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カテゴリ: アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎のかゆみ治療に朗報♡

アトピー性皮膚炎のかゆみの原因として
重要な作用をしているIL-31を抑制するお薬の
情報が入ってまいりました。
もう一度復習してみましょう。

 

以前よりアトピー性皮膚炎のかゆみは
非常に多彩な要因があり、既存の内服薬では
充分な効果を出しにくいことについて書いてまいりました。

★「アトピー性皮膚炎においてかゆみ止めの飲み薬が奏功しにくい理由」
その1>>>
その2>>>
その3>>>
その4>>>

そのなかで、現在多くのかゆみ止めの飲み薬は
ヒスタミンというかゆみを引き起こす成分のみを
抑えるものが多く、現在かゆみの原因として
わかっている他のケミカルメディーエーターを
抑えられるものは少ないとお話いたしました。>>>
近年そのアトピー性皮膚炎のかゆみに関係している
ケミカルメディエーターの一つとして
「インターロイキン31(IL-31)」
という物質が注目されています。
*1 Dillon SR et al:Interleukin 31,a cytokine produced
by activated T cells,induces dermatitis in mice.
Nat Immunol.5:752-760,2004
*2 Raap U et al:Correlation of IL-31 serum levels with
severity of atopic demtitis . J Allergy Clin Immunol,122:421-423.2008

そして免疫抑制剤がこのIL-31を抑制できることが
わかっていますが、副作用の問題から汎用はできないのが現状でした。
*3 Otsuka A et al:Effects of cyclosporine on pruritus and
serum IL-31 levels in patients with atopic dermatitis.
Eur J Dermatol.21:816-817,2011

先日、九州大学生体防御医科学研究所の福井宣規教授らの
研究グループは、近年アトピー性皮膚炎におけるかゆみの
惹起物質である「IL-31」の産生に、EPAS1という
タンパクが重要な役割をしていることについて発表しました。
このEPAS1を抑えることでIL-31の産生を抑制し、
アトピー性皮膚炎のかゆみを抑えることができるため
今後新たなかゆみの治療薬の開発が期待されていた
ところでしたが

このEPAS1を抑えるお薬とはまた別の
IL-31を抑えるお薬の第Ⅱ相試験において
有効性と安全性が確認されたとの朗報が
入ってまいりました。
*N Eng J Med 2017;376:826-835

かゆみに関係しているケミカルメディエーターの
需要な一つであるIL-31が結合して作用する受容体に
変わりにくっついて、IL-31の作用を抑制するものです。
nemolizumab
抗インターロイキン(IL)-31受容体ヒト化モノクローナル抗体」と呼びます。

日本、米国、欧州において
成人の中等度から重症で
塗り薬だけでは十分にコントロールできない
アトピー性皮膚炎の患者さん264例を対象として試験が行われました。

4週間に1回皮下注射し、12週間経過をみています。
かゆみの改善効果は早く、投与後1週間から著明に
かゆみが減少しています。
そしてその試験後に、長期安全性・有効性をみる
試験においては、1年以上nemolizumabを継続投与
した結果、かゆみの改善の維持と、皮膚症状の持続的な
改善傾向が認められ、安全性上の重大な問題もありませんでした

まだまだこのお薬が使用できるようになるには
時間がかかりますが、
改善しにくいアトピー性皮膚炎のかゆみ治療が
前進しています♡
早く楽になりますように♡

 

 カテゴリ:★ 院長ブログ ★, アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎のかゆみ物質の産生に重要なたんぱく質を発見ー新しいかゆみ治療薬の開発に期待ー


以前にアトピー性皮膚炎のかゆみは
非常に多彩な要因があり、既存の内服薬では
充分な効果を出しにくいことについて書きました。

★「アトピー性皮膚炎においてかゆみ止めの飲み薬が奏功しにくい理由」
その1>>>
その2>>>
その3>>>
その4>>>

 

そのなかで、現在多くのかゆみ止めの飲み薬は
ヒスタミンというかゆみを引き起こす成分のみを
抑えるものが多く、現在かゆみの原因として
わかっている他のケミカルメディーエーターを
抑えられるものは少ないとお話いたしました。>>>
近年そのアトピー性皮膚炎のかゆみに関係している
ケミカルメディエーターの一つとして
「インターロイキン31(IL-31)」
という物質が注目されています。
*1 Dillon SR et al:Interleukin 31,a cytokine produced
by activated T cells,induces dermatitis in mice.
Nat Immunol.5:752-760,2004
*2 Raap U et al:Correlation of IL-31 serum levels with
severity of atopic demtitis . J Allergy Clin Immunol,122:421-423.2008

 

そして免疫抑制剤がこのIL-31を抑制できることが
わかっていますが、副作用の問題から汎用はできないのが現状です。
*3 Otsuka A et al:Effects of cyclosporine on pruritus and
serum IL-31 levels in patients with atopic dermatitis.
Eur J Dermatol.21:816-817,2011

 

先日、九州大学生体防御医科学研究所の福井宣規教授らの
研究グループは、近年アトピー性皮膚炎におけるかゆみの
惹起物質である「IL-31」の産生に、EPAS1という
タンパクが重要な役割をしていることについて発表しました。
このEPAS1を抑えることでIL-31の産生を抑制し、
アトピー性皮膚炎のかゆみを抑えることができるため
今後新たなかゆみの治療薬の開発が期待されます。
ただし、前述したように、アトピー性皮膚炎のかゆみの
要因は多彩ですIL-31を抑えることは、かゆみのごくごく
一部の原因ですので、まだまだ開発の余地は大きいです。

ただ現実的にもう少し早くに期待できるものとして
数ヶ月後には乾癬の治療薬として
炎症性サイトカインを抑制する「PDE4阻害剤」の内服薬が発売になります。
免疫抑制剤よりも副作用がかなり少ないこと。そして
乾癬の症状およびかゆみを抑えることで期待されて
いますが、乾癬のみならず、アトピー性皮膚炎等のかゆみ
も抑えられる可能性がありますので今後期待できそうです。

アトピー性皮膚炎の方が、今よりもっと
かゆみに悩まされず、快適に過ごすことが出来るお薬が
早く開発されるとよいですね。

 

 カテゴリ:★ 院長ブログ ★, アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎など目の周りの湿疹の治療にステロイドの塗布は「緑内障」に注意!

以前にアトピー性皮膚炎の方は網膜剥離に注意が必要で
あることについて書きました>>>

きちんと目の周りの湿疹を治して
強くこすらないようにすることが重要です。

目の周りの湿疹は網膜剥離以外にも、
白内障、眼瞼下垂(まぶたのたるみの進行)
そして緑内障にも気を付けなければなりません。
アトピー性皮膚炎にかぎらず、
花粉症やアレルギー性の眼瞼炎(まぶたの湿疹)も同様です。

目の周りの湿疹の治療に、ステロイドの塗布を必要と
する場合には、眼圧のチェックなど緑内障に対しての
定期的な眼科検診が必要であるとする報告がありますので
ご紹介いたします。
★ ステロイド外用薬を使わないほうがいいという
説明ではございませんので、最後までご一読ください。

☆ 緑内障とは
少しずつ視野が狭くなる病気で、眼圧が高くなることで
生じます。

 

「ステロイド緑内障を併発した重症アトピー性皮膚炎の1例」
木村徹子 ほか 川崎医科大学皮膚科学教室
西日本皮膚科学会誌 78巻3号・2016

この報告の症例では、
コントロール不良な重症のアトピー性皮膚炎の患者さん
において、ステロイドの使用が原因による
ステロイド緑内障をきたしたというものです。

幼少時よりアトピー性皮膚炎がある方で、
これまでに悪化時にはステロイドの服用を20回ほど
受けていた事があります(プレドニゾロン換算で20mg/day程度を5~7日間)。
顔の湿疹に対してはstrongクラスやmediumクラスのもの
を直近の6か月で合計60g処方されていました。
→→→顔に使用するとしてはかなり強めのステロイドを大量に使用しています。

霧視の症状を自覚し、眼科で眼圧の上昇があり
ステロイド緑内障と診断されました。
その後(ステロイドの外用治療を減らすため)
ステロイドの服用に変更し、
さらに免疫抑制剤の服用へ変更し、
アトピー性皮膚炎のコントロールも良好になっています。

 

考察では、
ステロイドの外用治療と緑内障との関係について述べられています。

ステロイドの点眼におきましては、
その力価(強さ)、濃度、点眼回数に
緑内障の発症率が依存するとされていますが、
ステロイド外用剤(軟膏)では、強さと使用量と
緑内障の発症との関係は不明とされているとのことです*1。

一般的にはステロイドが目の周りで塗布・吸収されたり、
ステロイドのついた手で目をこすってしまうことで
結膜内に入り、眼圧が上昇するといわれてきました。

ただ、オランダの調査では、strong、very strongクラスの
ステロイドの塗薬を目の周りに
平均3.9日/週、6.4か月/年、4.8年間にわたり使用した37名
に、緑内障は発症しておらず、
眼圧の上昇とステロイド外用薬との関連性はないとの
報告もあります*2。
日本の報告では、1981年から1990年の9年間に
ステロイドをまぶたに塗布した場合の緑内障の発症は
5.6%と報告されています*3。

まぶた以外の顔へのステロイドの塗布により
経皮吸収されたことによる眼圧への影響は無視できる*3
とか、mediumクラス5g/月程度の使用では眼圧上昇の
原因にはなりにくい*4という報告が多いですが、
筆者らは、ステロイド外用剤により眼圧が上昇したと
考えざるを得ない症例も23例あるとも述べていますので
やはり気を付けている必要はあるといえます。

 

この中で、ステロイドの投与の投与方法は問わず、
ステロイドの使用により眼圧が上がりやすい
「ステロイドレスポンダー」と呼ばれる人たちが
30~40%いるとのこと。
また若年者では眼圧が高くなる影響を受けやすいことは
確かなようです*5*6*8。

そしてまぶたに塗布した外用剤が涙液に移行しうること。
アトピー性皮膚炎の患者では結膜のバリア機能が優位に
低下しており、ステロイドの眼内への移行が高くなる危険
があるという報告もあります。
ただ常識的な使用においては緑内障の心配はないと述べられています*7。

 

まとめますと、
まぶたへのステロイドの使用は、
アトピー性皮膚炎のある人、
若年者においては眼圧に影響する可能性があるので
使用している場合には、定期的に緑内障のチェックが必要。
そうでない人でも眼圧が上がりやすい体質の場合もある
ので、ステロイド剤をまぶたによく使用する人も眼科での
定期健診を受けたほうがよろしいです。

 

 

*1 酒井 勉ほか :ステロイド白内障・緑内.
Modern Physcian ,2009;29:703-704

*2 Haeck IM ey al :Topical corticosteroids in atopic
dermatitis and the risk of glaucoma and cataracts,
J Am Acad Dermatol,2011;64:275-281.

*3 勝島晴美ほか:副腎皮質ステロイド剤の皮膚外用
におけるステロイド緑内障の発生頻度.日眼会誌,1995;99:235

*4 有川順子ほか:アトピー性皮膚炎患者の眼圧と顔面への
ステロイド外用療法との関連性についての検討.
日眼会誌,2002;112:1107-1110

*5 羅 錦營他:「小児科医が知っておきたい眼科疾患」
ステロイドの眼合併症,小児科診療,2004;67:1269-1669.

*6 Ohji M et al:Marked intraocular pressure response
to instillation of corticosteroids in children.Am J
Ophthalmol,1991;112:450-454.

*7 横井則彦ほか:皮膚科治療の最前線 顔の皮疹に対する
ステロイド外用薬をどう考えるか(その6)眼科的立場
から.皮膚臨床,1995;37:1045-1050.

*8 大路正人ほか:小児におけるステロイド・レスポンダー
の頻度.臨床眼科,1992;46:749-752.

 カテゴリ:★ 院長ブログ ★, アトピー性皮膚炎

第46回日本皮膚アレルギー・接触皮膚炎学会総会学術大会のご報告<その2>汗アレルギー

近年「汗アレルギー」という概念がでてまいりました。
これは汗が皮膚の刺激になって、
かゆくなるとか、湿疹ができるというものではなく、
汗のある成分にアレルギー反応を起こして
即時型の反応を生じ、じんましんがでます。

この汗アレルギーは
発汗に関係してでるじんましんであるコリン性じんましん
以外にもアトピー性皮膚炎でも合併しやすいといわれています。

 

* コリン性じんましんとは
運動したり、入浴など
体が温まったときに発汗に関係して出るじんましんで、
汗の腺に一致して細かくぶつぶつがでるタイプ
それとは関係なくじんましんが出るタイプとがあります。

このじんましんの原因はいくつか考えられていて、
一つには、汗の腺が詰まって、汗が出なくなっており
汗の成分が皮膚の深くで漏れて刺激になって出るという説と
汗のある成分に対してアレルギーすなわち
汗アレルギーがあってじんましんがでる説などが考えられています。

まだよくわかっていないじんましんでしたが、
後者の汗アレルギーに関しては、
ある程度反応している物質については判明しており、
現在すでに「好塩基球ヒスタミン遊離試験
(HRT(histamine release test)キット」にて
汗アレルギーの有無を保険診療で検査が可能です。

ただ、この物質(抗原)が、本質的には何であるのかは
わかっていませんでした。

 

今回の講演では、
「アトピー性皮膚炎と汗」平郡 隆明先生(広島大学)より

広島大学において、この抗原を同定したとの報告がありました。

これまでわかっていたアトピー性皮膚炎やコリンじんましんにおける
汗アレルギーの「汗抗原」を解析したところ
Malassezia globosaが産生する「MGL-1304」であることが
同定されました。
すなわち汗アレルギーでは、
汗の中に含まれる、皮膚に常在するカビの一種の
マラセチアから出るたんぱく質にアレルギー反応を
示していることが判明したということです。

 

他の文献によりますと*1
このマラセチアという皮膚に常在するカビはこれまでに
14菌種同定されていて、
そのうち9種類がヒトの皮膚で検出されています。
さらにこのうちアトピー性皮膚炎において多く検出される
菌種があり、アトピーの症状とのかかわりが示唆されています。
ところがこれらの菌種と汗抗原のMGL-1304とは一致しないそうです。
しかも犬の皮膚にいる種類のマラセチアに近いことより
今後はペット犬との関連についてさらなる解明が必要なようです。

*1 秀 道広ら:アトピー性皮膚炎にける汗アレルギー,
アレルギー65(3)179-185(2016)

 

* では、その汗抗原MGL-1304を減らすための
スキンケアはどうすればよいのか

シャワー浴にて汗抗原を減らす試みが有効であることの
報告があります。*2

単純な抗真菌治療が適切であるかどうかは、
まだ検証中のようです。

今回の講演では「タンニン酸」という
天然物質が汗抗原「MGL-1304」に対する反応を抑える
効果が認められており、
汗アレルギーに対する効果のみでなく、
アトピー性皮膚炎の皮膚症状やかゆみの改善に有効であることも
確認されているそうです。
このタンニン酸には、抗炎症作用も発揮している可能性
についての報告もあります*3。
現在は、このタンニン酸配合の入浴剤やスプレーでの塗布
による効果を検証中とのことです。

 

難治性であるコリン性じんましんや
アトピー性皮膚炎の一部の症状の改善に
あたらしい治療薬がうまれそうですね♪

 

*2 平郡 隆明 :真菌とアレルギー,皮膚アレルギーフロンティア
vol14,no.1 2016

*3 Karuppagounder V et al:Cytokine 76:206-213.2015

 

 

 

 カテゴリ:★ 院長ブログ ★, アトピー性皮膚炎

かゆみ止めの飲み薬。じんましんには奏功するけど、どれもアトピー性皮膚炎のかゆみに効きにくい理由<その4>

このシリーズ最後は
中枢性のかゆみです。

 
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アトピー性皮膚炎では、
この中枢性のかゆみにおいて、
かゆみを誘導するβ-エンドルフィンやμ-レセプターの発現は正常で、
かゆみの抑制系のダイノルフィンやκ-レセプターの発現が低下していることにより
かゆみが誘導されているといわれています。

同様のことが、血液透析患者で起こっています。
このκ-レセプターの活性化をすることで
かゆみを抑制するのがナルフラフィン(レミッチ®)
という内服薬が現在では透析患者さんのかゆみ止めとして
使用されており、とても有用です。

同じような状態が生じているアトピー性皮膚炎の
中枢性のかゆみに対しても有効であると考えられて
いますが、アトピー性皮膚炎に対する有効性についえは現在検証中です。

この中枢性のかゆみは、これまであるかゆみ止めでは
効きません。
レミッチがアトピー性皮膚炎に使用できるように
なりますと、今よりもかゆみを抑えることができそうですね。

 

 

 カテゴリ:★ 院長ブログ ★, アトピー性皮膚炎

かゆみ止めの飲み薬。じんましんには奏功するけど、どれもアトピー性皮膚炎のかゆみに効きにくい理由<その3>

既存のかゆみ止めの飲み薬では、
アトピー性皮膚炎の人のかゆみが十分に取れない
理由についてその1、その2と書いてきました。

<その1>では、現在ある抗アレルギー薬の多くは
ヒスタミンを抑えるものがメインであるため、
アトピー性皮膚炎において
それ以外のかゆみの原因となるケミカルメディエーターを
抑える作用が少ない。>>>

<その2>では、皮膚の乾燥により惹起される
皮膚表皮内への神経線維の侵入により
知覚が過敏になり、かゆみを誘発しやすくなっていて、
これはスキンケアでないと改善しにくいことについて。
>>>

そして今回のその3です。
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皮膚炎を生じると
皮膚からのシグナルが 感覚神経線維を介して 脊椎の細胞(アストロサイト)に伝達されます。

活性化されたアストロサイトは
かゆみの誘発物質であるガストリン放出ペプチドを亢進させることでかゆみを増強させ、
それによりさらなるひっかき行動につながるという サイクルが生じます。
これは脳を介さず、皮膚→脊髄→皮膚で起こります。

慢性的なかゆみにおいては、
長期にわたりアストロサイトが活性化されていて、
慢性的なかゆみの原因になっているといわれています。

このかゆみを慢性的にしないためには
皮膚に炎症を起こさないようして、
皮膚で炎症が起きているというサインを
脊髄に伝わらないようにする必要がありますので、
外用療法で皮膚の状態をよくして
かき傷を作らないようにしてしておくことが必要です。
かゆみ止めの飲み薬のみでは制御しにくいかゆみです。

 カテゴリ:★ 院長ブログ ★, アトピー性皮膚炎

かゆみ止めの飲み薬。じんましんには奏功するけど、どれもアトピー性皮膚炎のかゆみに効きにくい理由<その2>

今ある多くのかゆみ止めは、
アトピー性皮膚炎の方の起痒物質となっているものの
中でもヒスタミンしか抑えることができず、
そのほかの多くのケミカルメディエーターは
おさえられないため、
かゆみ止めの飲み薬が奏功しにくいという
お話しを前回のブログでしました。>>>

続いては
アトピー性皮膚炎のかゆみの原因となる
知覚神経の問題によるかゆみについてです。
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健常者の皮膚では、
知覚神経のC線維は、
主に表皮ー真皮境界部や真皮内に分布していますが、
アトピー性皮膚炎患者では、
C線維が表皮内へ侵入し、角質層直下まで伸長する線維まであることが分かっています。
皮膚表面のすぐ下まで神経線維が来ているので、
衣類の摩擦や様々な皮膚表面の刺激を感じやすくなります。

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皮膚の細胞から分泌されるさまざまな成分により
神経伸長因子が増加し、
逆に神経反発因子が減少し、
本来存在しない皮膚表面に近い表皮内にまで神経が伸びて
刺激に敏感になってしまうようです。

アトピー性皮膚炎の治療の紫外線療法においては、
この神経反発因子が増強することでかゆみがおさまる
理由の一つといわれています。

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またこの知覚神経の表皮内への侵入は、乾燥肌で惹起されることが分かっています。

したがって、かゆみを抑えるには、飲み薬だけではなく、ドライスキンにさせないためのスキンケアが必須と言えます!!

以前にご紹介したヒルドイドクリーム
(ソフト軟膏ではありません)の使用で、
多くの方が肌質の改善を実感しています。
ぜひ角質水分量をあげて保湿効果の高い
ヒルドイドクリームをお試しください(^^)/
詳しくはこちら>>>

 カテゴリ:★ 院長ブログ ★, アトピー性皮膚炎

11月末よりあたらしいアレルギー性疾患治療薬「ビラノア®錠20mg」処方開始になります。

11月末に日本では新しく「ビラノア®錠」が処方開始になります。

 

 

11月末に日本では新しく「ビラノア®錠」が処方開始になります。


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眠気が少なく、即効性もあるとのことで
現代人のニーズにより合った抗アレルギー薬といえます。

ですが、鼻炎やじんましんには奏功する抗ヒスタミン作用ですが、アトピー性皮膚炎などの皮膚疾患には、どの薬も効きにくいです。
そのことについて、来月 別の抗アレルギー薬を販売する
某製薬会社で社内講演をしてまいります。
じんましんにはよく効くけれど
アトピー性皮膚炎の方には今一つすっきりかゆみが
取れないその理由について最近の知見について話してきます。

そもそもどうしてかゆみっておこるの?
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アトピー性皮膚炎のかゆみは、
大きくわけて5つのメカニズムがあります。

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まずはかゆみを引き起こす成分について。

アトピー性皮膚炎でのかゆみの原因となる成分(起痒物質)は、
ヒスタミンによるものは一部。
そのほかにこんなにいろいろ関与します。
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ですのでヒスタミンだけ抑えても
あまりかゆみがおさまらないのです。
現在ある一般的なかゆみ止め(抗ヒスタミン剤、抗アレルギー薬はこのヒスタミンを抑える作用がメインです)

ヒスタミン以外の非常に多くのかゆみの原因となる
ケミカルメディエーターがこんなにたくさんわかっています。
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とくにこの中でもアトピー性皮膚炎に関係していると最近いわれているものが
図の通りです。
唯一ヒスタミン以外のケミカルメディエーターを
抑える効能がわかっている抗アレルギー薬でも、
それによって抑えられるケミカルメディエーターは限られており
アトピー性皮膚炎のかゆみに関係するものを必ずしも
抑えてはいません・・・。
結局は抗ヒスタミン作用による効能が
メインであるものが多いためアトピー性皮膚炎のかゆみが
薬で効きにくい要因の一つです。
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アトピー性皮膚炎のかゆみが飲み薬でおさまりにくい原因
について続きを次のブログでご説明いたします。

 

 

 

 

 カテゴリ:★ 院長ブログ ★, アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎と汗 <その2>保湿剤による角質水分量上昇効果と保湿剤による相違  ワセリン系基剤では逆に低下!!ステロイド外用剤もクリームを推奨。

アトピー性皮膚炎の方の皮膚では、
安静時の皮膚での発汗が低下しており
肌の乾燥、皮膚炎の原因になっている可能性について
ご説明しました。>>>

*「発汗障害から考えるアトピー性皮膚炎の病態とその対策」
杏林大学皮膚科学教室 下田由莉江先生

「保湿剤のこんな使い方しっていますか?」
川崎医科大学付属川崎病院 青山裕美先生

のご講演内容の続きです。

 

安静時の不感蒸泄を増やすことができれば
アトピー性皮膚炎の症状を改善または症状を予防できる
可能性があります。

 

まずは生活の中で必要な発汗を増やす方法ですが、
汗をかくようにするとよいのですが、
保湿に良質な汗をかくには、
皮膚体温が高い状態ですと
皮溝からの肌を湿潤させるのに必要とする汗のほうは
出にくいので
サウナなどよりも、
足浴での方が皮溝からの汗は増えるそうです。

Men In A Sauna

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そして保湿剤の塗付は、肌のきめを整えて、安静時の発汗を増加させて肌にうるおいを与えます。

ただし、この発汗を増加させる作用は、
保湿剤によって異なります!

今回の発表では「ヒルドイドクリーム」においてもっとも
発汗の増加と角質水分量の増加が認められました。
ヒルドイドはソフト軟膏やローションもありますが
この「クリーム」がいいそうです。
しかも白くなるほどたっぷり塗った場合の方が改善度が
よいという結果でした

そして驚くことに、
ステロイド軟膏の外用ではキメの改善はみられますが、
角質水分量に関係する皮溝からの発汗の改善はみられず、
角質水分量は改善しません。すなわち保湿効果はありません。
したがって使用する際は保湿剤との併用が必要です。

またワセリンにおいてはキメの改善もみられず、
さらにはその発汗は低下するという結果でした!

したがって、川崎医科大学ではステロイド外用剤も
軟膏はワセリン基剤のため、
クリーム基剤を使用するように変更しているとのことです。

 

皮膚の保湿のためにしているスキンケアや化粧品も
その成分によっては、塗ったそのときには
しっとりと保湿されたように感じても

ワセリン系(プロペト、サンホワイトなど)のものは
結果的に乾燥しやすい肌にしてしまうことになります。

 

以前にご紹介したように、
アトピー性皮膚炎の方で汗が出ない原因として、
真皮層で漏れ出てしまうことと、もう一つ
汗の出口がふさがってしまっていることが考えられている
とお話ししました。>>>
ワセリンのような油分の多い濃厚な基剤のものを使用していると
詰まる原因になる可能性がありますね。

 

低アレルギー性で低刺激であると思って
ご使用いただいている保湿剤や化粧品においても、
成分にによってはかえって乾燥しやすい肌にしてしまうものもある
ということになりますので、
その成分、特に基剤を見直す必要がありますね。

 

 

 

 

 

 

 

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アトピー性皮膚炎と汗 <その1>皮膚の保湿のための汗がでていない

先週末は、京都で開催された日本皮膚科学会総会に
行ってまいりました。

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今回もっとも興味深かったのは
アトピー性皮膚炎と発汗の話題です。

以前よりアトピー性皮膚炎の皮膚では汗をかきにくい、
汗をかくときに異常にかゆみが生じることは
知られていました。

*「発汗障害から考えるアトピー性皮膚炎の病態とその対策」
杏林大学皮膚科学教室 下田由莉江先生

「保湿剤のこんな使い方しっていますか?」
川崎医科大学付属川崎病院 青山裕美先生

よりお話しを伺いました。

私たちのかく汗には大きくわけて2種類あります。
運動したりしたときにかく汗と
特に何もしていない状態で知らず知らずの間にかいている
汗です。
皮膚の保湿すなわ角質水分量をあげて
うるおいのある肌に保つために必要なのは、この
後者の汗すなわち皮膚からの不感蒸泄の汗です。

アトピー性皮膚炎の方ではこの不感蒸泄の汗が少なく
肌が乾燥し、皮膚炎になりやすいのではないか?いや
そうでもない。と議論がありましたが最近では
やはり発汗低下があるという結論になっています。

 

手のひらや足の裏の発汗は皮膚のキメ(皮膚紋理)の
皮丘と呼ばれる部分からの発汗です。
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それに対して体の大半の汗は
安静時(不感蒸泄)の汗は皮溝からのみで、
この汗が角質水分量に関係し、皮膚を保湿する汗と言われています。

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温熱負荷時に体温を下げるために出る汗は、
皮丘と皮溝の両方から出ます。
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アトピー性皮膚炎の方の皮膚では、
キメ(皮膚紋理)が乱れ、
この安静時の皮溝からの汗が低下しており、
皮膚が乾燥しやすいです。
また温熱負荷時にも体温を下げるための汗が少ないため
うつ熱しやすい傾向があるようです。

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そして膝の裏側や肘の内側のみなど、
患部が限定している初期のアトピー性皮膚炎では、
皮疹のある部位も、無い部位もともに
皮溝からの、角質水分量に関係する汗は減少し、
その代償性と考えられる皮丘からの発汗が増えているそうです。
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それに対して、全身に皮疹があるような
進行したしたアトピー性皮膚炎では、
皮溝からの汗の減少はもちろんのこと、
その代償性の皮丘からの発汗もなくなってしまっているそうです。
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そのことからどうやら、皮膚症状に先行して
皮膚からの発汗の減少があるということが
分かってきました。

 

また、アトピー性皮膚炎の方では、汗でかゆくなることは
よくあります。

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でも、
実は汗は出ないのに、汗をかきそうになるとかゆい
ということがあるようなのです。

それは汗の腺で作られた汗が、
皮膚表面へ出ずに、真皮で漏れ出ていることがわかりました。

Anatomía de la piel

そのため、角質水分量をあげる保湿作用のある皮溝からの
汗は減少し、また真皮層でもれでた汗が刺激になり、
汗はでないのに汗が出そうな時にかゆい!
となるのです。

 

この皮膚症状に先行する汗とくに皮溝からの汗の減少を
改善できれば皮膚炎を予防できますね。

では、どうしたら潤った皮膚にするために必要な
汗が出るようになるのか
その方法について次回お話しします。

 

 

 

 

 

 

 

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