八丁堀 皮膚科|スキンソリューションクリニック Rotating Header Image

カテゴリ:アトピー性皮膚炎

 

アトピー性皮膚炎の方や皮膚疾患のある方、敏感肌の方にも安心して使用できるスキンケア用品~イニクス®~

前回のブログで、天然素材の高品質なスキンケア用品や
精油でも、皮膚のバリア機能が壊れているアトピー性
皮膚炎やそのほか皮膚炎の方では、けっして安全とは
言えないことについてご説明しました。
「茶のしずく」で話題になった経皮感作による
小麦アレルギーの獲得のように、
皮膚に侵入した成分に反応し、アレルギーになってしまうことがあります。

とくに皮膚炎でバリア機能が壊れている部位や、
皮膚機能が成熟していないお子様においては
使用するスキンケア用品には十分お気を付けいただきたいのです。

そこで、皮膚炎をお持ちの方ではご存じでない方はいない
あのヒルドイド®をつくている製薬会社マルホさんが、
敏感なお肌の方にも安心して使用できる
スキンケア用品を作りました。
img181

「イニクス®」です>>>

この製品は、化粧品会社ではなく、
皮膚科医において最も信頼している製薬会社といえるマルホさんが、
医薬品製造会社の立場から、あらゆるデーターをもとに
安全かつ健康な肌そして美しい肌になるために効果が
あると実証されているもののみを使用して作成しています。
そして医薬品レベルの安全確認試験を行い、
アレルギーテストノンコメドジェニックテスト
さらには敏感肌の方のご協力のもと製品のパッチテスト
施行して、安全性をとことん追求し、作り上げました。

私はこの「イニクス®」の皮膚科医としての立場から
医療アドバイザーをしております♡

敏感肌用、アトピー性皮膚炎用などをうたった商品は、
さまざまなところであふれていますが
根拠のない商品、安全性の確認試験を行っていないもの
などお勧めできない商品も多くあります。

何を使用していいのかわからない・・・という方
お試しになってください。

当院にてサンプルをお渡ししております♪

このイニクスは、まだ限られた医療機関でしか
サンプルのご提供、ご紹介はできませんが、
インターネットから紹介なしでも購入できます♪
「イニクス®」について詳しくはこちらから>>>

 

 

 

 

投稿日:2015年10月8日  カテゴリー:★ 院長ブログ・医療情報 ★, アトピー性皮膚炎

皮膚炎、アトピー性皮膚炎の方は精油(エッセンシャルオイル)の塗布に注意!

長期間皮膚炎を患うアトピー性皮膚炎の方は、
お薬をずっと塗っていくことに対して抵抗感もおありと
思います。
「他にもっと皮膚や体に優しいものでケアしていきたい。」
そこで処方されるお薬や保湿剤以外にも
ご自身で探されて使用しているものもあると思います。
皮膚の弱い方で大切なのは、保湿のスキンケアですが、
市販されている高機能な保湿剤も多く見かけるようになりました。
そのようなものを、日々の保湿ケアに取り入れることも
よいのですが、どのようなものを使用するのが安全なのか
注意が必要です。

最近よく見かけるのが、一見体や皮膚によさそうな
天然素材の保湿剤です。
さらにはオーガニックのものならなお安心だ。と
思ってしまいますがそうであるとは言えません。

特に注意が必要なのは精油(エッセンシャルオイル)を
直接肌に塗ることです。
健康な肌においては、アロマ効果もあり良い作用も
ありますが、
アトピー性皮膚炎の方や湿疹ができているところにぬると
通常よりも経皮吸収が高まっているため
神経作用や全身的なアレルギーをきたすことが報告されています。
また、壊れた皮膚に浸透した精油の成分が、感作といって
アレルギーを獲得してしまうこともあります
吸引することでアレルギー反応を抑えるアロマテラピーは
有効ですが、皮膚に塗布することは、炎症をしずめ、
皮膚炎も改善することもある一方で、さまざまな注意が必要です。
自己判断で治療として使用することは避けていただきたいと思います。

花粉症、アトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患に有効
だといわれているラベンダー、ゼラニウム、
ティートリー、カモミールも皮膚に塗布することで
アレルギーを獲得してしまう(感作)の報告が多数でています。

またお子様への使用も注意が必要です。
皮膚のバリア機能が弱い子供は精油に感作されやすく、
また過剰な経皮吸収により
全身的な症状を生じる可能性も指摘されています。

そして妊婦さんにおいても
子宮の収縮作用を促進させてしまうものもあります。
専門家の指導のもとで使用しましょう。

うまく併用すると症状の緩和にもなる精油でずが、
使用方法を誤ると予期せぬアレルギー症状に
つながることがありますので、
専門家の指導のもので使用しましょう。

アトピー性皮膚炎の方、お子様、妊婦さん
今お使いの保湿剤に精油など、アレルギーの原因に
なりうる成分が入っていないかを確認しましょう♪

投稿日:2015年10月7日  カテゴリー:★ 院長ブログ・医療情報 ★, アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎の人はイボがうつりやすいのは確かなようです。

プールや学校で、お友達からうつりやすい
ヒトパピロマウイルスによるイボ
stockfoto_42495527_S

一見魚の目のようにみえますが、
ウイルス感染症です。
水虫と同じように、
ヒトからヒトへ感染します。

お子さんの方が患者さんは多いですが、
大人も感染します。

このヒトパピロマウイルスの感染は、
「尋常性疣贅(じんじょうせいゆうぜい)」といいます。
この「イボ」
どの人でもかかる可能性はありますが、
うつりやすいヒトがいると、日常診療からも
わかっていました。
それは成人も小児でもアトピー性皮膚炎の方です。
小児のアトピー性皮膚炎において、
このようなイボやそれ以外の感染症にも
かかりやすいという結果の報告があります。
*Jonathan L Silverberg et al.:Childhood atopic
dermatitis and warts are associated with increased
risk of infection.,The Journal of allergy and clinical
immunology.2014 133(4);1041-7
0歳から17歳までの9,417例において調査されています。
アトピー性皮膚炎のある小児では、イボを有する割合が
高かった
という結果で、
イボのみならず、咽頭炎や風邪、インフルエンザ、
副鼻腔炎、中耳炎、水痘、尿路感染症などの罹患した
感染症
が多かったという結果になっています
皮膚や粘膜のバリア機能の破壊や、異常な免疫反応が
影響しているのではないかと示唆されています。

アトピー性皮膚炎をお持ちのお子様の、
足を定期的にチェックしてくださいね。
多くの場合は足の裏にかかりやすいですよ。

 

 

 

投稿日:2015年8月31日  カテゴリー:★ 院長ブログ・医療情報 ★, アトピー性皮膚炎

かゆみ止めの飲み薬「眠気の強さ」=「効果の強さ」?

Extreme close-up view of various colored pills

「効き目が強い薬は眠くなるから嫌です・・・」
「眠くなりやすいので、弱い薬でいいです。」
などたびたび診療の中で出てくる会話です。

はたして
「眠気の強さ」=「効果の強さ」でしょうか?
以前に、2011.9月28日に開催された「皮膚の健康研究機構」
理事・東京女子医科大学皮膚科学教授川島眞先生、
東京大学皮膚科学教授佐伸一先生より
これについての大規模比較検討試験の結果の発表がありました。

じんましんやアトピー性皮膚炎の治療薬である
抗ヒスタミン薬は、副作用として眠気をきたすことがあります。
近年眠気の少ない抗ヒスタミン剤が登場していますが、
眠気の強い第1世代抗ヒスタミン薬のシェアは、
以前高いままであるといいます。
その理由として、患者そして医師も
「眠気の強さ」=「効果の強さ」と考えていることが
わかったとのことです。
そこで2010年1月~10月に、比較検討試験が実施されました。
アトピー性皮膚炎及び慢性じんましん患者502例を
対象とし、眠くなりにくい非鎮静性抗ヒスタミン薬として
タリオン®(ベポタスチンベシル)、
眠気を伴いやすい薬としてポララミン®(d-クロルメニラミン)
またはザジテン®(ケトチフェン)を使用しています。
鎮静性の抗ヒスタミン薬では、
投与前後に眠気の程度が悪化したのに対して
非鎮静性の抗ヒスタミン薬では、眠気の程度には
変化がありませんでした。
一方、かゆみの抑制効果については、
鎮静性も非鎮静性も同等の抑制効果を示し、
両薬剤間に有意差は認められませんでした。

以上より、
「眠気の強さと効果の強さは相関しない」と
結論づけられました。

それでしたら、眠くなりにくくて、
計算能力が落ちたり、作業効率に影響しない
お薬を選ぶ方がよろしいですね。

投稿日:2015年8月18日  カテゴリー:★ 院長ブログ・医療情報 ★, アトピー性皮膚炎, その他

アトピー性皮膚炎に伴う網膜剥離

stockfoto_49005748_S

アトピー性皮膚炎の方で、目の周りの症状の
ひどい方は、目を強くたびたびこすることで、
網膜剥離を起こしやすいといわれています。
そのほか、長期間瞼にステロイドを塗ることで
眼圧上昇、緑内障、白内障も起こしやすくなります。
年に数回は眼科で検診を受けましょう。
と申し上げてもなかなか行っていただけない・・・。
症状がないと、病気にならないと行きづらいのが
日本の病院・・・(-.-)。

このアトピー性皮膚炎に伴う網膜剥離
うれしいことに、この10年間では患者数は減っている
そうです。
きちんと通院する方も増えて、目の周りの湿疹の管理が
良くなったのでしょうね。
*Sasoh Mikio et al:Incidence of retinal detachment
associated with atopic dermatitis in Japan,
ClinOphthalmol.2015;9:1129-1134
三重大学の調査によると、三重大学病院で
網膜剥離手術を行った症例について、
レトロスペクティブに分析したところ、
1992~2001年のアトピー性皮膚炎合併群は63例、
2002~2011年では38例と顕著に減少していたそうです。
非アトピー群の年間の網膜剥離患者は20年間変わりは
なかったとのことです。

網膜剥離はひどいと手術が必要な場合も
あるので、早目の眼科受診が大切ですね。

網膜剥離を疑う症状について
書いておきます。

 

網膜剥離の症状(日本眼科医会HPより抜粋)

(1)飛蚊症 視野にフワフワしたゴミか蚊のような
影が見える

明るい背景で読書したり、青空や白い壁などを見たときに、
視野のなかに何か浮遊物の影が移動するように見えます。
これを「飛蚊症」といいます。
はじめて飛蚊症の変化を自覚したときには、それが近視や
加齢による単なる生理的な変化なのか、網膜裂孔などを
合併する病的な変化なのか、眼底検査を受けることが大切です。

(2)光視症 視野の隅に稲妻のような光が走る

これを「光視症」といいます。
眼球運動に付随して、視野の周辺に一瞬あるいは数秒間
光が走るという自覚です。
硝子体と網膜の癒着が強い場所(病的に薄い網膜)があると、
後部硝子体剥離がその部分で生じにくく、
その部位がひっぱられて網膜が刺激されると、
視野のなかに光が走ります。
光視症を自覚する人の一部に、網膜に亀裂(裂孔)が
生じていることがあります。

(3)視野全体がススがかかったように見える

後部硝子体剥離などの際に、網膜血管がひっぱられたり、
網膜裂孔が生じて出血することがあります。
硝子体中に出血が広がると、視野全体が暗くなったり、
飛蚊症の影が増えたり、ススがかかったように見える場合があります。

(4)ものがゆがんで見える・見える範囲が狭い(視野欠損)
メガネをかえても視力が改善しない

網膜剥離が黄斑に近づくと感度のいい網膜が障害され、
それに対応する視野が欠損します。
上の方の網膜が剥離すると視野の下の方が暗くなり、
下の方の網膜が剥離すると視野の上の方が欠損します。
黄斑が剥離すると、ものがゆがんで見えたり、
視力が低下します。網膜裂孔の位置や大きさなどで、
視野欠損や視力低下の程度や進行は異なります。

 

アトピー性皮膚炎の方で、
飛蚊症や光視症、視野障害などの自覚症状が現れたら、
網膜剥離による可能性がありますので、
早急に眼科を受診してください。
網膜剥離と診断された場合、剥離期間が長いほど
神経網膜が損傷されますので、緊急に治療が必要です。
網膜剥離のタイプによって安静度や手術までの緊急度は
異なるものの、一般に早急な手術が必要となりますので、
眼科医に相談してください。

投稿日:2015年8月17日  カテゴリー:★ 院長ブログ・医療情報 ★, アトピー性皮膚炎

梅雨時のお布団のお手入れどうされていますか?

雨の日が続きましたが、ようやく少し
晴れた日がでてきましたね((+_+))
週末はお布団干せましたか?

その前は雨が続いて干せなくて困りませんでしたか?
この先は台風も来るらしいですね(*_*;
また干せなくなってしまいます・・・。

夏は特に、寝ている間に
たくさん汗をかきますので、
ダニやカビ、ハウスダストが増えやすいです。
湿ったお布団そのままにしていませんか?

 

一般住宅の寝具の室内塵性ダニ類,昆虫,真菌の分離調査(第1報)
川上 裕司ら(エフシージー総合研究所 環境科学研究室)
によると

近年、高断熱高気密の住宅が主流となったことにより、
年間を通じて室内塵性ダニ類やチャタテムシが
繁殖しやすくなったといわれているそうです。

一般住宅45軒(東京都33軒、神奈川県6軒、埼玉県4軒、
千葉県1軒、茨城県1軒)のモニターに
サイクロン式電気掃除機(Dyson-DC61)を配布し、
寝具の表面90×180cmを1分間かけて掃除機がけして
頂いたところ、
室内塵性ダニ類のうち最も多く分離されたのは、
コナヒョウヒダニ(D.f.)であった。
その他のダニではヤケヒョウヒダニ、ケナガコナダニ、
ナミホコリダニ、ミナミツメダニ、ササラダニ類、
フツウマヨイダニが分離された。また、クモ類が9軒の住宅で分離された。
昆虫では、ヒメマルカツオブシムシ(脱皮殻)、
Coleoptera、Dipteraが分離された。
これらは殆どが死骸であった。
真菌(カビ)では、Cladosporium属の菌類が25軒/45軒(55.6%)
と最も多く分離された。
また、Aspergillus section RestrictiA. restrictus等)に属する菌類が
10軒の住宅から分離された。
いずれもアレルゲンとなる菌類である
調査を行った春季でも居住者が一日の中で一番長く接する寝具には、
アレルゲンとなるダニやカビ(微細塵となった死骸)が
多く付着していることが明らかである。

 

(+_+)うわ~~~気持ち悪い( 一一)!!

お布団清潔にしないといけませんね。
特にすでにアレルギー疾患をお持ちの方は、
こまめにお手入れしてください!

それではいったいどんなお布団のお手入れ方法が良いのか。

1、天日干し
でも梅雨のこの時期なかなか干せませんし、
住居によっては干せない場合もあります。
そして表裏まんべんなく干すのは大変・・・。

2、布団丸洗い
たまにはした方がいいけど家族みんなのを
そうそうできませんね(;_;)

3、防ダニ布団にする
ダニやカビが繁殖しにくいような素材であったり、
そのような素材を混ぜてあったり最近は多種あります。

結構高価です。
根拠のない悪質な商品もあるようです。
買いなおすのも大変ですね。

4.防ダニシーツを付ける
高密度の線維のシーツで既存の布団を包むことで、
ダニやハウスダストが放出されるのを軽減するものです。
でも湿気対策やカビは難しいですね・・・・

5.今はやりの布団クリーナー
現実的には一番良さそうです。
こまめにできそうですね。

最近は、この布団クリーナーはさまざまな機能があります。
どれが良いのか迷いますよね。

どれもまずは、
吸い取る機能
掃除機としてダニやホコリを吸う機能が一番大切ですね。
たたき出してみたり、吸引そのものが強いもの、
掻きだすローラーに工夫などなど。
そして最近多いのは
UV照射機能
ダニはそうそう死にませんが、
カビなど他の雑菌には有効です。
照射時間によっても死滅効果は変わりますので
使い方次第ですね(+_+)
そして乾燥機能
乾燥機能が付いているものは
私が電気屋さんでみるかぎり
シャープさんと韓国製のレイコップだけでした。

乾燥機能がないと湿気がとれません。
布団乾燥機で別で乾燥するのが一番良いですが
面倒ですね(+_+)

湿気が多いとカビの繁殖が高まります。

ですので私は「レイコップ」という
乾燥機能付きの布団掃除機にしました。

このレイコップのダニやそのほかの雑菌を
除去するデータには疑問もいわれていて、
過大な広告が不評ではあります・・・(*_*;

でもこれまでにも数々の、UV照射つきのダニやほこり
を吸い取ってお掃除するものは出ていましたが、
お布団の湿気をとる乾燥機能付きは新しいのです。
シャープからもでていますが、
乾燥機能がレイコップの方が高いです。
この「ドライエアブロー」という乾燥機能が
干した時と同じような、いや干した時よりもふっくらします♪
レイコップの廻しものではありませんよ(笑)

 

雨が続いて干せなかった私のペチャンっとした
羽毛布団のbefore-afterみてください( *´艸`)

before
14355353088732



after
14355352823091

ふっかふかっ♪

もこもこにふくらみました♪

雨でお布団が干せない私の悩みはとりあえず解消♡

ダニやハウスダストを除去する機能の評価は、まだまだ今後のさらなる調査が必要なようです。シャープさんのが良いのかレイコップが良いのか現時点では評価が難しい
のですが、
とりあえず乾燥機能は十分でした。

これからもっと高機能なものがでてきそうですね。
電気屋さんにいかれましたら
布団クリーナーチェックしてください(^^)/

 

投稿日:2015年7月13日  カテゴリー:健康情報・アンチエイジング, アトピー性皮膚炎, その他

アトピー性皮膚炎の方のかゆみは複雑です

アトピー性皮膚炎の方にかゆみ止めの
飲み薬(抗ヒスタミン剤)をお出ししても、
効いているような、効いていないような・・・
効いているとは思えない・・・
そういう方も多いですね。
そのなぜ効きにくいのか。研究が進んできています。
近い将来は、抗ヒスタミン剤でないかゆみ止めが
出てくるものと思います。

「かゆみ」といっても色々な経路でさまざまな因子により
生じます。
ごく簡単に図にまとめてみました。
現在ではもっとたくさんの因子が絡みあっていることが
わかってきています。

img171

「かゆみ」には、
「末梢性のかゆみ」「中枢性のかゆみ」があります。
末梢性のかゆみは、表皮と真皮の境界部に分布している
神経C線維が、さまざまな刺激で活性化されてかゆみになります。
その刺激は、こすれたり、さわったりといった機械的
刺激や、電気刺激、温度刺激のような物理的な刺激と、
湿疹・皮膚炎などで生じたケミカルメディエータ
による化学的刺激です。

アトピー性皮膚炎のかゆみは、
主にこのケミカルメディーエーターによる
「末梢性のかゆみ」であると考えられていました。
ヒスタミンという物質を介した反応です。
したがって、一般的によく処方されるかゆみ止めは、
抗ヒスタミン剤や抗アレルギー剤と呼ばれるものなのです。
しかし、最近では、アトピー性皮膚炎では、神経終末の
プロテアーゼ活性化受容体(protease activated receptor,
PAR)-2の発現が亢進して痒みを引き起こしているという
報告もでています*1*2。
ヒスタミンよりも、プロテアーゼが、
より広範囲なかゆみに関係することがわかり、
プロテアーゼやPAR2プロテアーゼ活性化受容体を
抑制する止痒剤の研究が進んでいます。
img171

これに対して「中枢性のかゆみ」は、
内因性のオピオイドペプチドが、神経に存在する
オピオイド受容体に作用することで、
かゆみが生じます。
最近では、アトピー性皮膚炎は、
このオピオイド受容体が関連しているため
抗ヒスタミン剤のみでは、かゆみを抑えきれないと
考えられています
近年このオピオイド系を調節する内服薬が
痒みを抑えるとの報告もでてきています*3,*4。

このようにアトピー性皮膚炎においては、
末梢性のかゆみと中枢性のかゆみが複合的に
存在しており、かゆみを止めることが非常に難しいのです。

さらには、アトピー性皮膚炎の方の皮膚では、
皮膚の痛みに対する反応性が鈍いため
(神経などに存在する多様な刺激で活性化される
Transient receptor potential,TRP)V1の反応性の低下
による)、掻破行動が抑制されないことが示唆されています*5。
すなわち痛みに対して鈍くなっているので、
強くかいても痛くないので、
痛いからかくのをやめようとか、
もう少し弱めに掻こうというきになれず、
強くかき続けてしまうということです。
そのかき壊した皮膚が炎症を起こし、また痒みの誘発に
つながるという悪循環が起こっている可能性があります
このTRPV1拮抗薬で掻破行動(かき壊す行動)を
抑制できることも報告されています*6。

このように、かゆみに関するさまざまな因子が
明らかとなりつつあり、より効果的な止痒剤が
開発されてきています。
はやく、もっと痒みを止めてさしあげたい・・・。
そう願う毎日です。

 

*1.Briot A et al:Kallikrein 5 induces atopi dermatitis-like
lesions through PAr-2-mediated thymic stroml
lymphopoietin expression in Netherton syndrome.
J Exp Med.2009;206:1135-47

*2.Steinhoff et al:J.Neurosci,23,6176-6180(2003)

*3.Herzog J et al:J.Drugs Dermatol,10,853-860(2011)

*4.Malekzad F et al;J Eur.acad.Dermatol.Venereol,
23,948-950(2009)

*5.「アトピー性皮膚炎における皮膚の知覚反応と
TRPV1との関連性に関する研究」
東京農工大学・早稲田大学 夏 彦

*6.Yun,J.w et al;J Invest.Dermatol.131,1576-1579(2011)

 

 

投稿日:2015年7月10日  カテゴリー:★ 院長ブログ・医療情報 ★, アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎での「あせも」、「皮膚炎」そして「かゆみ」にも黄色ブドウ球菌が関係していようです

この時期「あせもかな?」と受診する方が多いですね。
特に小児では多いです。
みなさんが「あせもかも?」と思う症状には
二つあります。

意外と多いのは本来の「あせも(汗疹)」とは
厳密には異なる
「汗が付着することで生じた湿疹」です。
関節の内側など、汗が停滞して荒れてしまう症状です。
汗について>>>

「あせも」とは、
水疱のようなぶつぶつや赤いぶつぶつができます。
原因は、たくさんの汗をかいた時に、
汗管という汗の出る通り道が詰まることにより、
汗が皮膚内に貯留して小水疱を生じたものと考えられています
発汗量が多いために交通渋滞のように詰まったり、
汗の出口が角質化した蓋でふさがれてしまってなったり、
と考えられていますが、

この詰まってあせもになる原因は、他にもさらにありそうです。

*Herbert Bet al:The presence and impact of
biofilm-producing stphylococci in atopic dermatits.
JAMA dermatology.2014 150(3);260-5

アトピー性皮膚炎においては、
多数の薬剤が効かなくなっている多剤耐性ブドウ球菌を
もっており、そして黄色部ブドウ球菌が有意に多かったとのことです。
さらには、汗腺の閉塞が確認でき、
そこでは黄色ブドウ球菌の閉塞(詰まること)と
さらにはバイオフィルム形成が確認されていたという報告です
(アトピー性皮膚炎と黄色ブドウ球菌の関係、
バイオフィルムについて>>>

汗の出口がふさがるために生じるといわれている
「あせも」にも黄色ブドウ球菌が関係している場合が
ありそうですね。

でも清潔にしたからといって、
容易には除去できないバイオフィルム形成をしている
ことから、これらの除去は容易ではありません・・・。

さらに、
アトピー性皮膚炎では、
神経終末のプロテアーゼ活性化型受容体(PAR)-2の
発現が亢進していて、かゆみを引き起こしているという報告がもあります*1。
従来いわれていたヒスタミンによるかゆみよりも、
このPAR-2が広範囲なかゆみに関与していることがいわれるようになり、
従来の抗ヒスタミン剤のかゆみ止めの飲み薬が
かゆみにききにくいこともわかってきています。

その汗の出口の黄色ブドウ球菌の詰まった部位では、
PAR-2を介したかゆみの発生と、TLR2-MyD88経路に
依存した皮膚炎の発生の可能性が示唆されたとのこと
ですので、
あせもになったり、あせもが痒くなるのは
そのためかもしれませんね。
そして、あせもをかきこわすと「とびひ」になりやすい
のも、この汗の出口に詰まっている黄色ブドウ球菌が
関係があるのかもしれません。

アトピー性皮膚炎の方においては、とくに
「あせも対策は汗をかいたらすぐにシャワーしたり、
着替えましょう!」といっても、実はそれでは予防
しきれないかもしれません・・・。
とはいえ、前回ご説明しましたように、
夏にたくさんかく汗は、長時間皮膚についていると
刺激になりますので、「汗が付着することにより
生じる湿疹」を予防するためには、シャワーや着替えは
必要ですね。

 

*1.Briot A et al:Kallikrein 5 induces atopi dermatitis-like
lesions through PAr-2-mediated thymic stroml
lymphopoietin expression in Netherton syndrome.
J Exp Med.2009;206:1135-47

 

 

投稿日:2015年7月7日  カテゴリー:★ 院長ブログ・医療情報 ★, アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎の人は「汗はかいた方がいいのか、かかない方がいいのか。」

stockfoto_43485425_S
アトピー性皮膚炎の方は、
汗をかくこれからの季節に悪化する方が多く、
汗をかかない工夫をされている方もいらっしゃ
います。
汗の貯まるところが夏に悪化することは
確かなのですが、ほんとうに汗は悪者なのか?
について検証された報告があります。

*アトピー性皮膚炎悪化因子の検証:
汗と温度に関する最近知見」
大阪大学大学院医学系研究科情報
総合医学講座皮膚科 室田 裕之先生より
西日本皮膚・76巻3号/2014

外部の刺激から肌を守るバリア機能の一つが
皮脂膜ですが、それは皮脂と汗が混ざり合うことで
形成されます。
したがって汗はこの皮脂膜の構成因子として保湿、
バリア機能の役割に関与しています。
そして最近ではこの汗の中には抗菌ペプチドや
免疫抗体(分泌型IgA)が含まれ、雑菌から
守る働きがあることもわかっています。

ですので汗をかくことも必要ですね
そして夏季は暑熱適応のために、発汗は増加します。
でもその大量に出る時の汗は、知らない間に出ている
不感蒸泄の汗とは成分組成が違うそうです。
大量に出るときの汗は、pHが高めで、
汚れた皮脂膜の除去や、不要な角質の除去に貢献しています。
したがって長時間皮膚に付着していると、刺激になると考えられます。

でもアトピー性皮膚炎の方では、発汗が低下しています
汗の排泄の低下、汗腺からの汗の産生、分泌の異常が
原因といわれています。
排泄の低下は、汗の出口の角栓形成による閉塞または
周囲組織への漏れが考えられているとのことです。
また産生分泌の低下は、自律神経失調や発汗誘導因子の
アセチルコリンへの反応低下があるそうです。
アレルギー炎症で増加するヒスタミンが、
このアセチルコリンによる発汗を抑制することを
確認したとも報告されています。

汗が少ない乏汗状態では、皮膚に熱がこもり、乾燥し、
病原菌に対する抵抗性も損ない皮膚炎は悪化しやすく
なります。

通常は汗をかくことで、皮膚表面はうるおいますが、
アトピー性皮膚炎の患者では、汗に含まれる
天然保湿因子の含有量が低下していたり、
角層の保水機能が低下していることなどにより、
発汗しても皮膚がうるおいにくいようです。

したがって、汗の効能を得るには、
夏でも日常的に保湿剤によりスキンケアを行って
おく方が良いとのことです

アトピー性皮膚炎で汗をかきやすいこの時期に
悪化が見られる関節の内側は、
実は発汗量の少ない部位だそうです!
汗が蒸散しにくく、停滞するので悪化しやすいのですね。
不感蒸泄でない汗は、長時間皮膚にとどまると、
皮膚に刺激が生じることがありますので
洗い流すか、濡れたタオルでふき取るか、
着替えるかが必要ですね。

 

以上より
汗はかいたほうがいいですが、
長時間皮膚に付着していないようにケアが必要。
汗による保湿、抗菌作用などの効能を得るには
夏でも保湿剤によるケアで肌を整えておく必要
があります。

 

*室田浩之 ;アトピー性皮膚炎悪化因子の検証:
汗と温度に関する最近の知見 西日本皮膚
76巻3号 2014. 189-193
*室田浩之 ;「アトピー性皮膚炎における発汗生涯」
日皮会誌 124(7)1289-1293

 

 

 

投稿日:2015年7月2日  カテゴリー:★ 院長ブログ・医療情報 ★, アトピー性皮膚炎, 小児皮膚科

皮膚にも細菌叢(フローラ)がある ~アトピー性皮膚炎との関連性~

腸内細菌叢(腸内フローラ)は、私たちの
健康維持に非常に重要であり、
腸のバリア機能の破綻により、アレルギー、
自己免疫疾患、精神疾患、慢性疲労など
様々な病気の原因となることについて
ご説明してまいりました。>>>

皮膚も腸と同じように、外界からの病原菌や異物からの
侵入を防ぐためのバリア機能があります。
何らかの原因で皮膚のバリア機能が壊れると
アトピー性皮膚炎の症状を呈します。
従来は、遺伝性の素因が主な原因となり、
脆弱な皮膚がさまざまな刺激を受けやすく、
また過剰に反応しやすく炎症が起きやすくて
皮膚炎になると考えられていました。

最近では、このような遺伝的背景のある古典的な
アトピー性皮膚炎の方よりも、
家系にはアトピー性皮膚炎の方がいない場合が大半を占めます。
必ずしも遺伝的なアトピー素因がなくても、
様々な原因で、アトピー性皮膚炎様の症状を呈している
場合がかなり含まれていると私は考えています。
とくに成人においては、背景が多彩と感じます。

他でアトピーと診断されていても、
あかすりタオルやブラシなど硬いもので洗っていて、
外的な物理的な刺激で、皮膚のバリア機能を低下
させているだけである人も多くみつけます。

また、社会人になったり、ひとり暮らしになったり
したきっかけに発症している場合も多く、
食生活の偏りが原因で、蛋白質、脂溶性ビタミン、
鉄、コレステロールなどの摂取の低下により、
日々の皮膚の再生に必要な栄養素が不足して
脆弱な皮膚となり、
アトピー性皮膚炎様症状を生じている場合も多くみられます。

そしてストレス性
ストレスそのものによる免疫機能の異常、
もしくはストレスから腸機能が低下し、消化吸収機能の
低下による必要栄養素の不足。

食生活習慣の悪化による腸内フローラの異常による
アレルギー症状によるもの。
食物アレルギーの関与する状態。

など非常に多彩です。
これらをまとめてすべてアトピー性皮膚炎と
呼んでよいものかを検討する必要があると考えています。

そして最近のさらにトレンドは、
皮膚のフローラ(細菌叢)による影響です。
慶應義塾大学医学部皮膚科学教室と
米国national Institutes of healthの研究グループが
今年4月に発表した
「アトピー性皮膚炎は皮膚の異常細菌巣が引き起こす」
では、アトピー性皮膚炎患者の皮膚では、
異常細菌巣の状態がある(dysbiosis)
すなわち皮膚の常在菌の細菌の種類が著しく減り、
その過半数が黄色ブドウ球菌を占めるという異常な状態に
ある場合が多いこと。
そしてその異常になった細菌巣を改善させると
アトピー性皮膚炎の症状が改善することをマウスで
証明し、皮膚の細菌巣(フローラ)を整えることが、
今後のアトピー性皮膚炎の新しい治療戦略になることが
期待できると報告されました。

そしてさらには、千葉大学からは、
その増えた黄色ブドウ球菌の出すδ-toxinという毒素が、
IgE(アレルギーの指標に使用している抗体の一つ)の
存在下では、過剰に反応(マスト細胞の過剰な
脱顆粒反応)しており、
このことが皮膚炎の発症に関与している可能性が報告されました*1。
よってバリア機能の低下したアトピー性皮膚炎の皮膚で
dysbiosisを引き起こし、
無秩序に黄色ブドウ球菌が増殖することで、
くわえてIgEが高い体質があると、過剰にδ-toxin
反応し、皮疹の原因になると推察しています。

とはいえ抗生剤の安易な服用は、
腸内細菌への悪影響があるため、
アトピー性皮膚炎の治療方法としては推奨しない
と慶応大学からは注意を促しています。

そして厄介なことに、
アトピー性皮膚炎では、
黄色ブドウ球菌はバイオフィルムを形成している

という報告もあり、容易には退治できないようです*2。

バイオフィルムとは種々の菌が集まり、
さまざまなバリア物質で菌を囲み、
免疫や抗生剤などが効かないように防御している状態。
近年はこのバイオフィルムのために、除菌できない
問題があります。現在バイオフィルムを破壊する
薬剤や対策がすすめられているところです。

 

千葉大学の松岡悠美先生は、
「今後は皮膚の本来の正常な細菌叢を傷つけずに
病原細菌のみを減らす治療の開発が可能であろう」
しめくくっています。

 

このようにまだまだ不明な点の多い
アトピー性皮膚炎です。
少しずつ分かってきている情報を整理して、
皆様と知識を共有して、
治療に励みたいと思っております。

 

*1.松岡悠美 千葉大学大学院医学研究院皮膚科助教
アトピー性皮膚炎における黄色ブドウ球菌の病原性:
皮膚アレルギーフロンティア vol.13.no1 2015 48-49

*2.Herbert B Allen et al:The presence and impact of
biofilm-producing staphylococci  in atopic dermatitis.:
JAMA dermatology.2014 150(3) 260-5

 

投稿日:2015年7月1日  カテゴリー:★ 院長ブログ・医療情報 ★, アトピー性皮膚炎