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アトピー性皮膚炎の人は「汗はかいた方がいいのか、かかない方がいいのか。」

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アトピー性皮膚炎の方は、
汗をかくこれからの季節に悪化する方が多く、
汗をかかない工夫をされている方もいらっしゃ
います。
汗の貯まるところが夏に悪化することは
確かなのですが、ほんとうに汗は悪者なのか?
について検証された報告があります。

*アトピー性皮膚炎悪化因子の検証:
汗と温度に関する最近知見」
大阪大学大学院医学系研究科情報
総合医学講座皮膚科 室田 裕之先生より
西日本皮膚・76巻3号/2014

外部の刺激から肌を守るバリア機能の一つが
皮脂膜ですが、それは皮脂と汗が混ざり合うことで
形成されます。
したがって汗はこの皮脂膜の構成因子として保湿、
バリア機能の役割に関与しています。
そして最近ではこの汗の中には抗菌ペプチドや
免疫抗体(分泌型IgA)が含まれ、雑菌から
守る働きがあることもわかっています。

ですので汗をかくことも必要ですね
そして夏季は暑熱適応のために、発汗は増加します。
でもその大量に出る時の汗は、知らない間に出ている
不感蒸泄の汗とは成分組成が違うそうです。
大量に出るときの汗は、pHが高めで、
汚れた皮脂膜の除去や、不要な角質の除去に貢献しています。
したがって長時間皮膚に付着していると、刺激になると考えられます。

でもアトピー性皮膚炎の方では、発汗が低下しています
汗の排泄の低下、汗腺からの汗の産生、分泌の異常が
原因といわれています。
排泄の低下は、汗の出口の角栓形成による閉塞または
周囲組織への漏れが考えられているとのことです。
また産生分泌の低下は、自律神経失調や発汗誘導因子の
アセチルコリンへの反応低下があるそうです。
アレルギー炎症で増加するヒスタミンが、
このアセチルコリンによる発汗を抑制することを
確認したとも報告されています。

汗が少ない乏汗状態では、皮膚に熱がこもり、乾燥し、
病原菌に対する抵抗性も損ない皮膚炎は悪化しやすく
なります。

通常は汗をかくことで、皮膚表面はうるおいますが、
アトピー性皮膚炎の患者では、汗に含まれる
天然保湿因子の含有量が低下していたり、
角層の保水機能が低下していることなどにより、
発汗しても皮膚がうるおいにくいようです。

したがって、汗の効能を得るには、
夏でも日常的に保湿剤によりスキンケアを行って
おく方が良いとのことです

アトピー性皮膚炎で汗をかきやすいこの時期に
悪化が見られる関節の内側は、
実は発汗量の少ない部位だそうです!
汗が蒸散しにくく、停滞するので悪化しやすいのですね。
不感蒸泄でない汗は、長時間皮膚にとどまると、
皮膚に刺激が生じることがありますので
洗い流すか、濡れたタオルでふき取るか、
着替えるかが必要ですね。

 

以上より
汗はかいたほうがいいですが、
長時間皮膚に付着していないようにケアが必要。
汗による保湿、抗菌作用などの効能を得るには
夏でも保湿剤によるケアで肌を整えておく必要
があります。

 

*室田浩之 ;アトピー性皮膚炎悪化因子の検証:
汗と温度に関する最近の知見 西日本皮膚
76巻3号 2014. 189-193
*室田浩之 ;「アトピー性皮膚炎における発汗生涯」
日皮会誌 124(7)1289-1293

 

 

 

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