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第20回 日本胎盤臨床医学会より <その1>ヒト胎盤(プラセンタ)抽出物の癌細胞増殖抑制効果に関する研究報告

今回の学会の内容は、医師である私たちでも
非常に専門的で難しい内容です。
皆様にわかりやすくご説明することは容易ではありません(*_*;
また、今回参加できなかった仲間の医師たちより
内容の詳細を聞きたいと頼まれておりますので
今回は医師向けに書かせていただきますm(__)m

今回のこのブログの内容は
要するにはプラセンタエキスに含まれる
アミノ酸であるアスパラギン酸とグルタミン酸が
肝臓癌の増殖を抑える効果があるという報告についてです。

 

近年、低アルブミン血症やロコモティブシンドローム
、サルコペニアの改善(筋量アップ)の目的で使用されている
BCAA(ロイシン、イソロイシン、バリンからなるアミノ酸
サプリメント)において(当院でも扱っています)
すでに肝癌抑制作用があることについてはすでに報告されています。
*Yoshiji H et al:Branched-chain amino acids suppress
insulin-resistance-based hepatocartinogenesis in obese
diabetic rats.J Gastroenterol.44(5):483-491,2009.

そのほかにもアミノ酸単独でも、抗癌作用について報告が
あります(アルギニン、イソロイシン)。
*L Scott et al:Single amino acid(arginine)deprivation:
rapid and selective death of cultured transformed and
malignant cells.br J Cancer.83(6):800-810,2000
*Murata K et al:Isoleucine,an essential amino acid,
prevents liver metastases of colon cancer
byantiangiogenesis.Cancer Res.67(7):3263-3268.2007

 

そこで今回は
ラエンネックを製造販売している株式会社
日本生物学的製剤 プラセンタ・アベニール研究所 所長
平野 栄一先生より
「ヒト胎盤抽出物における癌細胞増殖抑制物質の
単離・同定と肝癌治療薬としての可能性」
プラセンタの様々な効能を研究する過程で
その抽出液により、癌細胞の増殖が抑制されることが
確認され、
ヒト胎盤抽出物に含まれる特定のアミノ酸(アルギニン、
グルタミン酸)の混合物が癌細胞の増殖を抑制すること
について今回ご講演がありました。

ヒト胎盤抽出物をアミノ酸分析したところ
Ala(アラニン)、Gly(グリシン)、
Glu(グルタミン酸)、Ser(セリン)、
Thr(スレオニン)およびAsp(アスパラギン酸)の6種類
のアミノ酸が検出されました。
そしてこれらを様々な組み合わせで癌細胞の増殖抑制効果
を見たところAspとGluの2種の組み合わせにおいて
VX2肝臓担癌家兎モデルにおいて、腫瘍の増殖を有意に
抑制することが確認されました。
(この講演ではふれられませんでしたが、
作用機序は金属塩の抗癌作用の増強のメカニズムと類似
していることが推測されているようです)

現在のところ、肝細胞癌に対して確実な抗癌効果を示す
抗癌剤は少なく、副作用も強いことから、
このアミノ酸は正常な肝細胞にはほとんど影響を与えす
細胞毒性(副作用)のほとんど見られない抗癌作用といえます。
今回のこの講演以外にも、AspとGluにさらに
ナトリウムとカルシウムを添加した混合物(EDSCA)は
肝細胞癌に強い増殖抑制効果を示し、
既存の抗癌剤のシスプラチン(CDDP)を上回る
細胞増殖抑制効果が認められた報告もあります。
肝臓癌に対する副作用の少ない新規抗癌剤の開発に
つながるとともに、
ヒト胎盤(プラセンタ)エキスが有用であることを示した報告でした。

 

 

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