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第20回 日本胎盤臨床医学会より <その5>プラセンタエキスによる鉄動態の是正とNASH(非アルコール性脂肪肝炎)及び糖代謝の改善効果

プラセンタの多彩な効能には
ちゃんと根拠がある!
今回の学会で実感しています。

難しいお話しは今回で終了ですm(__)m

 

前回のブログにて、
脂肪肝、非アルコール性脂肪肝(NASH)、肝硬変、
肝臓癌には
従来からのビタミンEに加えて、水素、L-カルニチンが
有用であることについてお伝えいたしました。
今回は、もちろんそれらの疾患にプラセンタエキス
良い作用を示すことについての講演の内容です。

プラセンタエキスには、これらの疾患において
進行の影響を受ける鉄の臓器沈着を改善させるhepcidin
含まれており、肝機能、膵臓の機能(糖尿病)の改善効果
認められました。

プラセンタエキスは肝疾患ばかりでなく
糖尿病の方にもいいというお話です♪

この後は難しいので、ご興味のある方のみ御覧くださいm(__)m

 

 

肝臓は鉄を貯蔵している臓器でもあります。
ただし、何らかの原因で過剰に鉄が沈着すると
肝細胞に障害を与えます。
それは、鉄が酸素を活性酸素に変換させる反応を触媒
することによります(活性酸素を生み出す助けをしてしまう)。
このことは肝臓に限らず他にも膵臓や諸臓器でも同じで、
臓器不全を惹起します。

 

<脂肪肝の病気の進行には鉄の沈着が関係>
脂肪肝、そしてNASH(非アルコール性脂肪肝炎)の進展
はtwo-hit thoryが支持されています。
first hitでは、まず幹細胞への脂肪沈着が起こることで
脂肪肝になります。
そしてsecond hitの一因として肝内への鉄の沈着が注目されています。
上記のごとく鉄が発生に関与する活性酸素の生成が促進
されて、酸化ストレスが進行の原因となります。
したがってNASH患者やC型慢性肝炎において、
瀉血(しゃけつ)をすると肝炎の鎮静化、
線維化抑制、肝癌の抑制があるのは、
瀉血により鉄を減らすことができるからです。
瀉血はヘモグロビンの形で多量の鉄を内部にもつ赤血球を
体外に排泄することで体内の鉄の総量を減らすことと、
貧血状態にすることで造血機能が高まり、
沈着していた鉄が血中に動員され、鉄を減らすことができます。
鉄の沈着を抑えていくことが、進行を抑えるのにとても重要です。

 

<これらの疾患ではなぜ鉄の沈着が多くなるのか>
食事から鉄が腸で吸収されるときに、
過剰にならないように調節するシステムがありますが、
何らかの原因でこれが破たんすると
鉄が過剰となり、種々の臓器に沈着してしまいます。
腸の基底膜から血液中に輸送する際に必要な
FPN(ferroportin)の発現が増強し過剰吸収になっている
という報告*1やこのFPNに結合して十二指腸からの鉄の
吸収を低下させるhepcidinが減少することで起きること
などがいわれています*2。
C型肝炎においては、肝臓の線維化が進展するにつれて
hepcidinが低下することが報告されています*3。
これはHCV感染自体により誘導された活性酸素により
このhepcidin発現を抑制することが明らかになっています。
そのほか鉄欠乏状態で本来活性化するiron regulatory
protein(IRP)RP1の活性を増強する液性因子により、
鉄の吸収が過剰になっていることも言われ、
様々な要因があるようです。

 

<プラセンタエキスには鉄の吸収を抑制するhepcidin
が含まれているので鉄の沈着を抑えてくれます>
上記のうち鉄の吸収を抑制して調節する作用のある
hepcidinがプラセンタエキスには含まれています。
病態が進行するにつれて減少するhepcidinを補って
鉄の沈着を抑制することができます。

 

<本当にプラセンタエキスで肝疾患、そして糖尿病までも
が改善するのか>

そこで今回の学会では
浜田内科・消化器科クリニック 院長
浜田結城先生より
「治療抵抗性糖尿病における肝臓病学的アプローチ
 -鉄動態の是正と糖代謝改善の関連性」
実際にプラセンタエキスの投与によりNASH患者において
肝への鉄沈着の改善及び2型糖尿病の代謝改善した症例
についてご提示いただきました。

前述の、腸からの鉄の吸収を抑制するhepcidinが、
膵臓のβ細胞で産生されていることが明らかとなり、
糖代謝も鉄動態の変化を受けることが注目されているそうです。
インスリン抵抗性があると、hepcidin産生が減少し、
鉄の吸収が過剰となり、肝臓や膵臓に沈着します。
すると肝機能が悪化、そして糖尿病が悪化インスリン機能
がさらに悪化という悪循環をきたします。

2型糖尿病を合併し、肝生検にてNASHと診断された62例
においてラエンネックの効果を検証しています。
1群は通常の肝庇護療法のみ
もう1群の31例は同じく通常の肝庇護療法に加えて
ラエンネック®注射を2A 1~2回/週投与して
血清フェリチン、ALT、HbA1cを継時的に観察しています。
その結果ラエンネック投与群では、
血清フェリチンが
278.7±302.1 ng/mlから58.3±49.1(wilcoxon  p<0.01)まで低下。

ALTは54±21.3 U/Lから26.5±15.3(p<0.001)に低下。
HA1cにおいても6.7±1.2%から5.7±0.8(p<0.01)に改善しています。
ラエンネック非投与群においても治療により改善傾向はみられていますが、
ラエンネック投与群において有意に顕著でした(Mann Whitney p<0.05)

鉄動態の改善という肝臓学的な治療アプローチで
同時に糖代謝も改善されるという非常にすばらしい効果です。
ラエンネック投与は瀉血に匹敵する鉄動態の改善効果といえます。
hyperferritinemia(フェリチンが高く、肝臓に鉄の過剰
沈着が考えられる)治療抵抗性の糖尿病に対して、
ラエンネック注射により鉄代謝の是正を試みることは有用といえました。

 

*1 zoller1H et al:Expression of the duodenal iron
transporters divalent-metal transporter 1 and ferroprtin
1 in iron deficiency and iron overload. Gastroenterology 120:1412-1419,2001

*2 Nemth E et al:Hepcidin,a putative mediator of anemia
of inflammation,is a type Ⅱacute-phase protein. Blood 101:2461-2463,2003

*3 Therul I et al:Iron regulates hepatitis C virus tranlation
via stimulation of expression of translation initiationfactor
3.J Infect Dis 190:819-825,2004.

 

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