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慢性じんましんの新たな治療薬「オマリズマブ(ゾレア®)」今後は皮膚科専門医のいるクリニックでも治療できる可能性が出てきました。

これまで喘息で使用していた「オマリズマブ(ゾレア®)」
慢性じんましんに適応拡大になり、その実際の効果安全性について
情報が多く出て参りました。
昨日、診療時間をはやめに切り上げさせていただき、
その勉強会に参加しました。

神戸大学大学院医学研究科内科系講座 講師の
福永 淳先生より
今度改訂されるじんましんの治療ガイドラインについてと新しい慢性じんましんの治療薬「オマリズマブ(ゾレア®)」についてご講演いただきました。

 

慢性じんましん(6週間以上続くもの)の約45%は
自己免疫性といわれ、
そのほかのほとんどが原因不明です。
でも何かの食べ物で出ていると言うことはまず考えられません。
急性じんましんとは異なります。
従って不必要な原因検索のためのアレルギー検査は
行わないのが原則ですが、未だに行われていることがあり
今回の慢性じんましんの治療ガイドラインの改訂版ではびしっと。
「原因検索のための検査はするべきではない!」と書かれます。
やみくもに不必要な検査(アレルギー検査など)が未だにされていることがよくあります。(ほかの疾患との鑑別が必要な場合には行うこともあります)

 

そして治療については
海外では
一般的な抗ヒスタミン薬が効かない場合には
4倍量まで増量しますが、
日本では現在2倍量まで増量が認められています。
それでも効かないない場合には、
薬の種類の変更や2剤併用を試みます。

それでも効かない場合には
海外では「ロイコトリエン受容体拮抗薬」での効果の
エビデンスが高いです。

そしてそれでも効かない場合には
ステロイドを投与しておりましたが、
長期投与は糖尿病、骨粗鬆症諸々の副作用が生じることがあるため
現在も1ヶ月以内の投与にとどめるように
されています。
そこで、今回新しく登場した
「オマリズマブ(ゾレア®)」が選択肢に加わりました。

この「オマリズマブ(ゾレア®)」の治療の適応となる人の目安は
上記の治療で無効で、
↓の「UCTスコア(Urticaria Control Test)」で
12未満の人が「オマリズマブ(ゾレア®)」を検討した方がよい
適応になります。

そんないい薬でたなら早く受けたい!
と思う方もいらっしゃると思いますが
まずは非常に費用が高いです。
月に1回皮下注射しますが、3割負担で1回の注射の自己負担額は
27,000円かかります。(高額医療費控除の対象にならない金額・・・)

この「オマリズマブ(ゾレア®)」の慢性じんましんに対する
実際の効果について、実際はどうなのか。
神戸大学での効果の評価は今のところは
おおよそ
9割の人で「効果あり」
6割の人で「かなり効果あり」後で述べるUCT6以下
3割の人で「治療を続けていれば皮疹はでない」
1割の人は「治療をやめても再燃しない」
という結果だそうです。
もちろん無効な例もあります。

ある程度「オマリズマブ(ゾレア®)」が効きやすい人の
じんましんのタイプも見えてきたようです。
その特徴は
①血液中の「IgE」が高い人
この薬の作用機序が「IgE」という免疫抗体が、
じんましんを引き起こすヒスタミンを放出する肥満細胞に
くっつかないようにして効果を発揮することに関連して
血液検査で「IgE」の高い(高値出なくと、正常より高い)場合に
奏効しやすいこと。
②血液中の「Dダイマー」が高い人
最近のトピックスとして、慢性じんましんが血液凝固反応に関与することについて
広島大より発表がありましたが、それに関連してやはり
血液検査にて「Dダイマー」の高い人
③自己血清皮内テストの陰性の人
すなわち自己免疫性のじんましんの人(自己血清皮内テスト陽性)
は無効か効いてくるのに12週間以上かかる反応の遅いタイプが多いとのことです。

 

この治療はまた指定機関病院でないと
受けられませんが、副作用も少なく
スタート時のアレルギー反応も少ないので
今後はクリニックでも行えるようになりそうです。
ただし日本皮膚科学会認定 皮膚科専門医でなければ注射できません。
(専門医資格者の皮膚科医であればクリニックの医師紹介に、
必ずその旨を記載しておりますので
近隣でお探しの際はご確認のうえ受診されてください)
当院で行えるようになるまでは、近隣の病院へご紹介しております。
この治療の適応になるかどうかにつきましては
私の診察のうえ判断させていただいております。

 

 

 

 

投稿日:2018年6月22日  カテゴリー:★ 院長ブログ・医療情報 ★, 健康情報・アンチエイジング