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カテゴリ:アトピー性皮膚炎

 

その1「アトピー性皮膚炎とビタミンC」 先週末は「オーソモレキュラー医学の最新動向2018秋!」に参加しました 

 

ビタミンCによる疾病予防と治療の最新の動向について
国際オーソモレキュラー医学会会長の柳澤厚生先生の
講演を聴いて参りました。
日本は先進国の中ではだいぶ遅れてはいるものの、
ようやく日本の大学病院でもビタミンcに対する効能について
様々な臨床治験がはじまりまっています。

さて
最近の注目の臨床研究の報告は、
イースタン・バージニア大学の発表による
死亡率の非常に高い重症敗血症(血液にばい菌が蔓延し、全身の臓器障害が生じている致命的な状態)の治療にビタミンCを追加併用することで死亡率が激減したというものです。
重傷敗血症において、従来の治療では40.4%であった死亡率が、
ビタミンCを併用した患者の死亡率は8.5%したという報告です。
この発表を機に、米国では敗血症に対するビタミンCの効果について
多くの臨床試験が開始されたそうです。
日本ではまだ全くされていないとか・・・

 

皮膚においてもいくつか重要な報告をききました。
ビタミンCをたくさん摂取したり、高濃度ビタミンC点滴をすると
お肌がしっとりつるつるになる理由の一つが
セラミドの合成の増加によるものです。
セラミドはお肌を外部刺激から守るバリア機能に重要な成分です。
加齢とともに減少し、またお肌のお手入れ方法を間違えると
減ってしまい、乾燥や肌荒れの原因となります。
アトピー性皮膚炎の方では、このセラミドが減少していると
いわれており、保湿剤として補充しますと、保湿機能が高まり
症状が改善することもあります。
このセラミドが、ビタミンCを摂取することで
増加し、そのほかにも様々なビタミンCの効能により
アトピー性皮膚炎の症状を改善することを助けてくれているようです。

*Kun pyo kim et al.Vitamin C Stimulates Epidermal Ceramide
Production by Regulating Its Metabolic Enzymes.
Biomolecules & Therapeutics 2015;23(6):525-530
ビタミンCはセライド合成代謝経路を刺激して、
皮膚セラミドの産生を促進するという報告。

*shin J et al.Associations among plasma vitamin C,
epidermal ceramide and clinical severity of atopic deratitis.Nutr Res pract.2016;10(4):398-403
アトピー性皮膚炎の重症度とビタミンC、セラミドとの関係をみたものです。
17名の重症のアトピー性皮膚炎の患者のビタミンC濃度と
皮膚生検にて皮膚セラミドとの相関をみています。
重症度の高いアトピー性皮膚炎の患者では血中のビタミンCが減少していること。
また皮膚セラミドが減少していること。
そしてこれらが相関していることについて報告されています。

 

私のクリニックでは、保険診療のおよそ1/4はアトピー性皮膚炎の方です。
小児のアトピー性皮膚炎から成人にいたるまで、
これまで大学病院をはじめとした様々な施設で治療をうけ、
よくならなかったケースや、免疫抑制剤の継続に症状および副作用
の問題で限界があり、離脱したいケース等々
その多くは従来の治療でうまくいっていないケースや、
薬のみの治療に疑問のある方々です。
このような方の治療の一つとして、オーソモレキュラー療法(サプリメントを活用した栄養療法)や食生活指導を行っています。
主には抗酸化治療、腸内環境の改善を目的として、
最も処方することが多いのはビタミンC、プロバイオティクスです。
その中で、高濃度ビタミンC点滴を定期的に受けるのは、費用や時間がとれず
難しい場合にはサプリメントの服用を行います。
高品質なサプリメントは高価ですので、それも取り入れることが難しいケース
ではビタミンC,ミヤBM(酪酸:腸内細菌叢の異常を改善させる)、ビオチン
などを工夫して処方しています。
長期の服用で劇的に改善する人、しない人(多くは様々な理由で服用が続かない・・・)がありますが、少なからずよい結果を伴うことが多いです。

最近ではこのようなエビデンスが多く出てきて、本当にうれしいです。
私が思う治療に熱心でない医者で耳にする言葉は
「それは学会でみとめられていないから・・・。」
「それは保険適用でないから・・・。」
です。
これをいう医者で、一見著名であったとしても
良医をみたこいとが私はありません・・・。

私は、リスクが少なく、エビデンスのあるもの、治療実績の高い
治療や検査は積極的に取り入れます。(ただし保険適用外です)
(たとえば・・・
ビタミンCくらい・・・ちゃんと取ってもらうように
指導したらいいんじゃん?(^^;)
というような感じです・・・(゜_゜))

それはそうしていかないと
学会を待っていては
かつての日本でのニキビ治療のように
他国よりも医療レベルが20年以上遅れるような事態になり得るからです。

ですので、決して押しつけではなく
こんな報告出ていますよと、いつも最新の情報を患者様に
ご提供ができるようにと情報収集に励んでいます。

で、私の希少な休日は終わりました・・・(^^;)

「その2」もお楽しみに♡

 

 

 

 

投稿日:2018年11月14日  カテゴリー:健康情報・アンチエイジング, 美容・アンチエイジング, アトピー性皮膚炎

携帯端末による金属アレルギーにご注意ください!

先日、金属アレルギーについて書きました>>>

携帯端末による金属アレルギーの感作、
そして金属アレルギーをすでに持っている人は悪化要因になることについての報告があります。

米・Rady Children`s HospitalのSharon e,Jacob氏らは、
全身型金属アレルギーと診断された男児が、
iPadに含まれるニッケルに関連していたことが報告されています。
同氏らは、ニッケルアレルギーに関連した症状が疑われる場合、
携帯端末等の電子機器の使用歴も考慮するよう
注意を呼び掛けています。

これ。。。非常に盲点でした・・・。
皮製品については金属でなめすため、私もよく患者さまに
注意をお話することはありましたが、時計やアクセサリーだけではなく
携帯端末も注意が必要でした!!
確かにかなり長時間握っています。

Jacob氏らによりますと、小児の全身型金属アレルギーの
有病率は増えており、中でもニッケルは最も多く報告されています。
ニッケルアレルギーが多い理由としては、
ニッケルが酸に弱く、汗などでも溶出しやすいこと、
携帯電話や腕時計、アクセサリー、硬貨などに広く使用されているためと考えられています。

難治性の場合には、金属アレルギー検査を行い、
ニッケルが陽性になった場合には、それらを含む食事を避けること以外にも
ニッケル含有製品との接触を避けることの一つとして
携帯端末の背面を保護カバーで覆うこと。そして
液晶が目にもニッケルが含まれていることがあるため
液晶画面のカバーフィルムなどを付けて使用することが
アドバイスされています。

子どもに限らず、もちろん大人も、
金属アレルギーのある人そして
金属アレルギーの保有率の高いアトピー性皮膚炎の方は
携帯端末の接触に気を付けた方がよろしいですね。

投稿日:2018年7月31日  カテゴリー:★ 院長ブログ・医療情報 ★, 健康情報・アンチエイジング, アトピー性皮膚炎, 小児皮膚科

昨日は聖路加国際病院主催の勉強会に参加しました~金属アレルギーの最近の動向。アトピー性皮膚炎と金属アレルギー、汗疱性湿疹と金属アレルギーなど~

昨日は診療を少し早めに切り上げさせていただき、
前職場の聖路加国際病院皮膚科主催の勉強会
第26回Deratology Clinical Meetingに出席いたしました。

今回は皮膚科疾患と関連の多い金属アレルギーの
最近の動向について
神戸大学皮膚科臨床教授の足立厚子先生にお話しいただきました。

このお話、本当に聞きたく聞きたくて
ど真ん中の一番いい席を一番乗りしてget
そして質問たくさんさせていただきました💛

この私のブログはDrにもたくさんみていただいているそうで、
最近では学会に行きますと、知らない先生から
私のブログをみていますとご挨拶いただくことが
とても多くなりました。
よって今回も難しいお話ですが、先生方への情報提供も考慮して
書かせていただきます。

 

金属アレルギーの獲得と歯科金属との関連は以前から
いわれており、原因除去のために歯冠や矯正装置を除去していただくことがあります。
金属アレルギーとの関与は、アマルガムの使われなくなった現在では
実際には歯冠よりも矯正装置で多いそうです。
そして、金属アレルギーのある方は、皮膚科からの診断書があれば、
一部の金属アレルギー対応の歯冠が保険適用で使用していただけることになりました

アクセサリー等で金属アレルギーの既往のある方で
これから歯科治療や矯正治療を行う方は、
金属アレルギー検査をうけておかれるといいですね(保険適用)。
当院でも検査を行っております。

 

金属アレルギーには2つのタイプがあります。
金属に接触するとその部分に限局して症状のでる
「金属接触アレルギー」
食物や歯科金属等からの微量の金属が、腸から吸収されて、
全身に広がり、到達した部分で症状がでる
「全身型金属アレルギー」です。
この2つは全く別の病態として区別されています。
後者は検査でも陽性に出ないこともあり診断が難しい場合があります。

金属アレルギーは、アクセサリーをする機会が女性のほうが多いためか
昔から男性よりも女性に多いです。
最も多いのは「ニッケル」のアレルギーです。

全身型金属アレルギーの症状は多彩で、
最も多い発疹型は「手足の汗疱性湿疹」で、
その他「掌蹠膿疱症」「扁平苔癬」「貨幣状湿疹」「痒疹」
「紅皮症」
そして「アトピー性皮膚炎」と「pseudo-atopic dermatitis」等です。

金属アレルギーによる可能性が考えられた際には
金属パッチテストを行います。
そして陽性に出た金属の多く含まれる食品の摂取を
制限すると症状が改善したり、治癒することがあります。
しかし、足立教授によりますと、以前から金属アレルギーとの関与が
知られている扁平苔癬や掌蹠膿疱症では、意外にも
金属制限食にした場合の効果が少ないとのことでした。

授乳中の乳児に上記の症状が出た際には、
患児の金属アレルギー検査を行い
その陽性となった金属除去食を母が行いますと
子どもの症状が改善する可能性があります。

例えば
ニッケルで陽性になった場合には
ニッケルを多く含む食品の
チョコレート、ココア、豆類(大豆など)、ナッツ類、貝などの
摂取を制限します。

 

*アトピー性皮膚炎と金属アレルギー
アトピー性皮膚炎の方の約25%に金属アレルギーが認められるといわれています。
また本来アトピー性皮膚炎がないのに何らかの原因で
アトピー性皮膚炎様の症状が出ることがあり
それをpseudo-atopic dermatitisといいます。
その約60%で金属検査で陽性が出るといわれ、金属アレルギーとの関与が強く疑われています。
アトピーの遺伝背景のはっきりしない場合、検査でIgE値が低く
アレルギー症状の併発がない場合、これまでに湿疹の既往が少ない場合など
通常のアトピー性皮膚炎の特徴と異なる場合には
金属アレルギーによる影響も疑われますので
検査を行います。

 

当院では金属アレルギー検査も保険診療で行っております。
金属パッチを貼付し、2日間はその部位は濡らすことができません。
貼付した日と同じくらいに時間にご来院いただき、
2日後、3日後、1週間後
金に関しては3-4週間後まで経過を診ます。
(汗をかきますと検査が行いにくいため、
夏は避けていただくことをおすすめいたします)

3割負担で¥2000~6000ほどかかります(金属の種類数により)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

投稿日:2018年7月21日  カテゴリー:★ 院長ブログ・医療情報 ★, アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎の方がレーザー脱毛をするとかゆみや症状がよくなるメカニズムについて

アトピー性皮膚炎の方の痒みは複雑で
かゆみ止めの飲み薬で効きにくいことについて
以前にお話ししました
その1>>>
その2>>>
その3>>>
その4>>>

 

<その2>では
この図の4番目の表皮内神経線維(C線維)の増生についてお話しました。

健常者の皮膚では、
知覚神経のC線維は、
主に表皮ー真皮境界部や真皮内に分布していますが、
アトピー性皮膚炎患者では、
C線維が表皮内へ侵入し、角質層直下まで伸長する線維まであることが分かっています。
皮膚表面のすぐ下まで神経線維が来ているので、
衣類の摩擦や様々な皮膚表面の刺激を感じやすくなります。

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皮膚の細胞から分泌されるさまざまな成分により、アトピー性皮膚炎では
神経伸長因子(NGF)が増加し、
逆に神経反発因子(Sema3A)が減少し、
本来存在しない皮膚表面に近い表皮内にまで
神経(C線維)が伸びて
刺激に敏感になってしまうようです。

アトピー性皮膚炎の治療の紫外線療法(保険適用)
においては、

この神経反発因子(Sema3A)が増強することで
C線維の表皮内侵入が減少し
かゆみがおさまる

理由の一つといわれています。

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またこの知覚神経の表皮内への侵入は、乾燥肌で惹起されることが分かっています。
保湿をすることで神経成長因子(NGF)を抑制
C線維の表皮内への侵入が減少し、痒みがおさまる理由の一つとされています。

 

本題に入りますが
レーザー脱毛の際に使用するレーザー照射
により、
紫外線療法の際と同じ様なメカニズム
でアトピー性皮膚炎の改善効果がある
こと
について

先週末に開催されました
第33回日本脱毛学会にて
国際親善総合病院皮膚科の
山田裕道先生よりご発表がありました。

 

アトピー性皮膚炎の患者に
レーザー脱毛で使用するロングパルスアレキサンドライトレーザーを照射することで、
表皮内まで侵入していたC線維が

照射後に減少し、アトピー性皮膚炎の痒みの改善と症状の改善がみとめられたという報告です。

 

レーザー脱毛で使用するレーザー光線の種類には
多種ありますが、
当院でもこのアレキサンドライトレーザーを使用した
GentleLASEにてレーザー脱毛を行っております。

光線療法によるこのような同様な効果は、
現在保険適用である紫外線療法、
そして以前より試みられているLLLT
(低反応レベルレーザー:非可逆的な組織変性を起こさないと考えられるレベルの弱いレーザー照射)(皮疹部への照射)による治療にて周知されていましたが、
主にレーザー脱毛で使用している
ロングパルスアレキサンドライトレーザーの照射においても
同じような効果が得られるというのが今回の報告です。

ここで
レーザー脱毛を行うことで
剃毛による刺激が減ることによるアトピー性皮膚炎の改善
する理由とは分けて考える必要があります。
有毛部ではない部位への照射でも改善していることより
毛を生えなくすることによる剃毛刺激を減らすこと
によるものとは
また別の効果があることが重要です。

アトピー性皮膚炎のある方でも
クリニックで医師の監視下の元であれば
安全にレーザー脱毛治療を受けることができます。

レーザー脱毛をすることで
剃毛する刺激による皮膚炎の悪化がしなくなることに加えて
このようなアトピー性皮膚炎の改善効果がありますので、
治療を検討されてもよろしいですね。

また、この改善効果の持続は、
まだデータはありませんが、
10年以上このアレキサンドライドレーザーで
脱毛治療をアトピー性皮膚炎の方にも治療を行っている
私と、同じく長く治療をされている演者の山田医師と議論
したところ、
一時的な効果ではなく、長くその改善効果が続く印象を持っています。
そのような点について今後もデータの集積を
していきたいと考えています。

またロングパルスアレキサンドライトレーザー以外
においても
同様な効果がある可能性も考えられるため
ほかのレーザー光の種類による改善効果、相違についても
検討されることを期待しています。

 

 

 

投稿日:2018年2月20日  カテゴリー:★ 院長ブログ・医療情報 ★, アトピー性皮膚炎

皮膚科や小児科にたまたま受診した子供でないと情報がいきわたらない現状なんです・・・アレルギー疾患の新たな知見をもっと臨床の場へ<その3> 

<鶏卵アレルギーの発症予防を目的とした、離乳食期における
鶏卵摂取導入の方法>

小さなお子さんのいるお友達にきくと
離乳食の行い方については、
区などで主催されているセミナーに任意で参加したり
民間の勉強会に参加したり、
お母さんそれぞれが探して行っていると知りました”(-“”-)”
独自の方法で始めているお母さんも多いようです。

特に心配になったのは
果たして民間の勉強会で、鶏卵のみならず

この食物アレルギー予防対策は浸透しているのでしょうか???。
特殊な食事スタイルを乳幼児から始めることで
摂取しておかなければならないものを制限してしまい
アレルギーが増えているのではないかと懸念されます・・・・。

「授乳・離乳」の支援ガイド というものがあります。
産科医師、小児科医師、助産師、保健師、管理栄養士、
歯科医師、アレルギーの専門家などが参画した研究会により
作成されているものです。
適切な授乳・離乳の方法についてかなり細かく記載されています。
ですがこれ、現場では全く反映されていないということですね・・・・

 

日本小児アレルギー学会食物アレルギー委員会の
「鶏卵アレルギー発症予防に関する提言」による
食物アレルギー予防のための鶏卵摂取の方法について説明します。

これは必ず医師の管理下で行うものですので
自己判断で行わないようにくれぐれもお願いします!

 

「アトピー性皮膚炎と診断されている場合」と「されていない場合」
とで異なります。

 

まず
*「 アトピー性皮膚炎と診断されている場合」またはそれに準じた皮膚の状態の場合

皮膚の状態を改善させておいたうえで、
鶏卵摂取を開始することが
鶏卵アレルギーの発症の予防の成功と
鶏卵摂取開始時の合併症のリスクの軽減に

非常に重要です。
お薬をしっかり使用して、
生後6か月までに改善させ(湿疹が消失した状態に)

医師の管理のもと、皮膚の状態を維持しつつ鶏卵摂取を開始します。
ここでまたお母さん!ステロイド使う使わないなどで
大切な時期を逃しませんように。

 

鶏卵の摂取量は2016年の発表された
日本小児アレルギー学会食物アレルギー委員会の
「鶏卵アレルギー発症予防に関する提言」の推奨する方法で開始します。
日本で行われたPETITスタディー臨床研究をもとに
考えられた摂取量は
生後6か月より加熱した固ゆで卵白 約0.2gから開始し、
問題なければ
生後9か月から加熱した固ゆで卵白 約1g
さらに12ヵ月からは加熱した固ゆで全卵 約半分
で行い、その研究では安全に鶏卵の食物アレルギーの発症を軽減できました。

よってこれに準じた方法で、医師の管理のもの
摂取を開始するのがよいですが、
この提言の中では、最初の微量の加熱卵の摂取で問題なく導入
できたあとは、
前述した「授乳・離乳の支援ガイド」に準拠した離乳食で進めてよいとあります。

微量摂取の経過中にアレルギーを疑う症状が出現した場合には
「食物アレルギー診療ガイドライン2016」に準拠した
精査をすすめ、
その後摂取の継続の可否を診断するとされています。

また研究ではすでに特異的IgEで鶏卵アレルギー陽性者も含まれていますが
一般の診療においては、鶏卵導入前にすでに鶏卵へのアレルギー感作が確認されている場合には「食物アレルギー診療ガイドライン2016」に準拠して
導入を開始することをすすめています(感作の有無や程度だけで鶏卵摂取導入を遅らせることをすべきでないと提言しています)

 

この表はアトピー性皮膚炎やそれに準じた皮膚症状のない場合の離乳食の進め方です。それと比較させてアトピー性皮膚炎がある場合の鶏卵摂取の方法について追記しました。

見えにくいですが
生後6か月より加熱した固ゆで卵白 約0.2gから開始し、
問題なければ
生後9か月から加熱した固ゆで卵白 約1g
さらに12ヵ月からは加熱した固ゆで全卵 約半分

何度のしつこくもうしあげますが
医師の管理下で行いませんと危険です。
アトピー性皮膚炎やそれに準じた症状のあるお子さんの鶏卵導入はアレルギーに精通した医師の管理下で行ってください。

 

 

つぎに
*アトピー性皮膚炎やそれに準じた皮膚炎に診断されていない
場合の
鶏卵摂取開始について。

現段階では、湿疹を伴わない乳児の場合には、
鶏卵摂取開始の時期と鶏卵アレルギー発症の影響については
不明であるとされていますが、
遅らせることは勧められませんので。
以下の「表の授乳・離乳の支援ガイド」の「離乳食の進め方」を目安いに行ってください。

ただしアレルギー疾患の家系を有する乳児においては
のようにアトピー性皮膚炎のある乳児における摂取開始など
遅らせないことが推奨されています。

 

このように
アレルギー対策は日進月歩。
どんどん情報が変わっています。

できるだけ今現在もっとも正しいと考えられる最新の情報をもつ医療関係者に関わり
アレルギーの少ない健康なお子様に育てましょう♡

投稿日:2017年11月18日  カテゴリー:★ 院長ブログ・医療情報 ★, アトピー性皮膚炎, 小児皮膚科

皮膚科や小児科にたまたま受診した子供でないと情報がいきわたらない現状なんです・・・アレルギー疾患の新たな知見をもっと臨床の場へ<その2> 

<昔とは違う!今は食べておくことで
食物アレルギーを予防できる

離乳初期からの加熱卵の少量摂取で
ハイリスク児の卵アレルギー発症が8割減少>

かつては食物抗原の摂取時期を
遅らせたほうが、食物アレルギーになりにくいと
考えられており、
卵の摂取もなるべく遅らせるように指導していた時代がありました。

これまでの研究において、
2010年、
生後4~6ヵ月までに加熱した鶏卵を始めた乳児に比べて、
10~12ヵ月に始めた乳児では、
5.9倍鶏卵アレルギーのリスクが高まるという報告に始まり*1

鶏卵を早期に摂取することによるアレルギーを予防する効果
について検証されたさまざまな報告がされました。

2013年オーストラリアからの発表(STARスタディー)では
アトピー性皮膚炎の既往を持つ乳児に、生後4ヵ月から
生卵粉末(週に約1個程度)を摂取させたところ
12ヵ月時点において鶏卵アレルギーの発症が、除去群よりも少ない結果でした。
が、統計的有意差が出るほどではなく、
3人に1人は生卵の摂取によりアレルギー症状が出てしまう結果でした*2。

その後
同じくオーストラリアから(STEPスタディー)
今度はアトピー性皮膚炎やアレルギー疾患の既往のない乳児
820人を対象にした大規模ランダム化比較試験を行ったところ、
生卵粉末の摂取によりひとりも
アナフィラキシー(重篤なアレルギー症状)は出なかったものの、
早期摂取による鶏卵アレルギーの予防効果は証明されませんでした。

そして次に
英国(EATスタディー)では
一般乳児1,303人に加熱した鶏卵を週1個相当を
生後3ヵ月から開始した早期導入群と、
生後6か月以降に開始した対照群を比較した結果
有意に鶏卵アレルギーの発症が少なかったものの、
脱落者が多く有意差はでませんでした*3。

そして日本において
2016年、国立成育医療研究センターにおける
PETITスタディーでは、
アトピー性皮膚炎の乳児において
生後6ヵ月から微量(50mg)の加熱全卵粉末を開始し、
9ヵ月からは少量(250mg)の加熱全卵粉末を毎日摂取した群と
12ヵ月まで鶏卵を完全除去した群とで
1歳時における鶏卵アレルギーの発症率は
鶏卵を早期より摂取していた群では8.3%
完全除去していた群では37.7%という結果で
有意にアレルギーの発症を減少させることができました*4。

この本邦での研究において、安全に成功できたポイントは、
生卵乾燥粉末を使用した海外での先行研究と比較して
微量加熱全卵粉末で行ったこと、
またアトピー性皮膚炎の症状のコントロールを良好に
保ちつつ行ったことが鶏卵アレルギーの発症率の低さに
貢献したと考えられています。

*1.Koplin JJ et al.:Can early introduction of egg prevent
egg allergy ininfants?A popolation-based study.,
j Allergy Clin Immunol 2010:126:807-813.
*2.Palmer DJ et al:Early regular egg exposure in infants
with eczema:A randomized controlled trial.,J Allergy Clin Immunol 2013;132:387-392.
*3.Perkin MR et al:Randomized Trial of Introduction
of Allergenic Foods in Breast-Fed Infants.,N Engl J Med 2016:374:1733-1743.
*4.Natsume O et al:Two step egg introduction for preventing
egg allergy in high-risk infants with eczema(PETIT study):
a double-blind,placebo-controlled.parallel-group
ramdomised clinical trial.Lancet 2017;389:276-286

 

このPETITスタディーの結果をうけて
2017年6月16日、日本小児アレルギー学会
食物アレルギー委員会より

「鶏卵アレルギー発症予防に関する提言」が発表されました。

★ アトピー性皮膚炎や痒みのある乳児湿疹などの
皮膚炎のある乳児では

鶏卵の摂取が遅いほど鶏卵アレルギーを発症するリスクが
高まるというエビデンスから、
鶏卵アレルギーの予防を目的として、
医師の管理のもと、生後6か月より鶏卵の微量摂取を開始する
ことを
推奨する

★ 鶏卵の摂取を開始する前に、
アトピー性皮膚炎を完解(外用剤の使用の有無関係なく皮疹が消失した状態)
させることが望ましい

★ 乳児期早期発症のアトピー性皮膚炎、特に重症例では、
この提言を実行するにあたり、
小児科や皮膚科のアレルギーの専門医や
乳児期のアトピー性皮膚炎や食物アレルギーの管理に精通している医師
による診療を受けることを推奨する

★ 鶏卵の感作のみを理由とした安易な鶏卵除去を指導することは推奨されない

★ 本提言は発症予防のためであり
すでに鶏卵アレルギー(即時型、食物アレルギーの関与する乳児アトピー性皮膚炎)の発症が疑われる乳児に
安易に鶏卵摂取を促すことは極めて危険である
ため、
「食物アレルギー診療ガイドライン2016」に準拠した対応をする。

 

具体的な鶏卵摂取の方法について、次のブログでお話いたします。

投稿日:2017年11月9日  カテゴリー:★ 院長ブログ・医療情報 ★, アトピー性皮膚炎, 小児皮膚科

皮膚科や小児科にたまたま受診した子供でないと情報がいきわたらない現状なんです・・・アレルギー疾患の新たな知見をもっと臨床の場へ<その1> 

昔は正しいと考えられていたことも
違っていた・・・医学の分野においても結構あります。
それが是正されぬまま患者様も正しいと思い続けていたり(たまに医者も)、
新たに分かった最新の情報がきちんと皆様に届かない・・・
病院を受診してたまたま新しい情報について
知ることが多いかもしれませんが、
あわただしい診療のなかでは、
医師からもなかなか情報がもらえないことも多いかもしれません・・・。

そして医師自身も知識のアップデートがうまくいっておらず
正しいと考えられている最新の情報を患者様に提供できていない
こともあると思っています。

そしてとくに
ネットの情報にいたっては、医師が監修していたとしても
いい加減なものたくさんあります・・・。
監修といっても
医師がネットで検索して書いているものも多いと聞きます(笑)

この私のブログでは、できる限りエビデンス(根拠)の
ある情報で、日進月歩の医学情報の最先端を日々お伝え
できればと思います。

↑前置きが長くなったのは
あるDrのブログを朝みて「いい加減なことを公言するなぁーーー」
と思う記事があったので( `ー´)ノ

 

さてこんな雑誌があります。
「アレルギー疾患を診る医師のための情報誌」
Salud(サルー)
:「お大事に」とか「健康」を意味する
スペイン語だそうです。

 

この分野こそまさに皮膚科では
日進月歩。
どんどん昔と考えが変わってきており
医師も患者さまへの指導にも戸惑います。

というわけでこんな雑誌があるのですね。

その内容の一部をご紹介したいと思います。

国立成育医療研センター 生体防御系内科部アレルギー科 医長
大矢幸弘先生と
東京慈恵会医科大学付属 第三病院小児科 教授の
勝沼俊雄先生との
対談より。

<生後1~4ヵ月の湿疹・アトピー性皮膚炎の発症が食物アレルギーの大きなリスク>
かつては、食物アレルギーがアトピー性皮膚炎の原因と
考えられていた時代がありました。
これ、いまだに修正されていないことが多く
血液検査で食物アレルギーがあるとそれだけで
アトピー性皮膚炎と診断されていたり、
患者様からも血液検査でアトピーかどうか診断してほしい
なんていう要望はいまだに多いです。
私たちも、かつては食物アレルギーがアトピー性皮膚炎の
原因になると考えていたため、
母親の摂取した食事から胎盤を介した
感作(アレルギーの獲得)が
食物アレルギーに影響すると疑われおり、
妊娠中や授乳中に母親に卵の摂取を控えさせたりして
食物アレルギーの抗原除去を子供のアレルギー発症予防として
勧めていたこともありました。
2008年にLackにより提唱された「二重抗原暴露仮説」により
荒れた皮膚を介して食物抗原が侵入することで
食物アレルギーとなり、
口から入った食物はむしろ免疫寛容されるように
誘導される。すなわち正しいルートで口から入った
食べ物については異物、悪いものとして免疫が働かないように
体が覚えるという説です*1。

したがって、今では母親の食事制限は
子供のアレルギー発症の予防にはつながらないとされています*2。
現在は食物アレルギーの原因は経皮感作すなわち
湿疹などで壊れた皮膚から食物抗原が侵入することで
食物アレルギーが獲得されることが
多いというのが
一般的な考えとなっています。

*1 Lack G:J Allergy Clin Immunol.,122(5),984(2008)
*2Kramer mS et al:Cochrane Database Syst Rev.,9,CDooo133(2012)

よって
湿疹やアトピー性皮膚炎の存在が
食物アレルギー発症のリスクファクターになっていると
考えられています。

大矢医師の施設での出生コホート研究により、
生後6か月までに湿疹を発症した子供は
3歳時に食物アレルギーを高率で発症すること。
なかでも
湿疹の発症時期が早いほど食物アレルギーの発症率が高く、
生後1~4ヵ月で湿疹のある子どもは、湿疹のない子供に比べて
1歳時での食物アレルギー発症のオッズ比は19倍にも
上まわると
報告されています。

したがって新生児、乳児期の皮膚状態は
食物アレルギーに大きく影響します。
そこでさらに同施設での研究では、スキンケアがアトピー性皮膚炎の予防に
効果があることを発表しました。
遺伝的にアトピー性皮膚炎の発症のリスクの高い乳児を対象に
保湿ケアとした群としなかった群とで、
保湿ケアをした群では湿疹・アトピー性皮膚炎の発症率が
有意に低いことが明らかになりました。
以前に(2014年に)
このことについて詳しく書きましたのでこちらをどうぞ>>>

すなわち
「食物アレルギー」の発症を予防するには
「湿疹やアトピー性皮膚炎」を発症させないことが大切で、
そのためには乳児期から安全性の高い保湿剤で(アレルゲンの含まれない)
きちんと「スキンケア」をすることが
そられらの発症を予防することに非常に重要だということです。

特にお口の周りの湿疹は
母乳内の食物抗原や食物が付着することで
経皮感作される可能性がありますので
早くお薬で治すことが大切です。

 

次回のブログ<その2>では
<昔とは違う!今は食べておくことで食物アレルギーを予防できる>について
お話します。

投稿日:2017年11月1日  カテゴリー:★ 院長ブログ・医療情報 ★, アトピー性皮膚炎, 小児皮膚科

アトピー性皮膚炎の原因、治療の変遷(その5)痒みの調節 PDE4阻害薬内服及び軟膏のゆくえ

以前にアトピー性皮膚炎の痒みは複雑で
抗アレルギー剤では止まりにくいことについて
お話しました。

★「アトピー性皮膚炎においてかゆみ止めの飲み薬が奏功しにくい理由」
その1>>>
その2>>>
その3>>>
その4>>>

そのなかで、現在多くのかゆみ止めの飲み薬は
ヒスタミンというかゆみを引き起こす成分のみを
抑えるものが多く、現在かゆみの原因として
わかっている他のケミカルメディーエーターを
抑えられるものは少ないとお話いたしました。>>>

現在乾癬という皮膚疾患に適応症が拡大した
PDE4阻害剤「オテズラ錠(アプレミラスト)」は、
最近では痒みを伴うことの多くなった乾癬に
かなり有効性が高く、安全性も高いことが知られ、
当院におきましても多くの患者様に使用しております。
特に痒みを抑える効果にも即効性があります。

このオテズラ錠はアトピー性皮膚炎についても
効果と安全性が検証中です。
各種サイトカインなどの炎症性メディーエーターの産生を
調整するため、これまでの主にヒスタミンのみを抑制する
抗アレルギー剤よりも痒みを抑えてくれる可能性が
期待され、治験が進んでいました。
痒みに対する効果はいいものの
皮疹に対する効果が顕著に出ていないため
治験が継続されるかが微妙なところであると聞き
大学病院の教授とオテズラを製造販売する製薬会社に
継続していただけるよう直談判しました( ;∀;)・・・。
その後どうなっているのかわかりません・・・。

 

先日PDE4阻害剤の(内服薬ではなく)軟膏
小児および成人のアトピー性皮膚炎に
使用期間は短期間ではありますが有用であったという報告がありました。
*Paller AS et al:Efficacy and safety of crisaborole ointment,a novel,nonsteroidal phosphodiesterase 4(PDE4)inhibitor for
the topical treatment of stopic dermatitis(AD)in children and adults,Journal of the American Academy of Dermatology.
2016 Sep;75;494-503.
米国のノースウェスタン大学にて、
アトピー性皮膚炎の小児と成人を対象に行った第3相試験
において、PDE4阻害剤のcrisaborole軟膏の有効性と安全性が確認されました。
軽症から中等度のアトピー性皮膚炎と診断された2歳以上の小児
および成人患者さんにcrisaborole軟膏または軟膏基剤のみの群で
1日2回28日間塗布し、その効果と安全性についてみてみます。
crisaborole軟膏群がアトピー性皮膚炎の皮疹の改善した割合が
高く、痒みの改善も早期より改善しています。
この軟膏塗布による有害事象も稀でした。

たった1ヵ月ほどの研究ですので、
それでも効果がはっきりと見られたことは素晴らしいですが、
安全性についてはもう少し長期見ていただかなければなりませんね。

ですが朗報ですね。

 

投稿日:2017年9月22日  カテゴリー:★ 院長ブログ・医療情報 ★, アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎の原因、治療の変遷(その4)~正しいスキンケア用品の選び方~

(その3)ではスキンケアをすることで
皮膚バリア機能が改善
することについてお話いたしました>>>

アトピー素因のある方、アトピー性皮膚炎の方、
乾燥肌の方、ご高齢の方、お子様が
健康的な丈夫な肌を保つには保湿ケアが重要です。
保湿ケアをすることで皮膚バリア機能は改善し、
乾燥しにくく健康な肌を保つことができます。
ただし!
その保湿ケアに使用する外用剤、ボディークリームの内容成分
重要です。
以前にお話しました>>>

平常時に知らないうちにかいている汗(不感蒸泄)が
皮膚の保湿に重要な役割をしています。>>>
ワセリンなどの油分の多いものを塗っていると
汗の出口が詰まったりして大切な保湿のための発汗が低下して
自力で保湿できなくなっていきます。
そして結果的にワセリンの保湿では皮膚のキメの改善がなかった
すなわち皮膚の状態の改善は難しいということがわかっています。
また塗りやすいローション、泡タイプのものなどは
一時的に潤った感じになっても
この本来の保湿機能をあげるまでには至りにくいです。
昨年の日本皮膚科学会総会において
今のところもっともこの本来もつ保湿機能を改善するのは
マルホの「ヒルドイドクリーム」との報告がありました。
ヒルドイドソフト軟膏でもローションでもありません。
必要な平常時の汗を正常な状態にし、
保湿機能を上げて角質水分量を高められる保湿剤です。
またジェネリックでは基剤が違うため
同じ効果ではないとのことでした。

 

当院でもアトピー性皮膚炎で通院されているうち
月に一回程度の定期通院をされている90名で
ヒルドイドクリーム(ジェネリックも含む)を
ご使用いただいた効果について
検証しました。
(ヒルドイドソフト軟膏ではありません)

角質水分量や経表皮水分蒸散量(TWL)などの測定は
していませんので、患者さんの印象と私の皮膚の診察で
ざっくりと評価しました。

保湿剤をヒルドイドクリームに変更することで
症状が著明改善し、ステロイドの使用量も減った方21名
以前よりもやや皮膚が保湿され、ヒルドイドクリームで継続している方54名
特に変化がなく、患者様も特別改善した実感がなかった方13名
合わなかった方2名

80%以上の方で、保湿クリームを
ヒルドイドクリームに変更することで改善しています。
一度お試しいただくといいですね♡

でもあの独特の薬臭いにおいが
使いにくかったですね。
ようやくそのにおいの原因の防腐剤添加物のチモールが除去されます
10月頃より処方できるようになりますので
これまでヒルドイドクリームのジェネリックを使用されていた方
はヒルドイドクリームへ戻してお試しください。

 

またオーガーニックのものなら安心、
天然素材の方が安心と思われがちですが、
そうであるとはいえません。
正常な皮膚に塗布する場合には問題がなくても
壊れた皮膚から浸入した成分に対して
アレルギーを獲得しやすい(感作)ことがわかっています。
特に精油に注意です>>>
炎症を抑えたりする効能のある精油もありますが
アレルギーの感作の報告も多数あります。気をつけてください。
皮膚が荒れている場合には、アレルギーテストがされている
保湿剤を使用してください。

投稿日:2017年9月15日  カテゴリー:★ 院長ブログ・医療情報 ★, アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎の原因、治療の変遷(その3)~皮膚バリア機能の要 フィラグリン~

< 皮膚バリア機能の要は 「フィラグリン」 >

* フィラグリンタンパクの代謝産物が皮膚の天然保湿因子(natural moisturizing factor:NMF)に需要な役割

アトピー性皮膚炎の病態の主体は
「バリア機能異常」です。

このバリア機能異常に重要な関連性が示されているのが
天然保湿因子(NMF)の低下です。
本来私たちの肌に備わっている保湿機能に必須の因子です。

このNMFの主成分は「フィラグリン」というタンパクから
分解産生されるアミノ酸から成り立っています。

 

* フィラグリンは保湿因子としてだけではなく、バリア機能としても重要な役割  

皮膚表面の表皮細胞同士を凝集させる線維間凝集物質
としても働き、これらが欠乏している状態では
角層細胞ははがれやすく、バリア機能は低下します。
このバリア機能が低下すると
皮膚の外側と内側との浸透性が上昇し、経皮水分喪失量(transepidermal water loss:TEWL)は上昇しすなわち皮膚は乾燥してしまいます。

 

* アトピー性皮膚炎ではこの「フィラグリンが減少」している場合がよく見られます

フィラグリンの減少の原因には
・ フィラグリンの遺伝子異常、発現低下
・ フィラグリンを分解してNMFにする酵素(ブレオマイシン水解酵素:BH)の活性低下(発現低下)

フィラグリンの発現低下はアトピー性皮膚炎に限らず乾癬や
皮膚リンパ腫などほかの疾患においてもみられることがあります。
最近ではフィラグリン遺伝子異常・発現低下のみならず
BHというフィラグリンを分解するための酵素の発現低下している場合もあることが分かりました。
このBHの低下は加齢した皮膚(60歳以降で有意に低下)や乾燥肌程度でも確認されています。

そして季節変動やアトピー性皮膚炎の症状のコントロール状態
によってもBH活性は変化します
(すなわちアトピー性皮膚炎のコントロール状態を良好にすることでBH活性は改善します→アトピー性皮膚炎の症状を整えると本来の保湿機能が戻り、バリア機能が改善していくのです
*Kim.B.E et al.:J.Invest.Dermatol.,131:1272-1279.2011.
*菅谷 誠:医学のあゆみ,256:35-40.2016
*日比野利彦:J.Soc.cosmet.Chem.Jpn..,47:216-220.2013
*森田久美子ら:2015年第64回日本アレルギー学会学術集会にて発表

 

* したがってスキンケアをしてアトピー性皮膚炎の症状を抑え、整えることは
BH活性を高め、NMFの産生を増加させ、バリア機能改善につながります。

正しい保湿ケア・保湿剤の選び方については
アトピー性皮膚炎の原因、治療の変遷(その4)へ

投稿日:2017年9月12日  カテゴリー:★ 院長ブログ・医療情報 ★, アトピー性皮膚炎