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カテゴリ:アトピー性皮膚炎

 

アトピー性皮膚炎のかゆみ治療に朗報♡

アトピー性皮膚炎のかゆみの原因として
重要な作用をしているIL-31を抑制するお薬の
情報が入ってまいりました。
もう一度復習してみましょう。

 

以前よりアトピー性皮膚炎のかゆみは
非常に多彩な要因があり、既存の内服薬では
充分な効果を出しにくいことについて書いてまいりました。

★「アトピー性皮膚炎においてかゆみ止めの飲み薬が奏功しにくい理由」
その1>>>
その2>>>
その3>>>
その4>>>

そのなかで、現在多くのかゆみ止めの飲み薬は
ヒスタミンというかゆみを引き起こす成分のみを
抑えるものが多く、現在かゆみの原因として
わかっている他のケミカルメディーエーターを
抑えられるものは少ないとお話いたしました。>>>
近年そのアトピー性皮膚炎のかゆみに関係している
ケミカルメディエーターの一つとして
「インターロイキン31(IL-31)」
という物質が注目されています。
*1 Dillon SR et al:Interleukin 31,a cytokine produced
by activated T cells,induces dermatitis in mice.
Nat Immunol.5:752-760,2004
*2 Raap U et al:Correlation of IL-31 serum levels with
severity of atopic demtitis . J Allergy Clin Immunol,122:421-423.2008

そして免疫抑制剤がこのIL-31を抑制できることが
わかっていますが、副作用の問題から汎用はできないのが現状でした。
*3 Otsuka A et al:Effects of cyclosporine on pruritus and
serum IL-31 levels in patients with atopic dermatitis.
Eur J Dermatol.21:816-817,2011

先日、九州大学生体防御医科学研究所の福井宣規教授らの
研究グループは、近年アトピー性皮膚炎におけるかゆみの
惹起物質である「IL-31」の産生に、EPAS1という
タンパクが重要な役割をしていることについて発表しました。
このEPAS1を抑えることでIL-31の産生を抑制し、
アトピー性皮膚炎のかゆみを抑えることができるため
今後新たなかゆみの治療薬の開発が期待されていた
ところでしたが

このEPAS1を抑えるお薬とはまた別の
IL-31を抑えるお薬の第Ⅱ相試験において
有効性と安全性が確認されたとの朗報が
入ってまいりました。
*N Eng J Med 2017;376:826-835

かゆみに関係しているケミカルメディエーターの
需要な一つであるIL-31が結合して作用する受容体に
変わりにくっついて、IL-31の作用を抑制するものです。
nemolizumab
抗インターロイキン(IL)-31受容体ヒト化モノクローナル抗体」と呼びます。

日本、米国、欧州において
成人の中等度から重症で
塗り薬だけでは十分にコントロールできない
アトピー性皮膚炎の患者さん264例を対象として試験が行われました。

4週間に1回皮下注射し、12週間経過をみています。
かゆみの改善効果は早く、投与後1週間から著明に
かゆみが減少しています。
そしてその試験後に、長期安全性・有効性をみる
試験においては、1年以上nemolizumabを継続投与
した結果、かゆみの改善の維持と、皮膚症状の持続的な
改善傾向が認められ、安全性上の重大な問題もありませんでした

まだまだこのお薬が使用できるようになるには
時間がかかりますが、
改善しにくいアトピー性皮膚炎のかゆみ治療が
前進しています♡
早く楽になりますように♡

 

投稿日:2017年4月11日  カテゴリー:★ 院長ブログ・医療情報 ★, アトピー性皮膚炎

「スギ花粉の皮膚炎」の新知見 -アレルギー反応による皮膚炎だけではなく、バリア機能も低下させますー

前回の勉強会の続きになります。

ナビジョンを製造販売する資生堂は、
スギ花粉症の主抗原(主な原因物質)である
「Cry j1クリジェイワン」が、目や鼻のアレルギー症状を
引き起こすだけでなく、皮膚のバリア機能を低下させる
ことを発見しました。

花粉が皮膚に付着した際に
皮膚でアレルギー反応を起こし、皮膚に炎症を
与えることは以前より知られていますが
皮膚のバリア機能そのものも低下させることも
わかりました。
*Kumamoto J et al:Archives of Dermatological Research 308:49-54
*Denda M et al:journal of Investigative Dermatology 109:84-90


スギ花粉症の主要抗原Cry J1
が皮膚に付着し、
皮膚内に侵入すると
PAR-2(プロテアーゼ活性化受容体2)が活性化され
炎症やかゆみが起こります。
PAR-2はアトピー性皮膚炎のかゆみのシステムにも
かかわっているひとつで、
皮膚表面のケラチノサイトでIL-6やIL-8などの
炎症を引き起こすサイトカインを放出させます。
*柳瀬雄輝他:PAR-2,アレルギー63(1)206-207.2014

そればかりでなくPAR-2が活性化されますと、
皮膚表面の細胞と細胞の間を満たし、
外来物質の侵入から守っている細胞間脂質の分泌が
抑制され、肌のバリア機能が低下することが
資生堂の研究でわかり、報告されました。

花粉症の時期には、
花粉の暴露からの回避のみでなく
十分な保湿ケアによるバリア機能の維持に
心がけることが大切ですね。

投稿日:2017年3月14日  カテゴリー:★ 院長ブログ・医療情報 ★, 健康情報・アンチエイジング, アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎のかゆみ物質の産生に重要なたんぱく質を発見ー新しいかゆみ治療薬の開発に期待ー


以前にアトピー性皮膚炎のかゆみは
非常に多彩な要因があり、既存の内服薬では
充分な効果を出しにくいことについて書きました。

★「アトピー性皮膚炎においてかゆみ止めの飲み薬が奏功しにくい理由」
その1>>>
その2>>>
その3>>>
その4>>>

 

そのなかで、現在多くのかゆみ止めの飲み薬は
ヒスタミンというかゆみを引き起こす成分のみを
抑えるものが多く、現在かゆみの原因として
わかっている他のケミカルメディーエーターを
抑えられるものは少ないとお話いたしました。>>>
近年そのアトピー性皮膚炎のかゆみに関係している
ケミカルメディエーターの一つとして
「インターロイキン31(IL-31)」
という物質が注目されています。
*1 Dillon SR et al:Interleukin 31,a cytokine produced
by activated T cells,induces dermatitis in mice.
Nat Immunol.5:752-760,2004
*2 Raap U et al:Correlation of IL-31 serum levels with
severity of atopic demtitis . J Allergy Clin Immunol,122:421-423.2008

 

そして免疫抑制剤がこのIL-31を抑制できることが
わかっていますが、副作用の問題から汎用はできないのが現状です。
*3 Otsuka A et al:Effects of cyclosporine on pruritus and
serum IL-31 levels in patients with atopic dermatitis.
Eur J Dermatol.21:816-817,2011

 

先日、九州大学生体防御医科学研究所の福井宣規教授らの
研究グループは、近年アトピー性皮膚炎におけるかゆみの
惹起物質である「IL-31」の産生に、EPAS1という
タンパクが重要な役割をしていることについて発表しました。
このEPAS1を抑えることでIL-31の産生を抑制し、
アトピー性皮膚炎のかゆみを抑えることができるため
今後新たなかゆみの治療薬の開発が期待されます。
ただし、前述したように、アトピー性皮膚炎のかゆみの
要因は多彩ですIL-31を抑えることは、かゆみのごくごく
一部の原因ですので、まだまだ開発の余地は大きいです。

ただ現実的にもう少し早くに期待できるものとして
数ヶ月後には乾癬の治療薬として
炎症性サイトカインを抑制する「PDE4阻害剤」の内服薬が発売になります。
免疫抑制剤よりも副作用がかなり少ないこと。そして
乾癬の症状およびかゆみを抑えることで期待されて
いますが、乾癬のみならず、アトピー性皮膚炎等のかゆみ
も抑えられる可能性がありますので今後期待できそうです。

アトピー性皮膚炎の方が、今よりもっと
かゆみに悩まされず、快適に過ごすことが出来るお薬が
早く開発されるとよいですね。

 

投稿日:2017年1月16日  カテゴリー:★ 院長ブログ・医療情報 ★, アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎など目の周りの湿疹の治療にステロイドの塗布は「緑内障」に注意!

以前にアトピー性皮膚炎の方は網膜剥離に注意が必要で
あることについて書きました>>>

きちんと目の周りの湿疹を治して
強くこすらないようにすることが重要です。

目の周りの湿疹は網膜剥離以外にも、
白内障、眼瞼下垂(まぶたのたるみの進行)
そして緑内障にも気を付けなければなりません。
アトピー性皮膚炎にかぎらず、
花粉症やアレルギー性の眼瞼炎(まぶたの湿疹)も同様です。

目の周りの湿疹の治療に、ステロイドの塗布を必要と
する場合には、眼圧のチェックなど緑内障に対しての
定期的な眼科検診が必要であるとする報告がありますので
ご紹介いたします。
★ ステロイド外用薬を使わないほうがいいという
説明ではございませんので、最後までご一読ください。

☆ 緑内障とは
少しずつ視野が狭くなる病気で、眼圧が高くなることで
生じます。

 

「ステロイド緑内障を併発した重症アトピー性皮膚炎の1例」
木村徹子 ほか 川崎医科大学皮膚科学教室
西日本皮膚科学会誌 78巻3号・2016

この報告の症例では、
コントロール不良な重症のアトピー性皮膚炎の患者さん
において、ステロイドの使用が原因による
ステロイド緑内障をきたしたというものです。

幼少時よりアトピー性皮膚炎がある方で、
これまでに悪化時にはステロイドの服用を20回ほど
受けていた事があります(プレドニゾロン換算で20mg/day程度を5~7日間)。
顔の湿疹に対してはstrongクラスやmediumクラスのもの
を直近の6か月で合計60g処方されていました。
→→→顔に使用するとしてはかなり強めのステロイドを大量に使用しています。

霧視の症状を自覚し、眼科で眼圧の上昇があり
ステロイド緑内障と診断されました。
その後(ステロイドの外用治療を減らすため)
ステロイドの服用に変更し、
さらに免疫抑制剤の服用へ変更し、
アトピー性皮膚炎のコントロールも良好になっています。

 

考察では、
ステロイドの外用治療と緑内障との関係について述べられています。

ステロイドの点眼におきましては、
その力価(強さ)、濃度、点眼回数に
緑内障の発症率が依存するとされていますが、
ステロイド外用剤(軟膏)では、強さと使用量と
緑内障の発症との関係は不明とされているとのことです*1。

一般的にはステロイドが目の周りで塗布・吸収されたり、
ステロイドのついた手で目をこすってしまうことで
結膜内に入り、眼圧が上昇するといわれてきました。

ただ、オランダの調査では、strong、very strongクラスの
ステロイドの塗薬を目の周りに
平均3.9日/週、6.4か月/年、4.8年間にわたり使用した37名
に、緑内障は発症しておらず、
眼圧の上昇とステロイド外用薬との関連性はないとの
報告もあります*2。
日本の報告では、1981年から1990年の9年間に
ステロイドをまぶたに塗布した場合の緑内障の発症は
5.6%と報告されています*3。

まぶた以外の顔へのステロイドの塗布により
経皮吸収されたことによる眼圧への影響は無視できる*3
とか、mediumクラス5g/月程度の使用では眼圧上昇の
原因にはなりにくい*4という報告が多いですが、
筆者らは、ステロイド外用剤により眼圧が上昇したと
考えざるを得ない症例も23例あるとも述べていますので
やはり気を付けている必要はあるといえます。

 

この中で、ステロイドの投与の投与方法は問わず、
ステロイドの使用により眼圧が上がりやすい
「ステロイドレスポンダー」と呼ばれる人たちが
30~40%いるとのこと。
また若年者では眼圧が高くなる影響を受けやすいことは
確かなようです*5*6*8。

そしてまぶたに塗布した外用剤が涙液に移行しうること。
アトピー性皮膚炎の患者では結膜のバリア機能が優位に
低下しており、ステロイドの眼内への移行が高くなる危険
があるという報告もあります。
ただ常識的な使用においては緑内障の心配はないと述べられています*7。

 

まとめますと、
まぶたへのステロイドの使用は、
アトピー性皮膚炎のある人、
若年者においては眼圧に影響する可能性があるので
使用している場合には、定期的に緑内障のチェックが必要。
そうでない人でも眼圧が上がりやすい体質の場合もある
ので、ステロイド剤をまぶたによく使用する人も眼科での
定期健診を受けたほうがよろしいです。

 

 

*1 酒井 勉ほか :ステロイド白内障・緑内.
Modern Physcian ,2009;29:703-704

*2 Haeck IM ey al :Topical corticosteroids in atopic
dermatitis and the risk of glaucoma and cataracts,
J Am Acad Dermatol,2011;64:275-281.

*3 勝島晴美ほか:副腎皮質ステロイド剤の皮膚外用
におけるステロイド緑内障の発生頻度.日眼会誌,1995;99:235

*4 有川順子ほか:アトピー性皮膚炎患者の眼圧と顔面への
ステロイド外用療法との関連性についての検討.
日眼会誌,2002;112:1107-1110

*5 羅 錦營他:「小児科医が知っておきたい眼科疾患」
ステロイドの眼合併症,小児科診療,2004;67:1269-1669.

*6 Ohji M et al:Marked intraocular pressure response
to instillation of corticosteroids in children.Am J
Ophthalmol,1991;112:450-454.

*7 横井則彦ほか:皮膚科治療の最前線 顔の皮疹に対する
ステロイド外用薬をどう考えるか(その6)眼科的立場
から.皮膚臨床,1995;37:1045-1050.

*8 大路正人ほか:小児におけるステロイド・レスポンダー
の頻度.臨床眼科,1992;46:749-752.

投稿日:2016年12月21日  カテゴリー:★ 院長ブログ・医療情報 ★, アトピー性皮膚炎

○○テックなど保温肌着による皮膚トラブルが増えています!

11月29日の日経メディカルの記事より。

○○テックなどの商品で販売されている
保温肌着による皮膚トラブルの原因になっているケースを
よく見かけるようになりました。
そのことについての記事をご紹介します。

保温肌着は、皮膚表面から放出された湿気を繊維が
吸収し、水蒸気が水に変わるときに発生する凝縮熱
によって皮膚表面を温める下着のことです。
この吸湿性が肌の乾燥につながるようです。

保温肌着は、アクリレート系繊維やアクリル、
ポリエステル、レーヨン、ポリウレタンといった
化学繊維と綿、絹などの天然繊維を組み合わせて作られているそうです。
たとえばアクリレート系繊維は天然繊維の綿のみの3.5倍
吸湿性が高いとのことです

また、乾燥症状のみにとどまらず
逆に汗をかきやすい部位では、保温肌着の保温効果で
発汗や皮脂の分泌が亢進し、
マラセチア毛包炎(カビによるニキビに似たぶつぶつ)
引き起こすと言います。

松田ひふ科の松田哲男先生によりますと、
保温肌着の登場とともに、
夏に多いマラセチア毛包炎が冬季にも増えている。
気温の下がる12月から翌2月までの間のその患者数は
2005/2006では12人だったのが
2015/2016では41人に増えていた。
とのことです。
患者さんに聞き取り調査をしたところ
全員、寝ている間も保温肌着を着ており
保温肌着との関連が考えられたとのことです
寝具と肌着の相乗効果で皮膚温が上がりすぎて、
気づかないうちに、汗をかきやすくなる。
汗とともに皮脂の分泌も多くなり、
マラセチア菌の繁殖に好んだ環境が就寝中持続してしまいます。

 

これから寒くなりますが、
保温肌着をずっと着用していると
肌トラブルの原因となることもありますので、
できるだけ綿素材のものにして過ごしましょう。

投稿日:2016年12月15日  カテゴリー:★ 院長ブログ・医療情報 ★, ニキビ, アトピー性皮膚炎, その他

第46回日本皮膚アレルギー・接触皮膚炎学会総会学術大会のご報告<その2>汗アレルギー

近年「汗アレルギー」という概念がでてまいりました。
これは汗が皮膚の刺激になって、
かゆくなるとか、湿疹ができるというものではなく、
汗のある成分にアレルギー反応を起こして
即時型の反応を生じ、じんましんがでます。

この汗アレルギーは
発汗に関係してでるじんましんであるコリン性じんましん
以外にもアトピー性皮膚炎でも合併しやすいといわれています。

 

* コリン性じんましんとは
運動したり、入浴など
体が温まったときに発汗に関係して出るじんましんで、
汗の腺に一致して細かくぶつぶつがでるタイプ
それとは関係なくじんましんが出るタイプとがあります。

このじんましんの原因はいくつか考えられていて、
一つには、汗の腺が詰まって、汗が出なくなっており
汗の成分が皮膚の深くで漏れて刺激になって出るという説と
汗のある成分に対してアレルギーすなわち
汗アレルギーがあってじんましんがでる説などが考えられています。

まだよくわかっていないじんましんでしたが、
後者の汗アレルギーに関しては、
ある程度反応している物質については判明しており、
現在すでに「好塩基球ヒスタミン遊離試験
(HRT(histamine release test)キット」にて
汗アレルギーの有無を保険診療で検査が可能です。

ただ、この物質(抗原)が、本質的には何であるのかは
わかっていませんでした。

 

今回の講演では、
「アトピー性皮膚炎と汗」平郡 隆明先生(広島大学)より

広島大学において、この抗原を同定したとの報告がありました。

これまでわかっていたアトピー性皮膚炎やコリンじんましんにおける
汗アレルギーの「汗抗原」を解析したところ
Malassezia globosaが産生する「MGL-1304」であることが
同定されました。
すなわち汗アレルギーでは、
汗の中に含まれる、皮膚に常在するカビの一種の
マラセチアから出るたんぱく質にアレルギー反応を
示していることが判明したということです。

 

他の文献によりますと*1
このマラセチアという皮膚に常在するカビはこれまでに
14菌種同定されていて、
そのうち9種類がヒトの皮膚で検出されています。
さらにこのうちアトピー性皮膚炎において多く検出される
菌種があり、アトピーの症状とのかかわりが示唆されています。
ところがこれらの菌種と汗抗原のMGL-1304とは一致しないそうです。
しかも犬の皮膚にいる種類のマラセチアに近いことより
今後はペット犬との関連についてさらなる解明が必要なようです。

*1 秀 道広ら:アトピー性皮膚炎にける汗アレルギー,
アレルギー65(3)179-185(2016)

 

* では、その汗抗原MGL-1304を減らすための
スキンケアはどうすればよいのか

シャワー浴にて汗抗原を減らす試みが有効であることの
報告があります。*2

単純な抗真菌治療が適切であるかどうかは、
まだ検証中のようです。

今回の講演では「タンニン酸」という
天然物質が汗抗原「MGL-1304」に対する反応を抑える
効果が認められており、
汗アレルギーに対する効果のみでなく、
アトピー性皮膚炎の皮膚症状やかゆみの改善に有効であることも
確認されているそうです。
このタンニン酸には、抗炎症作用も発揮している可能性
についての報告もあります*3。
現在は、このタンニン酸配合の入浴剤やスプレーでの塗布
による効果を検証中とのことです。

 

難治性であるコリン性じんましんや
アトピー性皮膚炎の一部の症状の改善に
あたらしい治療薬がうまれそうですね♪

 

*2 平郡 隆明 :真菌とアレルギー,皮膚アレルギーフロンティア
vol14,no.1 2016

*3 Karuppagounder V et al:Cytokine 76:206-213.2015

 

 

 

投稿日:2016年11月15日  カテゴリー:★ 院長ブログ・医療情報 ★, アトピー性皮膚炎

人の体って 本当によくできています。第46回日本皮膚アレルギー・接触皮膚炎学会総会学術大会のご報告<その1>かぶれ

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今日からは、先日いきました
日本皮膚アレルギー・接触皮膚炎学会のご報告です。

まずは「かぶれ」の話。

湿布にかぶれた。
植物にかぶれた。
化粧品にかぶれた。
など

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かぶれると
水疱(水ぶくれ)やぶつぶつができますね。

これには大切な働きがあるそうです。

「接触皮膚炎の免疫学」 相場 節也先生(東北大学)
よりご講演がありました。

わかりやすくかみ砕いて説明しますと

まずかぶれの原因物質皮膚に侵入すると
皮膚の中にいる抗原提示細胞(主にランゲルハンス細胞)
に取り込まれます。
そしてその侵入者がどんなやつなのか
その物質についての特徴を表現(抗原提示)して
皮膚でパトロールしている感作T細胞にお知らせします

「こんなやつ 侵入してます( `ー´)ノ」

それを聞いたT細胞は怒って(活性化)
炎症性サイトカインで攻撃します。
その影響で表皮と真皮上層に浮腫が生じ、
たくさんの仲間たち(炎症性細胞浸潤)で侵入者と戦います。
この状態がかぶれたときの
水疱(水ぶくれ)や漿液性丘疹(ぶつぶつ)に当たります。
そしてこの水疱の中にはヒアルロン酸が含まれています
ヒアルロン酸により水分をためこみ
皮膚に侵入してきた有害物質を希釈しようとしている
そうです。
(自己免疫疾患の水疱症の水疱には含まれていないそうです。
水疱を作る理由が異なるのですね)

そしてそれごと皮膚外へ排泄。

あのぶつぶつにもちゃんと意味があるのですね。

 

よくできていますね。
だれにこんな戦略教わったのでしょう。

人間の機能は実によくできていて無駄なことはないと・・・
本当に日々思います。

 

 

 

 

投稿日:2016年11月11日  カテゴリー:★ 院長ブログ・医療情報 ★, アトピー性皮膚炎, その他

かゆみ止めの飲み薬。じんましんには奏功するけど、どれもアトピー性皮膚炎のかゆみに効きにくい理由<その4>

このシリーズ最後は
中枢性のかゆみです。

 
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アトピー性皮膚炎では、
この中枢性のかゆみにおいて、
かゆみを誘導するβ-エンドルフィンやμ-レセプターの発現は正常で、
かゆみの抑制系のダイノルフィンやκ-レセプターの発現が低下していることにより
かゆみが誘導されているといわれています。

同様のことが、血液透析患者で起こっています。
このκ-レセプターの活性化をすることで
かゆみを抑制するのがナルフラフィン(レミッチ®)
という内服薬が現在では透析患者さんのかゆみ止めとして
使用されており、とても有用です。

同じような状態が生じているアトピー性皮膚炎の
中枢性のかゆみに対しても有効であると考えられて
いますが、アトピー性皮膚炎に対する有効性についえは現在検証中です。

この中枢性のかゆみは、これまであるかゆみ止めでは
効きません。
レミッチがアトピー性皮膚炎に使用できるように
なりますと、今よりもかゆみを抑えることができそうですね。

 

 

投稿日:2016年11月9日  カテゴリー:★ 院長ブログ・医療情報 ★, アトピー性皮膚炎

かゆみ止めの飲み薬。じんましんには奏功するけど、どれもアトピー性皮膚炎のかゆみに効きにくい理由<その3>

既存のかゆみ止めの飲み薬では、
アトピー性皮膚炎の人のかゆみが十分に取れない
理由についてその1、その2と書いてきました。

<その1>では、現在ある抗アレルギー薬の多くは
ヒスタミンを抑えるものがメインであるため、
アトピー性皮膚炎において
それ以外のかゆみの原因となるケミカルメディエーターを
抑える作用が少ない。>>>

<その2>では、皮膚の乾燥により惹起される
皮膚表皮内への神経線維の侵入により
知覚が過敏になり、かゆみを誘発しやすくなっていて、
これはスキンケアでないと改善しにくいことについて。
>>>

そして今回のその3です。
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皮膚炎を生じると
皮膚からのシグナルが 感覚神経線維を介して 脊椎の細胞(アストロサイト)に伝達されます。

活性化されたアストロサイトは
かゆみの誘発物質であるガストリン放出ペプチドを亢進させることでかゆみを増強させ、
それによりさらなるひっかき行動につながるという サイクルが生じます。
これは脳を介さず、皮膚→脊髄→皮膚で起こります。

慢性的なかゆみにおいては、
長期にわたりアストロサイトが活性化されていて、
慢性的なかゆみの原因になっているといわれています。

このかゆみを慢性的にしないためには
皮膚に炎症を起こさないようして、
皮膚で炎症が起きているというサインを
脊髄に伝わらないようにする必要がありますので、
外用療法で皮膚の状態をよくして
かき傷を作らないようにしてしておくことが必要です。
かゆみ止めの飲み薬のみでは制御しにくいかゆみです。

投稿日:2016年11月2日  カテゴリー:★ 院長ブログ・医療情報 ★, アトピー性皮膚炎

かゆみ止めの飲み薬。じんましんには奏功するけど、どれもアトピー性皮膚炎のかゆみに効きにくい理由<その2>

今ある多くのかゆみ止めは、
アトピー性皮膚炎の方の起痒物質となっているものの
中でもヒスタミンしか抑えることができず、
そのほかの多くのケミカルメディエーターは
おさえられないため、
かゆみ止めの飲み薬が奏功しにくいという
お話しを前回のブログでしました。>>>

続いては
アトピー性皮膚炎のかゆみの原因となる
知覚神経の問題によるかゆみについてです。
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健常者の皮膚では、
知覚神経のC線維は、
主に表皮ー真皮境界部や真皮内に分布していますが、
アトピー性皮膚炎患者では、
C線維が表皮内へ侵入し、角質層直下まで伸長する線維まであることが分かっています。
皮膚表面のすぐ下まで神経線維が来ているので、
衣類の摩擦や様々な皮膚表面の刺激を感じやすくなります。

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皮膚の細胞から分泌されるさまざまな成分により
神経伸長因子が増加し、
逆に神経反発因子が減少し、
本来存在しない皮膚表面に近い表皮内にまで神経が伸びて
刺激に敏感になってしまうようです。

アトピー性皮膚炎の治療の紫外線療法においては、
この神経反発因子が増強することでかゆみがおさまる
理由の一つといわれています。

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またこの知覚神経の表皮内への侵入は、乾燥肌で惹起されることが分かっています。

したがって、かゆみを抑えるには、飲み薬だけではなく、ドライスキンにさせないためのスキンケアが必須と言えます!!

以前にご紹介したヒルドイドクリーム
(ソフト軟膏ではありません)の使用で、
多くの方が肌質の改善を実感しています。
ぜひ角質水分量をあげて保湿効果の高い
ヒルドイドクリームをお試しください(^^)/
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投稿日:2016年11月1日  カテゴリー:★ 院長ブログ・医療情報 ★, アトピー性皮膚炎