八丁堀 皮膚科|スキンソリューションクリニック Rotating Header Image

第107回 日本美容外科学会JSAS シンポジウム 講演内容について 「脂肪融解レーザースカルプシュアを用いた部分的痩身治療」部分的痩身でありながら全身の皮下脂肪や内臓脂肪の減る症例の機序についての考察

脂肪融解レーザー「スカルプシュア」で痩身治療をたくさん行ってきた中で学んだこと①>>>に続き
今回は脂肪融解レーザー「スカルプシュア」で痩身治療をたくさん行ってきた中で学んだこと②です☺

 

スカルプシュアの効果について80名のモニターさんの結果について報告いたしました。

その中で今回特に興味深い症例について考察いたしました。

スカルプシュアは脂肪層にレーザーをやわらかに照射をし、脂肪細胞を破壊するというよりはダメージをあたえ、3ヵ月くらいかけて、じわじわと脂肪細胞をアポトーシス(自然死)に誘導し、脂肪細胞を減らしていく治療です。

本来は、レーザーを照射した治療部位の脂肪が減少するのみであるはずが、特にダイエットをしたわけではないのに内臓脂肪や他の部位の皮下脂肪まで減る症例に多く遭遇しました。

 

この方は、臍下の下腹部にたったの2回の治療ですが、2回目の治療後3ヵ月後には治療部位以外にも全体に脂肪が減少しています。

 

 

 

 


次の方は、かなり内臓脂肪と思われる腹部のボリュームがあります。糖質制限等やってみたけれど、痩せることができなかったそうです。
スカルプシュアは皮下2-3cmに作用するのみなので、太刀打ちできないと考えていましたが治療を続けていくと、あきらかに内臓脂肪も減っていると考えられるボリュームの減少が得られました。
そして最後の治療から11ヵ月後には、別人のように痩せていました。本人にお尋ねましたが、特にその後ダイエットを頑張ったわけでもなく自然にやせていったとのことです。

 

 

この方も、治療部位は下腹部のみですが、体幹全体の皮下脂肪が縮んでいます。

 

このように少ない回数の治療でレーザー照射をしていない部位の皮下脂肪や内臓脂肪が減るケースは全員ではありませんが多く認められました。その原因として治療によって全身的な脂肪を減少させる因子の発動が起こっていると考えました。

このことの裏付けとなる症例があります。
この方は、当院で10年以上、乾癬という皮膚疾患で通院されています。
ここ最近はパラパラと発疹があるのみでしたが、
スカルプシュアの治療をしますと、数ヵ月後に、全身の乾癬が悪化をすることがわかりました。3ヵ月ほどでまた元におどりますが、
治療のたびに悪化を繰り返しています。
長く経過を診ていますが、これほどまでに発疹が出ることは少なく、
明らかにレーザー治療が悪化因子となっています。
ですが、痩身効果も出ているため本人のご希望で4回治療をしております。

この方の治療部位は腰の側腹部のみです。
2回目治療後1ヵ月後に写真で、赤い小さな斑点が全身に出ているのがわかります。

 

乾癬は急に太ったりして、脂肪細胞が膨張するとTNF-α等の炎症を引き起こす悪玉アディポカインの脂肪組織からの分泌が盛んとなり、乾癬が悪化することがわかっています。

脂肪組織は、ただの油滴の貯蔵庫のみならず、
最近ではさまざまな生理活性物質を分泌している組織であることがわかってきています。
おもにはメタボリック症候群に関係する因子です。

スカルプシュアでの脂肪融解は、脂肪細胞を直接破壊するというよりは、
少しダメージを与えて、ゆるやかに脂肪細胞を自然死(アポトーシス)を誘導させ脂肪細胞の数を減少させます。
その過程において、それらの因子が分泌され、先ほどの症例においては、
TNF-α等の悪玉のアディポカインが放出されて乾癬が悪化している可能性が考えられました。
残念ながら、途中で気が付いたため数回のTNF-αのみの測定では有意な結果は得られませんでしたが今後も調査を続けたいと思っています。

そこで、悪玉のアディポカインが分泌亢進された可能性があるとしますと、
脂肪の代謝を促進し、メタボリック症候群を改善する作用のある善玉のアディポカインも分泌が亢進され、局所的なレーザー照射にも関わらず、
全身的な皮下脂肪や内臓脂肪に働いた可能性を考えました。

今後も、この点について研究を進めていこうと考えております。

投稿日:2019年4月20日  カテゴリー:★ 院長ブログ・医療情報 ★, 美容・アンチエイジング, 乾癬