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桃のアレルギーは「皮ごと食べる人」と「皮を食べない人」とでアレルギー症状の強さに差があります。


みなさん桃は皮をむいて食べますか?
皮ごといただきますか?

桃の産地では皮ごと桃を食べることが
おすすめされています。
桃の一番甘い部分は皮に面した実の部分なので
皮ごと食べたほうが甘くておいしいそうなのです。

海外では皮ごと食べるのが一般的。
ジューシーでおいしい桃ですが
食べると口の中の違和感やのどがイガイガしたり
唇が荒れたりする口腔アレルギー症候群(OAS)
や重篤なタイプでは
アナフィラキシーショックまで生じるアレルギーが
あります。

このアレルギー症状の差には、
桃を皮ごと食べる習慣があるか
皮をむいて食べているかによることが
わかっています。

特にOASは花粉症との交差反応(合併)が有名です。
「シラカバ」や街路樹に多い「ハンノキ」といった
ブナ目カバノキ科の植物の花粉症に伴う場合があります。
これらの花粉症の時期は1月から5月頃です。
リンゴや桃、サクランボなどのバラ科の植物と
似た成分が含まれていて
アレルギーと交差反応(合併)していることがあります。
「花粉・食物アレルギー症候群(PFAS)」といいます。
上記の時期の花粉症の症状とともに
バラ科の果物を食べるとOASの症状があります。

この中で桃は、口の中やのどの違和感程度のアレルギー
症状の場合(OAS)と、
呼吸困難や血圧低下など全身症状を伴う
重篤なアレルギー症状の場合があります。
最近では、これらの差は
桃の成分の中でも反応している成分の差であると
わかっています。

果物や野菜などのアレルギーは
植物が感染症などから身を守るために
自ら生成している防御タンパク質
(病因関連タンパク質:
psthogenesis-related protein:PRタンパク質)
対するアレルギー反応と言われており
PR-1~17に分類されています。

桃におけるアレルギーの
主要な成分(コンポーネント)は
その中のPR-10に属し
Pur p 1,2,3,4,7が知られています。

Pur p 1と4のアレルギーの人は桃を加熱して食べると
問題のない人です。
Pur p 3は耐熱性の成分のため、加熱加工しても
アレルギー症状が出ます。しかもアナフィラキシーショックなど
重篤なアレルギー症状であることが多いです。
Pur p 7は日本人で多い原因です。症状はOSAである場合が
ほとんどです。

重篤なアレルギーを起こすPur p 3が原因のことが
多い欧米人と
pur p 7が原因であることの多い日本人。
どうしてこのような差が出ているのかが
わかってきています。

Pur p 3は桃の皮に多い成分です。
よって皮ごと桃を食べる習慣の欧米では
Pur p 3にアレルギーのことが多く症状も重篤の場合が多いです。
日本では一般的には、桃を皮をむいて
食べる場合が多いの果肉に多いPur p 7に
アレルギーがある場合が多いのです。

 

桃は皮ごと食べるほうが
おいしいようですが、
ハンノキやシラカバの花粉症がある方は
バラ科の果物の摂取は控えたほうがよろしいかもしれません。
特に桃は皮をむいて食べるほうがいいようですね。

 

また最近では、桃を食べるだけではアレルギー症状が出ませんが
摂食後2時間以内に運動すると
重篤なアレルギー症状をきたす
「食物依存性運動誘発アナフィラキシーFDEIA」
桃でも起きることがあること分かっています。
とくに胃腸が激しく上下する運動
バスケットや走るなど飛び跳ねたり激しい運動を
食べた後にしたときのみ重篤なアレルギー症状が
でるこのようなタイプがありますので
やはり食後2時間は激しい運動は控えたほうがいいですね。

 

ご心配な方や思い当たる症状のある方は
皮膚科で検査が可能です。
検査は、ただ単純に桃についてのみ
検査するだけでは診断がつかず、
一緒に検査をすることで診断の確立が上がるものが
いくつかありますので、
皮膚科専門医または耳鼻科専門医、小児科などで
検査を受けてください。

*大澤陽子 福井大学医学部耳鼻咽喉科 他:
花粉症と口腔内アレルギー症候群,皮膚アレルギー
フロンティアvo.12 no3.13-17,2014
*白田阿美子 横浜市立大学医学部皮膚科 他:
果物、大豆アレルギーにおけるアレルゲン
コンポーネントの臨床的検討,J Environ Dermatol
Cutan Allergol,10(3):202-212.2016

 

 

 

投稿日:2017年3月1日  カテゴリー:★ 院長ブログ ★, 健康情報・アンチエイジング