の
神戸直智先生は、
img161

 

とおしゃっています。

 

 

トップレベルの医療では、
日本でもこのような方向性ですが、
まだまだみなさんが遭遇する医療現場では、
お粗末なケアです。

 

病気の素因の改善や更なる悪循環を回避するケア、
そして持病による将来的な病気の予防の対策においては、
保険診療では賄うことができないため、そのことを
知っていても、患者様に実際に医療として提供できていない。
それが日本医療の保険診療の現実です。

 

この私のブログでは、
医療のトップではトピックスになっていながら、
エンドの皆様になぜか届かない
最新医療情報をお届けしています。

一緒に勉強してまいりましょう(^^)/

 

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